「できる営業になるための4つのステップとセールスプロセス」<br>第2回 人間関係づくりのステップ

ビジネススキル・マナー

金融機関・外資系保険会社で16年間に渡り実務経験を積んだ後、有限会社アイスビィを設立した営業のプロである植森宏昌氏が、できる営業になるための4つのステップとセールスプロセスを伝授する第2回。今回は、「きっかけ」、「安心」、「期待」、「共通点」づくりからクライアントとの距離の縮め方をお伝えします。

話しかけるきっかけに最適な話題とは!?

身近な例でお話ししますと好きな人が出来た場合、皆さんは話しかけるきっかけを作り、何とか仲良くなろうとしますよね?

しかし、相手のことがわからない状況だと何から話そうかと躊躇します。

その不安心理が緊張を生みだし、大概の人は話しかける勇気がなくなり行動に移すことができなくなります。

では、その様な場合、どうすれば話しかけやすくなるのかを一緒に考えてみましょう。
話しかけるきっかけとなる話題として簡単な例を幾つか挙げます。

1. 服装など相手が身に着けてる物
2. 出身地や出身校など共通の話題
3. 旬な話題
4. 相手が興味を持ちそうな物を身に着ける

服装など相手が身に着けている物の話題

時計やネクタイなど相手が身に着けている物は、その人が気に入ってる物が多いと言えます。

それを褒められて嫌な気分や相手に対して嫌な気持ちになることは基本ありません。

難しい話も必要ありません。

「その時計、おしゃれですね。どちらのブランドですか?」
「そのネクタイ、凄くお似合いですね。いつもご自身で選ばれるのですか?」
「そのスーツ、どちらで作られたのですか?凄くお似合いなので」

など、詳しいブランドとか分からなくても問題ありません。話題を振るだけで相手から色々、話して頂けるケースが多いです。

ただ、ここで気を付けるべきことは、初対面の人に対して最初から外見や髪形などを褒めるのは危険と言えます。ケースに因っては嫌悪感を抱かれることもありますので使い方、話す順序を間違わないようにしてください。

出身地や出身校など共通の話題

人は相手と共通の部分があると安心感が芽生え相手に対して親近感を覚えます。

私は相手に警戒心を抱かせない為に、「私は大阪出身ですが、〇〇さんは、どちらの出身ですか」と先ず自分の出身を話します。

例えば相手が「大阪です」と言えば「同じですね!私は、大阪の△△出身です。〇〇さんは、大阪の何処ですか?」と自然な流れの会話の中から共通の部分を探します。

「では、今は無くなりましたが第5学区ですか?」
「クラブは何されてたんですか?」

など、尋問にならない様に自然な流れで聞き出すことが重要と言えます。

ただ、前述にも記載しましたが、その際に注意すべき点は「私は△△ですが、〇〇さんは?」と自分の事を先に話し、相手が回答する事への抵抗感を無くさせる事が最も重要と言えます。

旬な話題

テレビやワイドショーで頻繁に取り上げられる話題や、取引先の近所にある話題の飲食店などの話も効果的と言えます。

事前に下調べしておけば会話は弾みます。

行ったことのある店の場合は「以前から気になって行ってきたんです。〇〇を食べたのですが凄く美味しかったです。もし、よろしければ近々、一緒に行きませんか?」

行ったことがない店の場合は「前から気になってたんですが行かれたことはありますか?中々、1人では入りにくくて。もし、行かれたことが無いようでしたら今度、ランチでも一緒に如何ですか?」

と言って距離感を縮めるキッカケ作りが出来ます。

他にも芸能人などの話題で「先日、〇〇さんと△△さんが結婚の発表をしましたね。私、芸能には疎くて付き合ってるなんて全く知りませんでした」とか「テニスの大坂選手、凄かったですよね」なども会話が弾みやすい一例と言えます。

ただ、ここでも気をつけないといけないのはアマチュアスポーツは良いのですがプロ野球などの特定のチームの話題は注意が必要です。関西だから阪神ファン、広島だから広島ファンとは限りません。スポーツや政治の話は相手のことが分かるまで出来たら避ける方が良いかも知れません。

相手が興味を持ちそうな物を身に着ける

究極の話ですが自分から話しかけるのが苦手な人は、相手から話しかけて貰いやすくする為に「話してもらうネタやアイテム」が有効です。

社長は忙しいですから、きっかけが無い限りなかなか、自分から話しかけてくれる事はありません。

例えば、今、流行りのアイテムや話題の店の紙袋なども身近なところでは良いかもしれません。

他には私が過去に見たのは自社の有名な会長と一緒に写ってる写真を、お客様に見える様に鞄に入れてる某保険会社の営業マンです。これは如何なものかとは思いますが、自分に売るものが無く自信のない営業には社内にいる有名人の影響力を使えて話が弾む点では1つのアイテムかも知れません。

SNSの普及や核家族化により年々、人と直接、話す機会は減少してます。学生の頃は、それでも問題は無いかも知れませんが、社会に出たら仕事を進める上で、否が応でも周りの人とのコミュニケーションが必要となります。

ただ、一部の天才的な人を除いては、この能力は簡単には身に付きません。日頃から意識して話す練習や相手に対して興味を持つなどのトレーニングが必要と言えます。

4つの距離感とは!?

アメリカの文化人類学者。エドワード・ホール(Edward Hall)は、相手との関係と距離感を以下の4つに分類しています。

1. 密接距離(intimate distance) :0cm〜45cm
身体に容易に触れることが出来る距離
家族、恋人など、ごく親しい人だけが接近を許される近い距離で、それ以外の人がこの距離に近づくと恐怖感や不快感を強く感じます。

2. 個体距離(personal distance) :45cm〜120cm
二人が共に手を伸ばせば相手に届く距離
友人同士の個人的な会話では、この程度の距離がとられます。

3. 社会距離(social distance) :120cm〜350cm
身体に触れることは出来ない安心できる距離
知らない相手や公的な場面やビジネス上の相手と接するときにとられる距離。

4. 公共距離(public distance) :350cm以上
講演会や公式な場での対面のときにとられる距離。
自分と相手の関係が「個人的な関係」ではなく「公的な関係」である際に用いられる距離。

この距離感は、男女差や人間関係に因っても変わります。

一般的には女性は男性よりもパーソナルスペースは狭いとされています。

人と話す場合、この距離感も意識されると良いかも知れませんね。

次に相手と話す際に注意すべき点を幾つか挙げたいと思います。

簡単なお話で言うと「話しやすい空気、空間を作る」と言うことです。

下記のような人が皆さんの周りにいませんか?

1. 質問攻めにする
2. 人の話を聞かない
3. 人の話を取る
4. 知らないのに知ったかぶりをする
5. 人の話を途中で遮る
6. 人が話してるのにスマホを触る
7. 相手の目を見て話さない

事前の準備と相手と話す際に少し注意するだけで距離感は縮まります。

あとは失敗を懼れず実践し成功体験の積み重ねる事が重要と考えます。

プロフィール

植森宏昌(うえもり・ひろまさ)

金融機関・外資系保険会社で16年間に渡り実務経験を積んだ後、有限会社アイスビィ設立。全国各地に支社・営業所を展開し、お客様本意をモットーとした親身なサービスを提供中。MDRT18年連続登録(2018年3月時)。MDRT成績資格終身会員(内COT10回)。中小企業の経営者、従業員の幸せを考え、M&Aシニアエキスパートを資格取得。
株式会社Precious代表取締役、株式会社ADAMAS取締役。

アイスビィ
http://isbee110.com

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