みるみる人望が集まる「イケてる挨拶」10選

みるみる人望が集まる「イケてる挨拶」10選

あいさつが人間関係の9割を支配する?

社会心理学の開拓者として知られるソロモン・アッシュは、その論文で、第一印象の重要性を説いています。つまり、その人物が温かい人間か、頼れる人間か、イケてる人間かどうか。その判断には、はじめのほうに提示された情報ほど、強い影響を及ぼすという内容です。「初頭効果」という言葉に立証されたこの心理学的ノウハウを、デキるビジネスマンたちはいともカンタンに使いこなします。

今回は、あなたのビジネスをより円滑に進め、成果につなげる10のあいさつテクニックをご紹介。誰でもマネできるちょっとした工夫で、あなたを見る他人の目が、大きく変わることを実感してみてください。

イケてる朝のあいさつ:過去の共有と未来の共有

あいさつ、と言ってまず思い浮かべるのが、「おはよう」のあいさつ。朝が訪れる度に与えられる印象操作のチャンスを、絶対に逃してはいけません。相手の心に触れるあいさつを欠かさずに実行できれば、職場でのあなたの信頼度は不動の高さを誇るようになります。

しかし、「おはようございます!!!」とひらすら元気に声を響かせるだけでは、入社したての新人と変わりません。ビジネスマンとしてのネクストステージを目指すのであれば、もう一工夫が必要です。そこでオススメする最初のあいさつは、こちら。

イケてるあいさつ1「おはよう、山田さん。昨日のドラマ、泣けたよ!」

何気ない話題がひとつ付け加えられているだけですが、実は、この短いあいさつの中には重要なテクニックがいくつも隠されています。
まず、相手の名前を呼ぶことで個人を対象にしたあいさつになっています。全体へのあいさつは、声をかける対象が特定されないため、社内放送やBGMのように印象が薄れて、記憶に残りません。自分という存在が出社していることを確かに認識させるためには、個人個人へのあいさつが有効です。
次に、触れている話題は相手にとって関心のある情報であること。この例の場合、おそらく山田さんという人物から「昨日のドラマ」がオモシロイことを事前に教えられていたのでしょう。自分の勧めに従ってドラマを見た、二人の会話を覚えてくれていた、しかもオモシロさを理解してくれた...。山田さんが「自分のことをもっと話したい」という欲求に駆られることは、想像に難くありません。

もちろん、ドラマでなくても構いません。たとえば、ピアノの発表会や、ペットの健康状態、朝食を食べたかどうか。相手に関するトピックスに触れてみましょう。重要なのは、「あなたは特別だから話をしたくて個別に声をかけているんだよ」というメッセージを表現することにあるのです。

そういった意味では、このようなあいさつも好印象でしょう。

イケてるあいさつ2「おはよう、山田さん。あと二日、頑張っていこうな!」

前述のあいさつが「過去の共有」であったのに対して、こちらは「未来の共有」です。
一緒に何かをつくりあげるという目標を再確認することで、仲間意識が強調されます。ただし、「未来の共有」は使う状況を選ぶ諸刃の剣。誰も自分の未来を、誰かに制限されたくはないからです。

毎日繰り返すと熱すぎる青春くんと認識されてしまいますし、自分が大きなミスをした翌日にこれを使うと、空気の読めない人任せくんに見られる可能性さえあります。反対に相手が大きなミスをして落ち込んでいる翌日や、プロジェクト完遂間近のここぞという状況で、チームの士気を高めたい場合などに使うと効果的です。

加えて強調したいのは、朝は早めに出社した方が得ということ。始業ギリギリに雑談を迫られても、やはり相手は迷惑です。始業の30分前には職場に着いて、コーヒーなんかを飲みながら情報交換をできる状況をつくることが、朝のあいさつを成功に導く前提条件です。

このような朝のあいさつを繰り返していると、朝会ともいうべき一体感のあるコミュニティが自然に成立することに気づくはずです。業務や部門の垣根を超えて、「過去も未来も共有」した信頼感で結ばれたチームは、職場でのあなたを猛烈に輝かせる助けとなるでしょう。

やっちゃった!失敗あいさつ例

「例のオシャレ居酒屋、行ってくれた?良かったでしょ?」...押し売りの好意は思わぬ不快感を与える恐れがあります。
「昨日食った残り物のカレーで腹を壊しちゃってさぁ」...自分の話は、質問されるまで自らは話さない方が賢明です。
「持病の具合はどう?」...本人が気にしている話は、朝からテンションが下がります。
「例の資料、どうなってる?」...始業前から仕事モード全開だとお互い疲れませんか?

イケてる「はじめまして」のあいさつ:あなたの役に立つ理由

人生にはさまざまな「はじめまして」があります。あいさつの対象も、異動先の上司、取引先の社長、新入社員などなど多種多様です。しかし、基本はひとつ。相手にとって役立つ人間であることの証明ができるか否かです。

初めて会う人間が、自分にとって望ましい特徴をもっていると、その評価を人間全体の評価にまで広げる...この傾向を前述の社会心理学者ソロモン・アッシュは、「ハロー効果」と名づけました。

たとえば、イケてる「はじめまして」のあいさつは、このようなものになります。

イケてるあいさつ3「社長、御社のITコストが50%削減できます!」

つまり、相手が得する情報の提示です。ほとんどの場合、人間が困っていることの原因は、似通っています。

社長であれば、どこかしらのコストを下げて、あるいは売上を上げて利益を伸ばしたいと考えているでしょう。特に社長は多忙なため無駄話はしたくない。自分が相手にどんなメリットを与えられるのか、それをあいさつと共に端的に伝えられるようになれば、相手の懐にも入りやすくなります。

最近では「エレベーターピッチ」という言葉をよく耳にします。エレベーターで顧客側のキーマンにばったり遭遇したときに、相手が降りるまでの時間内にプレゼンをする...という想定のもと、30秒で自分と仕事をするメリットを伝えるための技術のことです。日ごろから自分のトークをしっかりと頭に植え付けておくといいですね。

職場の上司ではどうでしょうか。きっと、気持ち良く指示を聞いてくれる部下を求めているはずです。若くて未婚の男子ならば、合コン情報には目がないでしょう。そう考えると、手持ちのあいさつパターンは2~3もあれば十分。汎用性があり、効果は絶大です。

たとえば新しい上司が相手だと、こうなります。

イケてるあいさつ4「何でも言いつけてください。ご期待以上の成果でお応えします」

「そんなこと言ったら仕事が増えちゃう...」いいんです、若いうちの苦労は買ってでもしろ、という金言があるくらいですから。

次に同僚の社員には、

イケてるあいさつ5「どんな細かいことでも手伝いますので、遠慮せず便利遣いしてください」

というのはどうでしょうか。凝った表現や事前準備は何もいりません。あなたの役に立つ。ただその決意の表明が、あなたを相手の人生に仲間入りさせる、魔法の言葉となるのです。

仮にあなたが転職したばかりの若手社員で、職場全体に向けたあいさつをしなければならないという状況にあるとしたら、全員を一度に笑わせる快挙をいったん諦めましょう。ジョークのうまいヤツという評価は決して最善とは限りません。

仕事の場において、より重要なのは笑いをとることではなく相手の役に立つことだからです。笑いがなくとも、良い第一印象を得ることはできます。

正解は、つぎの通りです。

イケてるあいさつ6「後ほど一人ひとり、みなさんにごあいさつさせていただきます!」

前職での経験も浅い若手社員が職場全体に表明できる「得」は、せいぜい「一所懸命働きます」くらいまで。あいさつによって本当に自分の評価を高めたいのであれば、個別に「あなたは特別なんですよ」というメッセージを込めるべきでしょう。つまり、上記のような上司や同僚への言葉を一人ひとりに伝えて回ることです。

陥りがちな「はじめまして」の失敗は、自分をアピールしたいあまりに自慢話を延々としてしまうこと。それでは好意の押し売りです。商品は、高機能だから売れるのではありません。必要なものだから売れるのです。あなたという人間の評価も、同様です。

なお、もし前職での経験が長く自信のある分野がハッキリしている場合には、

イケてるあいさつ7「私の得意分野は○○です!何でも聞いてください」

というあいさつもいいでしょう。自慢話とは違い、自分が持っている価値を客観的に説明することで「困っていることがあったけど社内に相談できる相手がいなかった」という人からは早速頼りにされることでしょう。

初めに一人でも強い信頼関係を結ぶことができれば、そこから社内の人間関係を良い感じに広げていきやすくなります。専門分野を持っているメリットは大きいですね。

「はじめまして」の時は、あなたはどうしても部外者。朝のあいさつよりも、謙虚な姿勢を意識すると良いでしょう。

やっちゃった!失敗あいさつ例

「社長、うちの商品を買ってください!こんなに高機能です!」...押し付けがましく、利己的です。ここまで直球でなくても、結局は同じことを言ってしまっている営業マンはたくさんいます。
「みなさんのお役に立てる自信があります!」...あいさつの対象が特定されないため、印象がぼやけます。
「一発ギャグをやります!コマネチ!」...そのキャラクターでずっとい続けることができれば、アリかもしれませんが...。

イケてるあいさつ8「田中さん、こんにちは!この間のイベントは、盛況だったみたいですね!」

あいさつの前に相手の名前を呼ぶのは基本です。あなたのことを大切な人だと思っているから名前はもちろん覚えていますよ、というメッセージです。

そして、「この間のイベント」に触れる。相手の関心事について聞くことで会話に花が咲くだけでなく、この場合には「盛況だった」という情報も事前に調べておくというのがポイントです。ネットや他の担当者から事前に収集できる場合には、必ず押さえておきましょう。こうして相手が気持ちよく話している中で、新たな課題もポロッとこぼれてくるかもしれません。

イケてるあいさつ9「田中さん、こんにちは!犬飼ってらっしゃるんですか?」

会話をしながら、相手のことをよーく観察してみましょう。すると...あ!ネクタイの柄がワンちゃんだ!ということに気づいちゃうことも。

もちろんネクタイ柄の例は稀有かもしれませんが、相手の身に付けているアクセサリや服装、名刺入れやカバンなどから好みを察知したり、デスクの上を見れば家族の写真やお気に入りの卓上グッズが飾ってあったり、最近ではどのスマートフォンを使用しているかということさえ話題のネタになったりします。

自分の話したいことばかりに夢中にならず相手をじっくり観察して、次に会った時の挨拶で何気なく触れてみる。以前とは違った反応が得られるかもしれませんよ。

イケてるあいさつ10「田中さん、こんにちは!このサイト、いいですよ」

最後のイケてるあいさつは、ちょっと高度なワザです。

このあいさつの真髄は「相手の喜ぶモノ・情報を届ける」ということ。「損して得取れ」という言葉があるように、自分にとってはお金や時間、労力の損であっても、それをいとわずに相手のために尽くせばそれがいずれは自分に返ってくる、という考え方です。

前回会ったときに、犬の育て方で苦労が多いと話していた田中さん。同じような悩みを抱えた飼い主たちの声を集めたウェブサイトがあったので、それを紹介してみた...というシチュエーションです。

もちろんサイトでなくても構いません。たまたまアポ前に時間が余ったから、以前好きだと言っていたお菓子を買ってきてあいさつのときに渡すとかでも、相手にはとても喜ばれるはず。

ただし、注意したい点が2つ。

1つは、それまでの相手とのやりとりの中で出てきたトピックに関係するモノ・情報を渡すということ。何の脈絡もなく渡されても相手は「?」となってしまい、最悪の場合は好意の押し売りとして悪印象を抱かれることにもなります。受け取る側にも重すぎず、気軽に受け取ってもらえるように配慮しましょう。

2つ目は、気持ちを込めて届けること。見返りがあるかも、という損得勘定ばかりで真心がこもっていなければ、相手には簡単に見透かされてしまい、あっという間に信頼を失ってしまいます。

ここに気をつけてこのあいさつを使いこなすことができれば、あなたのビジネスライフはきっと見違えるように変化するはず!1つずつ着実に、試してみてください。

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