年上の方ばかりで職場になじむのが難しい
埼玉県在住 勤続1年 25歳
第二新卒で転職した今の職場は、ほとんどが年上の方。以前の会社は同世代の社員がいたので仕事の悩みや愚痴を話す相手がいましたが、今の職場では話題も見つからず、どう溶け込めばいいかわかりません。
人間関係が悪いというわけではありませんが、それぞれ受け持つ仕事が違い、会話は業務関連のことのみ。みなさん忙しそうで、話しかけることも躊躇してしまいます。最近では、この環境で続けていけるか自信がなくなってきました。仕事そのものは嫌ではないのですが、職場環境を変えるため同世代の多い会社に転職するべきか悩んでいます。
相手にばかり期待しない
■自分から「相手の懐に入る」努力も必要
同世代がいないことで職場での疎外感を感じているとのこと。転職も視野に入れているようですね。しかし、ちょっと待ってください。もしかしたら、「自分は年下なんだから周囲の方から声をかけ教えてくれるはず」と思っていませんか?あるいは、忙しい職場だからと声をかけるのを遠慮しすぎていませんか?
職場の環境は簡単には変えられません。年上の方には彼らなりの考えがあり、「困ったら向こうから声をかけてきて当然」「若い者の考えはわからないから無理に会話しない」といった考えの方もいます。あるいは、年代の違う人にどう接したらいいものか、と相手も躊躇している可能性もあります。
となると、こちらから近づいていくしかないですよね。向こうからやって来るのを待っていたら、いつまでたっても状況は改善しないでしょう。少しくらい冷たい態度をとられたとしても、それはあなたを見定めているのかも。年齢の差を乗り越えて「自分の懐に入ってくる」若者なのか、割り切りスタンスの「イマドキ」の若者なのか。
であれば、仕事の状況を見ながらこちらから積極的に声をかけて、壁を取り払う努力をしてみませんか。一度受け入れてもらえればこちらのもの。時には、仕事に関わる有効な情報をゲットできることもあるでしょう。
■独特のポジションを確立する
では「相手の懐に入る」にはどうしたらいいか。話が合わない、会話が続かないのは共通の話題がないからです。そんなときは、共通の話題を探しましょう。
とかく年上の方は、先輩風を吹かせたいものです。これまでの仕事の「武勇伝」を聞いてみるのもいいでしょう。または、彼らの時代に流行したもの、歌、映画、本などを調べておき、さりげなく聞いてみる。「それ知ってるんだね」と思われればしめたもの。共通の話題をきっかけに向こうから話しかけてくることもあるでしょう。
話がわかるとなれば、これまで遠慮して誘わなかった飲み会にも声がかかるようになるかもしれません。仕事だけでなく共通の話題をきっかけに、若いけど話のわかる「かわいい後輩」といったポジションを確立しましょう。年上の輪に入っていく小さな努力、試してみませんか。
強引な引き止めで退職ができない
東京都在住 勤続6年 28歳
新卒で入った会社で6年間、チームリーダーとして成果もあげ、順調にキャリアを重ねてきました。そろそろ次のステップを考え転職活動した結果、ある会社から内定をいただくことができました。
そこで、上司に退職の意思を伝えたところ、「今やめることは許さない、会社のことを考えろ」と取り合ってくれません。内定先からは1ヵ月後の入社を要請されています。上司の強引な引き止めから逃れ、希望通りの退職にもっていくにはどうしたらいいでしょうか。
就業規則をチェックし退職のルールを確認
■既定のルールにのっとること
基本的に、退職は本人の自由意思でできます。法的には、会社がどんなに引き止めても、退職届を出してから最低2週間あれば認められます。
ただし、会社の就業規則を確認しておくことも必要です。就業規則で定められた期間に著しい違法性がないなら、規則を破った場合には労働者にも一定の責任が課されます。就業規則で1ヵ月前までの申し出が定められているのであれば、この期間は確保しましょう。
自社のルールを確認した上で、上司にも就業規則で認められていること、引き継ぎなどの時間も十分にあること、さらにこれまでの会社に対しての感謝の気持ちなどを冷静に説明し、感情的にならず、粘り強く話し合いましょう。
さらに、上司が認めなかったとしても、正式な退職届を提出した日にちをしっかり記載し、意思表示しておきます。これは退職日の計算など、最終的な人事手続き上でポイントとなります。
■別の上司、別の部署を巻き込む
上司との冷静な話し合いと並行し、周囲から退職の環境を整えていきましょう。引き止められるということは、会社にとって必要な人材であるという証拠。これまでに関わってきた上司の中で、信頼できる人に相談する、人事部門など客観的な部署に相談してみるといったことも一つの方法です。ただし人事に相談する場合には、直属の上司にもその旨は伝えておきましょう。また、引き継ぎをスムーズに行うためには部下や後輩も巻き込み、簡単でもいいので業務マニュアルなどのツールを準備するのも有効です。マニュアル作成の過程そのものが引き継ぎとなり、さらにあなたが辞めてからも会社の業務効率化に貢献できるのです。粘り強い話し合いと、淡々とした手続き、これらを並行して行いましょう。立つ鳥跡を濁さず、円満退社で次の仕事へスッキリとした気持ちで移りたいものです。
ライタープロフィール
細田 咲江(ほそださきえ) 就職コンサルタント
就職コンサルタント、埼玉女子短期大学教授(専門はキャリアデザイン)。大学で教育学を学び、卒業後大手流通会社にて人事、採用、教育に携わり12年間勤務後、独立。新卒、転職、再就職コンサルタントとして就職活動で悩める多くの方々をサポート。就職コンサルタントのパイオニアとして12年間にわたるコンサルタントのノウハウ、実例を講演活動等で紹介。並行して大学にてキャリアに関わる教育に携わっている。豊富な実例と現実を踏まえた上での親身なコンサルタントには定評がある。