インターネットやSNSの利用時間に比例して、ストレスを感じる女性の比率が増加するという調査結果が発表されました。楽しむためにはじめたSNSをストレスにつなげないためには、どのようにしたらよいのでしょうか。
働く女性は、どんなことにストレスを感じているか
『働く30代~60代のストレス実態調査』(株式会社えがお)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000013702.htmlによれば、ストレスの原因の1位は、男性が「仕事内容」、女性は「職場での人間関係」となっています。さらに女性は「家族関係」が4位に入っています。つまり、女性は職場と家庭という生活の大半を占める場所でストレスを感じているということです。
さらに、7万人の女性を対象とした『ココロの体力測定」(メディプラス研究所)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000018482.htmlでは、デジタルツールの使用時間がストレスレベルに及ぼす影響を分析しています。1日の使用時間が「インターネット3時間以上」もしくは「SNS 30分以上」を超えると、厚生労働省「ストレスチェック」の基準による高ストレス(77点以上)に該当する女性の比率が上昇します。この結果から、女性の多くがデジタルツールを使用したコミュニケーションに疲れを感じ、ストレスが高じていると考えられます。
働く女性は、対人関係やコミュニケーションなどで、多くのストレスにさらされているのです。
楽しいはずのネットやSNSでストレスを感じる理由
楽しみのために利用するはずのSNSでストレスを感じるのはなぜでしょう?
男性と比較して女性は共感性が高く、対人コミュニケーションの中で相手の気持ちを推し量り、寄り添うことで喜びや楽しさを見いだす傾向があります。そのため、常に相手がどう感じるかを考え続けてしまい、「コミュニケーション疲れ」につながることもあります。
また、対面ではないインターネットやSNSでは感情の行き違いで起こるトラブルも多く、それを恐れることで過度に気を遣い、より大きなストレスを抱え込むことになります。
SNSには、「いいね!」やフォロワー数など、評価が可視化される機能がありますが、このSNSのコメントについた評価を自分自身への評価と同一視してしまい、他者からの評価を期待してSNSを利用する人がいらっしゃいます。その結果、SNSで充実した自分を表現することに疲れてしまう、ということがあるようです。逆にそうした友人・知人のSNSを閲覧して、焦燥感や劣等感などのネガティブな感情を抱く人も存在します。こちらもSNSからストレスにつながっているのでしょう。多くの人が楽しみのために利用し始めるSNSですが、過度の"リア充"追求は、投稿者だけでなく、閲覧者も疲弊させる怖さがあります。
さらに、スマホやタブレットの長時間使用は、首や肩の凝りなどの肉体的な疲労や痛みという形のストレスも生じさせます。腱鞘炎やストレートネック症候群などの健康被害を起こす可能性もあり、過度の使用には注意が必要です。
ストレスを溜めない、SNSとの向き合い方
最後に、SNSでストレスを溜めないための向き合い方のコツをご紹介します。
実際、プライベートで使用するSNSでストレスを感じるくらいなら、無理に利用する必要はなく、利用を止めても日常生活に支障をきたすことはないはずです。ストレスを感じながらも利用を続けたい場合は、SNSをチェックしない時間をつくる、通知機能をOFFにするなどの制限を設けるのも有効です。
たとえば、SNSをチェックするのは通勤時間と昼休みだけといった自分ルールをつくり、周囲にも伝えておくと、SNSに追い立てられることなく利用することができるはずです。
それでもSNSへの執着を捨てがたい場合は、以下のような考え方をしてみるのもひとつの方法です。もちろん、すべての方にあてはまるわけではないと思いますので、参考程度にご覧ください。
・SNSから見えるのは、その人の一部(もちろん演出アリ)
・フォロワーや「いいね!」の数は、自分の価値や幸福度とは関係ない
・ネットやSNSに書かれていることの大半は「道ばたの落書き」と大差ない
ライタープロフィール
Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。