「できる営業になるための4つのステップとセールスプロセス」<br>第1回 自分づくりのステップ

「できる営業になるための4つのステップとセールスプロセス」<br>第1回 自分づくりのステップ

まず、最初に交渉や営業をする上で最も大切な事は「基本を守る」という事です。基本ができて初めて応用ができます。売れない営業の大半は、楽をして基本のプロセスを飛ばし大切な言葉や行動などの順序を守らず楽に簡単に契約しょうとする傾向があります。それでは、一時的に契約が出来たとしても長続きはせず、3ヶ月もすれば売れなくなり辞めていきます。単なるラッキーでうまくいっただけの営業は根がないためにうまく行かなかった時に、どうすれば良いかが分かりません。その為にもうまくいかなくなったら常に原点(基本)に回帰する為に「基本を守る」ことが最も大切と言えます。本連載の第1回目は、必要関連知識の習得や稼働計画の立案、視覚訴求資料の作成などの営業で100%成功する為の事前準備の進め方などをお伝えします。

戦略を立てる

私が今まで見て来た営業の大半は、来年の目標を語る事はできますが、それを達成するために、どの様な戦略を持ち、どうやって、その目標を達成するかを話せる人はほとんどいません。

つまり、対前年比で10%増を目指したいという目標を立てるだけでは実現はできないということです。戦略を伴わない目標は願いにしかすぎず、計画のない目標は決して実績に結びつく事は有り得ません。

具体的な営業戦略を立てる

では、具体的な営業戦略は、どのように立てていけばいいのでしょうか。営業戦略とは、以下のようなものを指します。

(1)マーケット戦略(どの分野、どの業種で戦うのか?)
得意分野で戦う!自分の庭で戦う!有利な環境で戦う!

(2)エリア戦略(どこまで営業エリアを拡げるか?)
地域密着、線で拡げる、点で拡げる

(3)商品戦略(どの商品で戦うのか?)
得意なマーケットは?法人?個人?それとも?

(4)ミックス戦略(商品の組み合わせ+付加価値)
自分の商品価値は?人より優れてる点は?

(5)組織戦略(どの様な組織、仲間と力を合わせ戦うのか)
あなたの周りに誰がいる?各分野のプロや専門家は?

(6)情報戦略(会社情報、その他、業界情報をどこで得るか)
自分のブレーンは?傷を舐め合うだけのお互いが成長し合えない仲間と無駄な時間を過ごしていないか?

ビジネスプランを立てる

自分が明日から旅行に行く事を想像してください。当たり前の事ですが目的地を知らなければ到達できませんよね?

仮に目的地を知っていたとしても、今、自分が何処に居るのか分からなければ目的地に到着する事はできません。

ビジネスも同じです。今、自分がどこにいて、どこに向かってるのかが分からないとゴールはできないという事です。

身近な例でお話しますと、皆さんが家を建てようと思った際に、もし設計図が無ければどうでしょうか?スコップで穴さえ掘れませんし釘1本打てませんよね。

それと同じで、物を作るには設計図や取扱説明書が必要という事です。

まとめると、事を起こし成功すためには、全て事前に設計図が必要であり、そこにたどり着くための道筋や計画が必要と言えます。

視覚訴求材料など、確実に成功するための事前準備とは?

資料を作成する際に陥りがちなのが、不安になり、あれもこれも情報を盛り込む事です。自信のない営業に多いのが、あれもこれもと情報を追加し、どんどん企画書が長くなっていく事です。提案書は提供する側のためにあるのではなく、クライアントのためにあるものであるという視点で作成する必要があります。

ターゲットを絞って、そのターゲットが求めている情報を提供する必要があります。
併せて読む側の視点で作成するのはもちろんの事、ターゲットやプレゼン相手を明確にする事が大切です。一例を挙げますと、

1. 業種
2. 所属部門
3. 役職
4. 企業の規模
5. その他

など、ターゲットは数えきれないほどあります。ターゲットにより、重要視する部分や興味は全く違います。この判断を誤ると両者の溝はいつまでも埋まりません。最も簡単な分け方で言うと、「経営者」「管理職」「担当者」になります。同じ企業の中でも、それぞれ求める情報も違えば考え方も違います。

「経営者」...経営者にとっての一番の関心事は、コスト削減と費用対効果です。細かい機能の説明や使い方にはほとんど興味を示しません。

「管理者」...中間管理職ですから上からも下からもいろいろ言われてるので、その現状の課題を解決してくれるかが重要です。併せて経営者への説明をしないといけないので、比較検討を行えるような他社商品などとの比較表も効果があります。

「担当者」...使いやすさとサポート体制です。コストより自分達がいかにストレスなく使えるかが重要です。

全ての階層に同じ提案書で対応するのは基本的に不可能です。100%成功するためには、説明対象者ふごとに重要視する部分を明確にした資料を分けて作成する事が重要です。何を伝えたいかが分からない資料にならない様に、対象者を明確にし、その対象者に合った提案書を作ることが、確実に成功に結びつく近道と言えます。

プロフィール

植森宏昌(うえもり・ひろまさ)

金融機関・外資系保険会社で16年間に渡り実務経験を積んだ後、有限会社アイスビィ設立。全国各地に支社・営業所を展開し、お客様本意をモットーとした親身なサービスを提供中。MDRT18年連続登録(2018年3月時)。MDRT成績資格終身会員(内COT10回)。中小企業の経営者、従業員の幸せを考え、M&Aシニアエキスパートを資格取得。
株式会社Precious代表取締役、株式会社ADAMAS取締役。

アイスビィ
http://isbee110.com

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