サッカーのロシアW杯の開催期間中、日本代表の善戦や強豪国との熱戦に、時差の関係で深夜帯の放映だったにも関わらず、テレビに釘づけとなった方も多かったのではないでしょうか。ロシアW杯と日本人の平均睡眠時間に関する調査結果が発表されました。
ロシアW杯、日本戦当日の平均睡眠時間は?
睡眠時間、睡眠効率、日中の調子を計測する睡眠改善のコーチングアプリO:SLEEPを用いて、ロシアW杯の開催期間中の睡眠時間の調査が行われました。株式会社O:(オー)によると自社のサービスの利用者を対象に、地域・職種・年代などをランダムに抽出した約100人のサンプルからデータを集計。その結果、ロシアW杯開幕から決勝トーナメント敗退(6月15日〜7月3日)までの平均睡眠時間は5時間42分で、さらに日本戦の日の平均睡眠時間はそれよりも24分短くなっていました。日本戦当日の睡眠時間の調査結果は以下のとおりです。
1位 セネガル戦(24:00キックオフ) 5時間6分(平均マイナス36分)
2位 ポーランド戦(23:00キックオフ)5時間12分
4位 ベルギー戦(3:00キックオフ)5時間30分
4位 コロンビア戦(21:00キックオフ)5時間30分
このサービスには日中の調子を評価する機能があり、期間中、試合当日の日中の調子は睡眠時間が短くなっているためか全体的に低調でした。しかし、ベルギー戦はもっとも遅い時間だったにも関わらず、日中の調子は悪くなかったという結果が出ていました。試合結果との因果関係は明らかではありませんが、精神的な高揚感や満足感が影響しているのかもしれません。
睡眠不足が深刻化した「睡眠負債」って何?
ところで、「睡眠負債」という言葉をご存じでしょうか?
睡眠不足が積み重なった睡眠の「債務超過」の状態をさします。NHKのドキュメント番組で取り上げられ、注目を集めたワードです。
一時的な睡眠不足は元のリズムを取り戻せば解消しますが、睡眠負債が長期化することで心身に悪影響を及ぼすおそれがあり、日常における能力低下だけでなく、うつ病、がん、認知症などの疾病リスクにもつながり、非常に危険だといわれています。
そもそも日本人のおよそ4割は睡眠時間6時間未満という統計があり、これはほかの国々と比較してもかなり短いそうです。短い睡眠時間に体が慣れてしまい、睡眠不足を自覚できていない人も少なくないとか。無自覚のため、なかなか改善されないのが睡眠負債のもっとも危険な点かもしれません。睡眠負債リスクを判定するチェックリストが公開されています。気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
睡眠負債リスクチェック(NHK)
http://www.nhk.or.jp/special/sleep/
睡眠負債を改善するには
平日が忙しいからといって、週末の寝だめで睡眠不足を解消するのは要注意です。生活リズムが崩れ、週明けに体調不良や倦怠感を感じる「ブルーマンデー症候群」になってしまう可能性があります。平日の就寝時間を確保できない場合は、日中に15分程度の睡眠をとることがおすすめです。また寝つきや寝起きがよくない方は、メラトニンの分泌を促すために朝の日光を浴びることや、就寝前にはパソコンやスマホ、タブレットなどのブルーライトを避けることが有効です。適度のお酒はリラックス効果が期待できますが、アルコールが分解されると鎮静作用が抜け、利尿作用で目を覚ましやすくなり、睡眠の質が悪くなる可能性もありますので、不眠でお困りの方には寝酒は逆効果です。
睡眠負債を改善するには、睡眠時間を増やす以外の方法はありません。
ライタープロフィール
Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。