マリアナ政府観光局が、リゾート地として有名な南の島サイパンのレジデントインスタグラマーを募集することを発表しました。滞在先と往復の航空料金、生活費の一部が提供される「仕事」は、どんなものでしょうか?
人生の休暇を実現できる? 南の島の魅力を伝える短期ワーク
「レジデントインスタグラマー」とは、マリアナ政府観光局(東京都中央区)による、台風被害を受けたサイパンの復興応援とマリアナの魅力を発信する企画のために造られた言葉です。レジデントインスタグラマーは2ヵ月間サイパンに滞在し、島を復興するアート活動への参加や自身の特技を活かした活動や体験を通じて、サイパン、テニアン、ロタの魅力や現地の人との絆などをインスタグラムで発信します。旅行や南の島が好きで、インスタグラム好きの方にとっては夢のような話ですね。
レジデントインスタグラマーには、2ヵ月間の滞在先と生活費の一部、成田―サイパン間の往復交通費(自宅~成田は各自負担)が提供されます。報酬はありませんので、滞在費のかからない旅行と考えるほうが近いかもしれません。2ヵ月間を長期休暇と考えて日常を離れてみるのも楽しそうです。
一方、旅の魅力を発信する仕事が報酬につながる「プロトラベラー」(商標登録 ミツバチワークス株式会社)という職種もあります。プロトラベラーの仕事は旅行会社や自治体、企業などの依頼で、その土地の魅力や楽しみ方を発信することです。指定された場所に出向いて撮影した画像や動画を投稿するのではなく、旅行者の視点で魅力や楽しみ方を発掘する、プロデュースに近い役割です。
"仕事"の範囲や働き方の多様化が進んでいる
プロトラベラーとして活躍しているのは、インスタグラムで多くのフォロワーをもつ女性たちです。SNSにおける発信力は限定的ではあるものの歴然とした影響力となっており、商品やサービスのPR・販売促進を考えるときに無視することができなくなっています。さらに、マスメディアを利用した広告宣伝と比較すると、コストパフォーマンスもよいです。こうした状況は、高収入を得るYouTuberの存在などで皆さんもご存じと思います。
SNSやWebサービスによって報酬を得られる"仕事"と呼べる範囲は多様化しています。働く場所や時間も選びやすく、働き方を自由にデザインすることができるようになっています。昨今、UターンやIターンで地方移住する人が少しずつですが増加しています。さらに企業においても、テレワーク導入や従業員の副業を認めるなどの変化がみられており、働き方の多様化は確実に進んでいます。
"働き方改革"を機に、自分らしい生き方が見つかる可能性も
国が進める「働き方改革」では、当然ですが、企業による労働環境の整備が先行しています。こうした背景は、会社に依存せず自分の裁量で働きたい意欲がある人には絶好のチャンスともなります。会社組織を離れることに不安を感じる人は多いと思いますが、副業OKの会社ではそうした懸念も解消されます。得意なこと、やりたいことを活かせる、ストレスレスな働き方を見つけられるチャンスかもしれません。
ただし、副業OKの会社だからといっても、節度やモラルは厳守しなければなりません。副業のことで仕事がおろそかになったり、職場に迷惑をかけたりということがあれば、「やはり副業は禁止すべき」という結論に至る可能性もあります。「自分らしさ」や「自由」は、常に自己責任と良識がもてる人だけに許されます。そのことを忘れてはいけないのです。
プロフィール
Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。