不動産業界への転職知識

土地や建物の開発や売買、管理などを担う不動産業界では、不動産や関連法規、金融など幅広い分野の専門知識が求められます。転職では、これら不動産業界特有の特徴や採用の動向を踏まえたうえでアピールポイントをまとめ、資格取得などの準備をすることが大切です。

Section01 不動産業界とは？

不動産業界とは、戸建て住宅やマンション、商業施設、オフィスビルなどの「建物」や「土地」を扱う業界のことで、「デベロッパー」「ゼネコン・ハウスメーカー」「仲介会社」「管理会社」「投資会社」に大別できます。

デベロッパーは不動産開発を担う会社のことで、土地の仕入れから建設、販売まで広く手掛けています。

ゼネコンは主にオフィスビルや商業施設などの大規模建築物を手がける会社のことで、橋梁や道路などの土木工事を行う会社も含まれます。住宅を専門に扱う会社はハウスメーカーと呼ばれ、住まいの設計・建築・売買を一手に手掛けています。

仲介会社はその名の通り、不動産売買や賃貸の仲介を行います。不動産のオーナーとお客さまの橋渡し役となり、賃貸や売買業務を代行します。

管理会社はマンションやオフィスビルなどの管理を行う会社で、建物のオーナーに代わって、ビルメンテナンスや入居者対応、家賃の回収などを手がけています。

最後の投資会社は、投資向けの不動産を扱う会社のことです。「収益の増加」というメリットを打ち出すなど、投資の視点から不動産の提案・販売を行っています。

Section02 不動産業界への転職理由・志望動機

不動産業界の最大の特徴は「高額の不動産を扱う」という点にあります。営業職の場合、インセンティブ制を採用している会社が多く、販売や仲介実績を上げることで高収入を期待できます。また、未経験者にも門戸を開いており、他の業界に比べて「転職しやすい」という特徴もあります。これらの理由から不動産会社に転職する方が多くいらっしゃいます。

戸建て住宅やマンションであれば、衣食住の「住」を支えることになり、橋や道路などの土木工事に携わる場合は、「社会インフラ」を支えるという社会的貢献度の高い仕事に就くことになります。「人の役に立つことが好き」「まちづくりに興味がある」という理由から、不動産業界を目指すケースもあります。

不動産業界への転職で志望動機を書く際には、以下の3つの視点からまとめることをオススメします。

1.なぜ、不動産業界なのか。

まずは「他の業界ではなく、なぜ不動産業界を目指したのか」を考えることからはじめてみましょう。不動産業界で働いてきた経験を活かして、同業他社に転職したいのか。それとも、未経験だけれど、不動産業界に興味があるのか。具体的な理由を提示すると、より説得力のある内容にできるでしょう。

2.なぜ、その企業で働きたいのか。

不動産業界を志望する理由が固まったら、次は「なぜ、その企業に転職したいのか」を考えてみましょう。「前職では実現できなかったことを実現したい」「より大規模な案件に携わって、専門性を高めたい」など、「その企業に転職したい根拠」をわかりやすくまとめていきましょう。

3.なぜ、その職種に就きたいのか。

業界を志望する理由と、その企業を志望する理由が固まったら、最後に、職種を志望する理由について考えましょう。「これまでの経験で得た知識やスキルを、どのように活かしていけるのか」という視点で、志望動機をまとめていきましょう。

Section03 不動産業界は未経験でも転職可能？

高額の商品を扱うことや専門知識が求められることから、「未経験で不動産業界へ転職するのは難しいのでは」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。実際はその逆で、未経験の方がチャレンジしやすい業界と言えます。

不動産業界の求人は営業職を中心に設計職、施工管理職、ビルの保守など、さまざまです。これらのうち、特に営業職は求人が比較的多い傾向にあり、「未経験者歓迎」としている会社も少なくありません。また、不動産の売買よりも仲介営業の方が転職しやすい傾向にあります。

また、ビルやマンションなどの建設現場を指揮する施工管理も、未経験でも転職がしやすい仕事です。未経験で入社し、現場経験を積んで施工管理技士の資格を取得する方も数多くいらっしゃいます。資格支援制度を用意している会社もあるので、未経験の方は教育・研修体制についてチェックすることをオススメします。

一方、不動産開発を手掛けるデベロッパーは転職のハードルが高く、未経験からの転職は難しいと言えるでしょう。デベロッパーへの転職を検討している方は、まずは不動産業界で一定の経験を積んだ後、改めて挑戦するなど、戦略を考えて行動すると良いでしょう。

Section04 不動産業界への転職で、
持っていると有利なスキル・資格

扱う不動産が多岐にわたることや、仕事の範囲が幅広いことから、「どの不動産を扱うか」「どの仕事に携わるか」によって、求められるスキルや資格が異なります。ここでは、不動産の売買や契約、不動産管理などの仕事において活用できる資格を紹介します。

宅地建物取引士

「宅建」と省略して呼ばれるくらい認知度の高い資格で、ご存じの方も多いと思います。有資格者は「宅建士」として、お客さまに不動産のあっせんを行うことができます。資格手当を支給する会社も多く、不動産業界を目指すのであれば最初に取得したい資格です。

マンション管理士／管理業務主任者

どちらもマンション管理にかかわる国家資格です。マンション管理士は、管理組合に対して建物の保全や管理運得に関する総合的なアドバイスやコンサルティングを行います。一方、管理業務主任者は、マンション管理の受託契約に関する説明をするほか、管理状況のチェックや報告を行います。管理会社への転職を検討されている方にオススメの資格です。

ファイナンシャルプランナー

金融系の資格で、お客さまの家族構成や資産状況などの情報をもとに、お客さまが描くライフプランに応じたアドバイスを行います。ハウスメーカーの営業職や不動産売買や仲介業務、投資会社などで、ファイナンシャルプランナーの専門性を活かせるでしょう。

以上のほか、不動産鑑定士や不動産仲介士、住宅ローンアドバイザーなど、さまざまな資格があります。希望する転職先に応じて、資格取得をご検討ください。

Section05 不動産業界の年収

マイナビエージェントの調べによると、不動産業界の平均年収は458万円となっています。これを年代別に見ていくと、20代で432万円、30代で517万円となっています。男女別では、20代男性が452万円、20代女性が397万円、30代男性が539万円、30代女性が450万円となります。

20代平均と30代平均を比較すると85万円もの開きがあり、この結果から、経験を積むことでより多くの年収を得られることがわかります。

宅地建物取引士など関連資格を取得することで、より多くの年収を期待できるでしょう。

Section06 不動産業界への転職・求人情報

Section07 不動産業界への転職成功事例

Section08 不動産業界への転職に関するその他お役立ち情報

不動産業界から異業種への
転職知識

不動産業界での経験を活かして他業種に転職するのであれば、これまでの経験で得た知識やスキルを志望する業界でも活かせることをアピールすることが大切です。ここでは、不動産業界からの転職先や、異業種への転職で活かせるスキル・資格などを紹介します。

Section01 不動産業界からの転職先

一般的に、転職は同業種内で行う方が有利とされていますが、不動産業界で得た知識やスキルを活かして、異業種に転職することも可能です。

特に不動産売買の仕事を経験してきた方の場合、「高額な商品を販売した経験」から、営業職として高度なスキルを有していると評価される傾向にあります。

ただし、インセンティブ制の不動産会社に勤務している方の場合、異業種に転職することで年収が下がってしまう可能性もあります。異業種への転職を志望しているのであれば、ご自身のスキルや経験をしっかりと分析して、望む年収が期待できる転職先を探すことが大切です。

Section02 不動産業界から異業種への転職理由・志望動機

不動産業界から異業種への転職を成功させたいのであれば、志望動機のまとめ方も一工夫したいところです。以下のポイントに沿って、志望動機をまとめていきましょう。

まずは、皆さんがこれまでどのような仕事に就き、どのような経験をしてきたのか、振り返ってみましょう。すると、身についた知識やスキル、強みなどが見えてきます。そのうえで、志望する業種や会社について調べます。なぜ異業種に転職したいのか、なぜ志望する会社に転職したいのかという視点で調べていくことがポイントになります。最後に、これまでの経験で得た知識やスキルを、志望する業種や転職先でどのように活かせるかイメージし、志望動機にまとめていきましょう。

Section03 不動産業界から異業種の転職で活かせるスキル・資格

宅地建物取引士やマンション管理士などの資格は業界特有の資格であり、異業種で直接、活かせるものではありません。しかし、ファイナンシャルプランナーは金融系の資格であるため、金融業界で活かすことが可能です。

また、たとえ異業種で活かすことが難しい資格であっても、「難関の資格を取得したこと」や、「資格取得により、さらに専門性を高めた」という仕事に向き合う真摯な姿勢をアピールすることができます。

なお、不動産売買や仲介などの営業職が異業種の営業職を目指す場合は、営業経験で得たコミュニケーション力や提案力、交渉力などを評価してもらうことができます。これまでの実績を整理しておき、面接で大いにアピールしてください。

マイナビメーカーエージェントでは、異業種への転職を志望されている求職者様に転職先をご紹介した事例が数多くあります。お気軽にマイナビメーカーエージェントにご相談ください。

Section04 不動産業界から異業種への転職・求人情報

Section05 不動産業界から異業種への転職成功事例