お茶の水女子大学がトランスジェンダーの受け入れを発表!<br>LGBTの方々への企業の取り組みは?

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お茶の水女子大学がトランスジェンダーの学生を受け入れることを発表しました。トランスジェンダーやLGBTの方々を受け入れる取り組みは、教育機関だけでなく、企業にも広がりはじめています。多様性のある社会の実現をめざす取り組みです。

お茶の水女子大学がトランスジェンダー学生の受け入れを発表

2018年7月10日、お茶の水女子大学が2020年度から「トランスジェンダー」の学生を受け入れることについて記者発表を行いました。すなわち、戸籍上男性であっても性自認が女性である人は、同大学で学ぶ機会を与えられるようになるわけです。同大学ではこれを「多様性を包摂する女子大学と社会の創出にむけた取り組み」と位置づけています。さらに、お茶の水女子大学と同様、国立女子大学である奈良女子大学のほか、私立女子大学でも津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学などがトランスジェンダーの学生の受け入れを検討しており、将来的には男子校、女子校の入学基準が、生物学的な性別ではなく、ジェンダー(本人の性自認)となる日がくるかもしれません。教育機関の基準が変わることで、企業や社会全体のジェンダーに関する認識が変化していくのではないでしょうか。

トランスジェンダー、LGBTの定義は?

昨今、テレビ番組などで、いわゆるオネエの方々を見かけない日はありません。その存在が社会的に認知され、受け入れられつつあるように思えます。しかし、現実には、テレビの向こう側だけでなく、こちら側でセクシャル・マイノリティ(性的少数者)の人もそうではない人も一緒に社会を構築しているのです。以下、トランスジェンダー、LGBTについての定義を記載します。

・トランスジェンダー

トランスジェンダーは、生まれつきの生物学的性別(セックス)と、自身の性別に対するアイデンティティが異なる人やグループをさします。国際的な人権に関する文書でも、「性同一性が出生時に割り当てられた性別と対応しない状態」という意味で用いられていますので、大まかな認識としては問題ないでしょう。

「性同一性障害」と混同される場合もありますが、性同一性障害は心の性(性同一性)と身体の性(解剖学的性別)が一致しない状態をさす精神医学上の疾患名で、トランスジェンダーすべてが性同一性障害ということではありません。また、トランスジェンダーは特定の性的指向を意味するものではなく、異性愛者、同性愛者、両性愛者などである可能性があります。

・LGBTまたはGLBT

女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を組み合わせた造語で、「性の多様性」と「性のアイデンティティ」に対する肯定的な概念を含んでいます。

多様性を受け入れるメリットとは何か

2017年5月に、経団連が「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」を発表しています。これは、LGBTを含むあらゆる人々が、企業をはじめ経済社会のさまざまな分野で活躍し、その能力を最大限に発揮できる社会の実現をめざす取り組みです。

その背景として、 超スマート社会の到来に伴い、多種多様な能力を有する人材が求められること、企業活動のグローバル化により、さまざまな背景をもつ人材に対する人権への配慮が重視されはじめたこと、人生100年時代が到来し、年齢を問わない人材活用が急務となっていることなどが挙げられています。

海外では同性婚やLGBTの方々への差別禁止が進んでいますが、かなり後れをとっている日本でも、同性パートナーを認める条例が自治体(渋谷区、世田谷区、港区、中野区、宝塚市、伊賀市、那覇市、札幌市、福岡市、大阪市)で制定され、さらに各地で採択する動きが続いています。さらに多くの企業で、性的指向、性別の認識などを理由とする差別の禁止(社内規定への明記)、職場環境の整備、採用活動における配慮などの取り組みが進んでいます。LGBTの方々への配慮は少しずつですが形になりはじめています。

こうした取り組みは、人材の多様性を受け入れることにつながり、優秀な人材の獲得や生産性の向上などが期待でき、企業にとってもおおいにメリットがあると考えられています。

プロフィール

Misa

ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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