工場で働く人は、それぞれが工場の一員として商品の製作に携わることになります。
それでは、その人たち全てを束ねる工場長とは、一体どのような存在なのでしょうか。工場長になるための道筋と仕事内容のほか、必要なスキルをまとめました。

工場長とは？

工場長は、工場の最高責任者です。工場の規模は企業によって異なりますが、どのような規模の工場であっても、工場であれば工場長がいます。

自社の工場のことはもちろん、工場で作っている製品のことを熟知している工場長ですが、単なる工場のスペシャリストではなく、管理職でもあります。
工場長は、工場全体を束ね、人材の管理・育成をしていかなければならない、責任ある役職なのです。

工場長の仕事

工場長は、工場内で起こる全ての事象について責任を持たなければならないため、仕事内容も多岐にわたります。また、細かい仕事の範囲は、各企業によっても異なるでしょう。
ここでは、代表的な仕事内容をいくつかご紹介します。

工場の安全確保

「事故を起こさない」というのは、業務を継続するために必須のことです。
工場では、ほんの少しの気のゆるみがトラブルにつながることもあります。工場で働く人の安全を守るためにも、工場長は設備保全担当者などと連携して、工場内の安全を確保する責任があります。

品質・工程管理

工場では、工程どおりに一定以上の品質の製品を作り続けることが求められます。
品質が落ちても、工期に遅れても、企業の信頼は損なわれます。そのため、品質や工程に問題がないかどうか工場長が随時チェックし、問題が起こった場合は改善のための対策をとる必要があります。

人材確保・育成

工場で働く人の採用や育成も、工場長の仕事です。
人材の能力を見極め、その人に見合った育成をしていく必要があるでしょう。工場全体の効率を上げ、より良い生産体制をとるためにも、一人ひとりのスキルの底上げが求められます。

目標設定と実現のための計画立案・実施

工場では、生産目標が設定されるのが一般的です。
目標を達成するためにはどうすればいいのか、計画を立て、確実に遂行していくための管理を行うことも工場長の仕事です。
実際に工場を稼働させているのは工場に勤めている作業員ですが、誰をどこに配置し、どのような生産体制をとるのかを検討し、実行するのは、工場長の仕事です。

コスト削減・業務効率化

企業全体のコストを削減するため、工場にかかるコストについても、削減を求められることがあります。生産コストを下げることができれば、それだけ製品が売れたときの利益率を上げることができるでしょう。
また、より生産性を高めるために、業務を効率化することも工場長に課せられる仕事です。

良い環境づくり

工場で働く人の環境が悪ければ、人の入れ替わりが激しくなり、安定した品質の製品を作り続けることが困難になるでしょう。
働きやすい快適な職場環境を作ることも、工場長の大切な役割です。

工場長の仕事は、この他にも様々なものがあります。工場長は、工場に関する全てのことについて責任を負い、管理していく仕事なのです。

工場長に求められる6つのスキルと資質

工場長には、工場をまとめ上げる責任者として、幅広く高度なスキルが求められます。
ここでは、商品知識や設備への理解といった、工場で働く人が誰でも身に付けるべきスキルではなく、特に工場長として工場で働く際に求められるスキルや資質についてご紹介します。

1.業務管理能力

工場では、一定の品質の物を、納期を守って確実に作り上げなければいけません。
工場長は、製品が滞りなく作られ、確実に納品できるように業務管理を行います。

しかし、予定どおりに作業が進まないこともあるでしょう。そのようなとき、ただ作業員を急かしたり、残業を言い渡したりするだけでは、根本的な問題解決はできません。
予定を組み直すとともに、どうすれば問題が解決できるのか、業務内容を検討し、解決策を実行していく力が必要です。

2.人材管理能力・育成力

工場の人員を管理し、誰をどこに配置すれば最も効率良く仕事ができるのかを考えることも工場長の仕事です。
そのため、工場長はスタッフのスキルを把握して適材適所に配置したり、人員育成計画を立ててスキルの底上げを図ったりしていくことになります。

このような仕事は、ただ工場で作業をしていて身に付くというものではありません。工場長は、採用・人事の分野でも活躍できる力を持っている必要があるのです。

3.判断力

工場を稼働させていく中で、不測の事態が起こることもあるでしょう。
たとえば、突然人が辞めてしまったり、設備にトラブルが起こったりした場合も、工場長が対処法を指示しなければいけません。

トラブルにうろたえることなく、定められた工期を守るためにはどうすればいいのかを冷静に判断し、実行していく能力が求められます。

4.経営力

工場長は、企業においては一社員ではなく、経営陣に近いポジションです。
役員が工場長を務めるケースも少なくないでしょう。そのため、目の前の仕事をただこなすだけではなく、コスト意識を持って業務にあたったり、先を見通す長期的な視点を持ったりすることが求められます。

5.責任感

工場長は、非常に責任重大なポジションです。工場のトップとして、何かがあれば責任を持って業務にあたらなければいけません。
仕事内容が多岐にわたることから、自分の仕事を整理し、各業務が滞りなく行われるよう、自身が責任を持って遂行する必要があります。

6.コミュニケーション能力

工場長になると、工場で働く作業員はもちろん、本社の役員や営業担当、工場で利用している設備機器メーカーの担当者など、様々な人とのやりとりを日常的に行うことになります。
ある程度のコミュニケーション能力がなければ、相手の希望をくみ取ったり、自分の主張を正確に伝えたりすることができません。

工場長になるには？

工場長になる道筋はひとつではありませんが、代表的なルートに、メーカーに就職して実績を積んでキャリアアップを目指す方法があります。
学歴はそれほど求められない場合が多く、スキル重視で工場長の立場に抜擢されるケースが多いでしょう。

また、工場長としての求人募集がかかることもあります。
転職エージェントを利用すれば、様々な業種の工場長の求人を紹介してもらうことができるでしょう。ただし、工場長としての転職を目指す場合、工場管理の実績が求められる場合がほとんどです。

工場長は難しい仕事だが、達成感ややりがいは大きい

工場で働く人にとって、工場長はキャリアの到達点ともいえる存在です。
それだけ難しい仕事でもあり、多くのスキルや経験が求められます。しかし、達成感ややりがいも大きく、経営にも関われる重要な仕事といえるでしょう。
工場長を目指せる仕事への転職を考えている方は、ぜひ一度マイナビエージェントのキャリアアドバイザーにご相談ください。

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