NPS(ネット・プロモーター・スコア)をはじめとして、AIを活用した感情データの分析・可視化を専門とするEmotion Techは、「全国大学NPS(※)調査」を実施しました。大学卒業者に対してインターネットによるアンケート調査を実施し、回答結果をEmotion Techが有する独自の分析技術によりランキング形式にしました。
(※ NPS(ネット・プロモーター・スコア)は、「ベイン・アンド・カンパニー」のフレッド・ライクヘルド氏らにより考案されました。NPSの数値が高いほど顧客のロイヤリティが高いことを意味しており、従来の顧客満足度より収益との相関性が高いとされています。NPS先進国の米国では売り上げ上位企業500社(Fortune500)の35%がこの指標を経営に取り入れているともいわれており、かなり注目されています。「今回は、大学のOBやOGの母校のNPSを調べることで、母校への愛着度を知ることができます」(Emotion Tech))
少子高齢化が叫ばれる昨今、個人においては単に「偏差値」で選ぶ時代ではなく、将来に向けた自分らしい人生への道標として、大学を求める様になっています。
大学側は、大学の大倒産時代が訪れると言われる中、偏差値以外にも学生に魅力を感じられる付加価値をいかに見いだせるかが生き残りのポイントとなっていると言えます。
そこで、実際に卒業したOBやOGに対し調査を実施することで、偏差値を元にした評価だけではなく、その他の要素・経験を元にした「本当の大学の価値」「入って良かった大学」をランキングしました。
(※今回の調査は、2018年8月20日~8月31日の12日間、全国の大学を卒業した男女に広くアンケート調査し、1,500名から得た回答を元に一校につき信頼を担保できる回答数を得た大学のみをランキングしています)
調査では、NPSの基本設問となる「あなたはご自身が卒業した大学に入学することを、家族や親しい友人・知人にどの程度すすめたいと思いますか?(0~10の11段階で回答)」を軸に、次の質問でおすすめ度に影響を与える下記7項目の体験に関して質問しました。
具体的には下記それぞれの体験は、おすすめ度にどう影響したか、回答してもらいました。(非常にマイナスに影響した、ややマイナスに影響した、影響しなかった、ややプラスに影響した、プラスに影響した)
・「大学の印象(イメージ・口コミなど)」
・「立地・施設(アクセス・広さなど)」
・「学費(奨学金・入学金など)」
・「授業(カリキュラム・内容など)」
・「キャンパスライフ(人間関係・サークルなど)」
・「就職活動支援(OB・就職実績など)」
・「卒業後(ネットワーク・会報など)」
慶應義塾大学が1位、「OB・OGネットワーク」などが高い評価
NPSで1位だったのは慶應義塾大学です。「OB・OGネットワーク」「就職のしやすさ」「ネームバリュー」の3項目について、卒業生が母校を高く評価しています。
次いで、東京大学と京都大学が2位、3位になりました。早稲田大学や慶應義塾大学との違いとして、ともに「就職のしやすさ」「OB・OGのネットワーク」に関してNPSに影響していないことがあります。東大は「社会的イメージ」「授業料」「授業・カリキュラム」への満足度が高く、「キャンパスライフ(人間関係・サークルなど)」はマイナス要因となっています。
逆に京都大学は「キャンパスライフ」が大きくNPSを持ち上げています。一方で「社会的イメージ」「授業料」に関しては、東大ほどは押し上げの要因にはなりませんでした。
早稲田大学は4位、「キャンパスライフ」は慶應を上回る
4位は早稲田大学で、NPSを押し上げた要因として慶應義塾大学と同様に「就職のしやすさ」の評価は高く、「キャンパスライフ」については慶應よりも高い評価を得ました。一方で、授業料についてはOBが強い不満を持っていることがわかりました。
最下位は東海大学となり、2018年に様々な問題が起きた日本大学は、28校中25位という結果になりました。日本大学のOBが特に不満を感じているのは「社会的イメージ」の悪さという結果になりました。騒動後の調査となったことから、大きく影響した可能性もりますが、「授業のおもしろさ」に関してかなりNPSを押し下げています。