仕事上手のデスク整理術

連載・インタビュー

デスクの上、ちゃんと整理されていますか? 散らかったデスクは、百害あって一利なし。「俺にはこれが一番いいの!」と言い張っても、そう思っているのは自分だけです。
山積みにされたデスクからは必要な資料がすぐには見つけられません。何か新しい作業をしようとするたびに、膨大な書類の山を捜索する姿はとっても見苦しいものですし、自分が会社を休むときに他の人に仕事を頼もうにも、どこに何があるのかを把握できるのが自分だけでは引き継ぐことができません。重要なメモやUSBメモリを紛失したりして、冷や汗をかくことも多いでしょう。
また、作業スペースが狭くなると集中力も削がれてしまいます。いちいち崩れてくる書類の山にイライラしたり、うっかりこぼしたコーヒーがデスクの上に散乱するあれやこれやに広がって大惨事になってしまったり...。
わかっていても、ついつい後回しになってしまいがちなデスクの整理。「だから言ったのに...」と言われる前に、今日、今すぐに始めましょう!
デスクの乱れは仕事の乱れ。片付けられないあなたのために、仕事環境を劇的改善するための7つのデスク整理術をご紹介。ほんの1時間でキレイサッパリしますから、まずはお試しください。

1.紙の資料は全て捨てる

デスクまわりが散らかる一番の理由は書類です。案件ごとに、あるいは顧客ごとにファイルを分けてスクラップして...こんな面倒な作業、今日からもう止めて、紙にプリントアウトした書類はすべて今日このときをもって捨ててしまいましょう。
大丈夫です。オフィスにパソコンが完全に普及した現在、書類はそのほとんどが「データ」として、パソコンの中に残っています。プリントアウトした資料は、会議や打ち合わせの用が済めば、すぐに破棄して何の差支えもありません。またその資料が必要になれば、新しくプリントアウトしなおせば良いだけのことです。
大体、「いつか使うかも?」と保存していた資料が、書類の山に埋もれて発見できなくなっている状態は本末転倒以外の何物でもありません。

2.資料の管理はメールアプリやクラウドサービスを活用する。

自分が元データを持っていない資料も、捨ててしまって構いません。元データを持っている人に、「メールでデータを共有してもらえますか?」と頼めば良いだけのことです。しかも、メールアプリは資料・書類の管理にとても便利。送信者・受信者やメール本文で、あとから必要資料をカンタンに一括検索することができますし、メールの日付がそのまま時系列でのソートになります。自分が持っている資料も、自分自身にメールすることで管理することができます。紙の資料のように意識して整理せずとも、自然に一定のルールでデータベース化されるのです。
クラウドサービスを活用するのも一つの手段です。ファイル整理が簡単にできますし、限られたメンバーだけで共有するなどの機能もあります。

3.元データのない資料はスキャン・撮影する。

手書きの資料やアイデアスケッチなど、元データのない資料も、紙で保管せずスキャンするかスマートフォンのカメラアプリなどで撮影してデータ保存しましょう。「あの資料は紙で持っていたかな?それともデータで持っていたかな?」と混乱しないよう、例外なくデータで保管するように心がけます。データで管理すると決めたらとことんデータで管理する、それがこの整理術のポイントです。

余談になりますが、打ち合わせの際に使用するプリントアウトされた資料に手書きメモをとり、打ち合わせ終了後にスキャン・撮影してメンバーに共有することを習慣化できると、議事録代わりとして非常に感謝されるでしょう。わかりやすいメモを取ろうと心がけるきっかけにもなります。

4.1ヵ月使っていない文具はすべて捨てる。

ペンやメモ帳といった文具類も使用頻度の低いものはまとめて捨ててしまいましょう。
ペンは黒と赤が1色ずつあれば困ることはありません。ペン立ていっぱいにボールペンを押し込む方もいますが、気に入って使うのはそのうち1本か2本程度のはず。その1本か2本を探して毎度毎度ガサゴソするのは不毛です。
使用頻度の低い文房具(たとえばホチキスやノリやハサミなど)は、社内共用のものをその都度取り出すだけで充分です。1ヵ月に1度も使わないマイ文具はデスク整理の妨げ。廃棄しましょう。

5.必要なものの位置を固定する。

1~4の整理術を実行に移したら、残りの必要なものといえばパソコン、ほんのちょっとの文具、ティッシュ、電話、携帯電話、マグカップくらいでしょう。これらのスタメンアイテムは、机の上での定位置を決めておきましょう。置き場所のルールが定まると、デスク周辺を混雑させる余分な物が入り込む余地がなくなります。仮に、集めたフィギュアをどうしても飾りたい!という方でも、「ここからここまでに収まる範囲内にしか置かない」と決めて、その範囲からは絶対にはみ出させない意志が重要です。

参考までに...人間の性質上、作業に没頭するときは利き腕のある右側(右利きの場合)、作業を離れ何かを考えたり思い出したりする場合は利き腕と反対の左側に意識が集中するそうです。パソコンをデスクの中心に据えて、右側にはペン立てやメモ帳を、左側に電話やティッシュ、ドリンクを置くとちょっと「気持ち良い」かもしれません。

6.ToDoリストとメモの位置を固定する。

デスク周辺で遭難しがちなToDoリストとメモは、常に目の届く置き場所に固定しましょう。特にメモは、席を外している間に同僚が残していく類のものもあります。第三者が見ても「ここだな」とはっきり認識できる位置を確保しておくことが、無駄なミスを回避するコツです。
具体的にはパソコンのモニター周辺部、あるいはデスクの間仕切りといった、目線の高くなる位置が理想的です。デスク上面だと作業スペースを専有してしまいますし、手帳や机の中ではなかなか目に付く機会がありません。
スペースが許すなら専用のコルクボードやホワイトボードなどを用意しておき、「ToDoリスト」や「メモ」などの「看板」をつけておくとベターです。

7.引き出しは極力使わない。

引き出しの中はできれば使わないようにします。意外かもしれませんが、空の引き出しには重要な役割があるからです。
離席する際などにデスク上に出ている書類を片づけたり、上司に提出するなどの事情からすぐにデータ化することができない書類を収納したりするなど、一時的な書類保管場所として活用します。整理術1を実行するとき、どうしても紙で保管しなければならない書類があってつまずいてしまった場合には、引き出しの中を使ってください。
ただし、必ず守ってほしいのが、引き出しを空にする日を決めてその日までに書類を無くすこと。これを守れないと、一時保管のつもりがいつの間にか...という悲劇に見舞われてしまいます。


以上で、今回のデスクの整理術の紹介を終わります。全体に通じる精神は、必要なものだけを目の届く位置に常時置いておくということにつきます。物が多すぎると、目が行き届きません。目が行き届かなければ、どんなに気をつけていても散らかってしまうのです。 まずは、必要なもの、必要でないものを仕分けしてみてください。現代のオフィスでは、パソコンと携帯電話以外の大部分が、必要でないものに分類されるようになってきていますよ。

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