「STOP!セクハラ」女性社労士監修セクハラ対策講座|第2回「酒席で気をつけたい会話」編

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セクシュアルハラスメント、いわゆる「セクハラ」が起きやすい場所のひとつが、お酒の席かと思われます。第2回目となる今回は、"お酒の席"をテーマに、どのような場面でセクハラが発生してしまうのか、気をつけたいケースをご紹介していきたいと思います。

■意外と身近で起きている!セクハラの現状

昨年度、都道府県労働局に寄せられたセクシュアルハラスメントの相談件数は、なんと6,808件。前年度に比べ、件数は減少したものの、まだまだ多くの相談が寄せられています。「不必要に身体を触られた」という身体的なセクハラや、「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」「性的な話や質問をされた」という精神的なセクハラなど、その内容は様々であると考えられます。セクハラは、それぞれの状況によって判断が分かれるため、そのすべてがセクハラであるとは断言できませんが、少なくとも、相談の数だけセクハラと感じた人が存在しているということです。

■セクハラが発生しやすい会話とは?

これからの季節、なんといっても気をつけたいのは「お酒の席」です。普段は気をつけていても、お酒が入ると普段では考えられないような振る舞いをしてしまう人が多く見受けられます。前回ご紹介したように、セクハラに該当するのは就業場所での出来事に限られませんので、たとえお酒の席であっても、不快だと感じる方がいれば、場合によってセクハラに該当する可能性があります。よくあるのは、会話を盛り上げようと無意識に発した言葉で、相手を不快にさせているケースです。

例えば、複数人での飲み会の際、上司の男性が部下の女性に対して、「スタイルいいよね」「これまで何人と付き合ってきたの?」と発言したとします。その場は盛り上がっているようにみえても、言われた女性は不快に感じていたパターンです。このようなケースの場合、発言した側はたいてい、「褒めたつもりだった」「周囲も盛り上がっていた」などと、自身の発言について全く問題がないと思い込んでいることが多いのです。不快に感じるようであれば、何らかの意思表示をするべきでしょう。

また、女性だからといって、いつも"セクハラをされる"立場とは限りません。飲み会の場で、先輩の女性が後輩の男性に対して、「どんな女性がタイプなの?」と執拗に問いただしたり、「そんなんだから彼女できないんだよ〜」などと、少し踏み込んだ発言をした場合です。このケースも、発言した側は単に親睦を深めるつもりで言っていたとしても、言われた男性のほうは不快と感じているかもしれません。捉え方は人それぞれなので正確な基準はありませんが、プライベートな話をする際は、十分に気をつけたほうが良いですね。

■こんなパターンも要注意!

最後に、こんなケースをご紹介します。飲み会の席で、ある女性社員が「私、下ネタ大丈夫だから」といって、同僚の男性社員と性的な内容の会話を積極的にしていたとします。一見、セクハラとは無縁そうなこのケースですが、注意が必要です。なぜなら、会話をしている女性社員本人が平気であっても、近くの席でその会話を耳にした女性社員が不快に感じ、セクハラ被害を訴える、という場合があり得るからです。普段からお酒を飲むと羽目を外してしまいがち...という方は、こういったケースにも注意していただきたいです。

以上、気をつけたい身近な会話をご紹介しました。最終回は、働く女子がおさえておきたい"セクハラ対策法"を提案していきたいと思います。

プロフィール

齋藤 誠子

社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アウトソーシング事業部所属。
下町生まれ、下町育ち。大学卒業後に就職した街の法律事務所で、労働問題に触れたことがきっかけとなり、社会保険労務士に。上場企業の人事対応から、社員との一対一のやりとりまで、多種多様なクライアントの社会保険手続きを担当している。
著名人を招いて開催する、人事担当者の交流会「オオツキMクラブ」の企画・運営にも携わり、企業に繋がりの場を提供、また、自身の活発なコミュニケーションの場としている。
その親しまれやすいキャラクターを活かし、初めての方にも法律を理解してもらえるよう、わかりやすく伝えることに力を注いでいる。目指すは、「商店街のお肉屋さんのような社労士」。

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