ボイラー技士とは?必要な資格や仕事について|求人・転職エージェント

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更新日:2022/04/07

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ボイラー技士とは?必要な資格や仕事について

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この記事のまとめ

  • ボイラー技士とは、一定規模以上のボイラーの運用や管理、保守点検などを行うための国家資格。
  • ボイラー技士の資格は、3種類の資格区分がある。
  • ボイラー技士の資格を取ることで、転職に有利に働くことも。

ボイラーとは、高温の蒸気や温水を供給する設備です。一定規模以上のボイラーを取り扱うためには、ボイラー技士という国家資格を取得する必要があります。

ボイラー技士の資格にはどのような種類があり、資格取得後にはどのような職場で活躍できるのか解説します。

目次

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ボイラー技士とは?

ボイラー技士とは、一定規模以上のボイラーの運用や管理、保守点検などを行うための国家資格です。

規模の小さな簡易ボイラーに携わる場合は資格を必要としませんが、ボイラーの管理は危険を伴いますので、資格は持っていたほうが良いでしょう。工場やビルなど一定規模以上のボイラーを設置している事業所では、二級以上のボイラー技士を選任することが義務付けられているため、資格取得者は就職・転職に有利になるといえます。

ボイラー技士の仕事内容は、ボイラーの運用や定期的なメンテナンスを通して、施設内の空気や温水の調節が、適切な状態を維持することです。非常に高温となるボイラーの保守点検では熱との戦いにもなります。そのため、体力を必要とする仕事といえるでしょう。

ボイラー技士とボイラー整備士の違い

ボイラー技士とボイラー整備士は、携わる内容が異なります。

ボイラー技士は、ボイラーの運転をするのが仕事です。一方で、ボイラー整備士は、ボイラーを清掃・整備するのが仕事になります。

このように、2つの仕事はそれぞれの役割が別れているため、ボイラーの運転も整備も携わりたい方は、両方の資格が必要です。

なお、ボイラー技士の免許を持つと、ボイラー整備士の一部科目が免除されます。そのため、両方の仕事を取り扱いたい場合は、まずはボイラー技士を目指すのがおすすめです

ボイラー技士の3種類の資格について

ボイラー技士の資格は、二級ボイラー技士、一級ボイラー技士、特級ボイラー技士の3種類があり、その資格区分によって扱えるボイラーの大きさが異なります。

試験内容などにも差異があるため、それぞれ具体的に見ていきましょう。

なお、詳しくは後述しますが、それぞれの試験に合格しただけでは資格を取得したことになりません。所定の実務経験をする、または講習を受けて、その上で免許の交付を受ける必要がありますので注意しましょう。

講習会は、一般社団法人日本ボイラ協会や公益社団法人ボイラ・クレーン安全協会などで受けることができます。免許試験は、公益財団法人安全衛生技術試験協会で実施しています。

二級ボイラー技士

二級ボイラー技士は、伝熱面積が25平方メートル未満のボイラーを取り扱える資格です。貫流ボイラーと呼ばれるボイラーの場合は250平方メートル未満であれば、二級ボイラー技士でも扱えることになっています。

ボイラー技士の資格の中では、扱える規模が小さいため活躍の場は限られてしまいますが、資格を取得すれば、一級ボイラー技士の資格に挑戦することができるようになります。

受験資格

受験資格に制限はありません。ただし、本人確認書類の提出を求められます。

難易度

令和2年度の合格率は58.4%でした。

合格基準

合格基準は下記の各科目40%以上の得点率で、なおかつ全科目の合計が60%以上の得点率であれば合格となります。科目によって出来不出来があると合格できないため、総合的に知識を身に付けていきましょう。

  • ボイラーの構造に関する知識:10問
  • ボイラーの取り扱いに関する知識:10問
  • 燃料および燃焼に関する知識:10問
  • 関係法令:10問

試験手数料

6,800円(非課税)

一級ボイラー技士

一級ボイラー技士が扱えるボイラーの伝熱面積は25平方メートル以上、500平方メートル未満となっています。貫流ボイラーと呼ばれるボイラーの場合は、250平方メートル以上の場合に一級ボイラー技士が必要となります。

受験資格

一級ボイラー技士は以下のいずれかの条件を満たす人が受験できます。

※二級ボイラー技士の資格は必須ではありませんが、資格がない場合は相応の実務経験が必要とされます。

  1. 二級ボイラー技士の免許を保有する者(資格試験に合格し、免許を受けた者)
  2. 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等でボイラーに関する学科を修めて卒業し、その後1年以上の実地修習を経た者
  3. 熱管理士免状(エネルギー管理士(熱分野)免状も該当)を有する者で、1年以上の実地修習を経た者
  4. 海技士(三級海技士(機関)以上)免許を有する者
  5. ボイラー・タービン主任技術者(第1種または第2種)の免状を有する者で、伝熱面積の合計が25平方メートル以上のボイラーの取り扱い経験者
  6. 保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25平方メートル以上のボイラーの取り扱い経験者

難易度

令和2年度の合格率は50.9%でした。

合格基準

合格基準は下記の各科目40%以上の得点率で、なおかつ全科目の合計が60%以上の得点率であれば合格となります。科目によって出来不出来があると合格できないため、総合的に知識を身に付けていきましょう。

  • ボイラーの構造に関する知識:10問
  • ボイラーの取り扱いに関する知識:10問
  • 燃料および燃焼に関する知識:10問
  • 関係法令:10問

試験手数料

6,800円(非課税)

特級ボイラー技士

特級ボイラー技士はボイラー技士の中で最もレベルの高い資格で、すべてのボイラーを取り扱うことができます

一級ボイラー技士が取り扱えない伝熱面積500平方メートル以上のボイラーがある施設では、特級ボイラー技士を選任することが義務付けられているため、大規模な工場やプラント建設会社などで活躍するケースが多くなります。

受験資格

特級ボイラー技士は以下のいずれかの条件を満たす人が受験できます。

  1. 一級ボイラー技士の免許を保有する者(資格試験に合格し、免許を受けた者)
  2. 学校教育法による大学、高等専門学校でボイラーに関する講座または学科目を修めて卒業し、その後2年以上の実地修習を経た者
  3. 熱管理士免状(エネルギー管理士(熱分野)免状も該当)を有し、2年以上の実地修習を経た者
  4. 海技士(一級海技士(機関)または二級海技士(機関))免許を有するもの
  5. ボイラー・タービン主任技術者(第1種または第2種)の免状を有するもので、伝熱面積の合計が500平方メートル以上のボイラーの取り扱い経験者

難易度

令和2年度の合格率は29.1%でした。

合格基準

合格基準は下記の各科目40%以上の得点率で、なおかつ全科目の合計が60%以上の得点率であれば合格となります。科目によって出来不出来があると合格できないため、総合的に知識を身に付けていきましょう。

  • ボイラーの構造に関する知識:6問
  • ボイラーの取り扱いに関する知識:6問
  • 燃料および燃焼に関する知識:6問
  • 関係法令:6問

免除科目

特級ボイラー技士試験を受けて、一部の科目のみ合格点が得られた場合、下記の条件をクリアすると次に試験を受ける際に、その科目について受験を免除されます。免除科目については、免許試験結果通知書に記載されている科目に限ります

  • 受験する資格が特級ボイラー技士であること
  • 合格点を得た科目の試験が行われた月から2年以内に、特級ボイラー技士の試験を受けること
  • 受験申請時に免除科目を記入すること
  • 免許試験結果通知書の原本を添付すること

試験手数料

6,800円(非課税)

ボイラー技士の免許取得には実技講習や実務経験が必要

ボイラー技士の試験に合格するだけでは資格は取得できません。

資格試験の合格および、実技講習や実務経験の要件を満たした方が、ボイラー技士になれます。言い換えると、試験の合格通知と、一定の実務経験を証明する実務経験従事証明書を労働局免許証発行センターに提出して、初めて免許交付となるのです。

下記に、各ボイラー技士の免許取得に必要な実務経験についてまとめました。

二級ボイラー技士の実務経験に該当する要件

だれでも受験することができる二級ボイラー技士ですが、試験に合格した方で実務経験がない場合は、厚生労働省の「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」ページの「実務経験等を証明する書類について(2級ボイラー技士免許)」に記載されている下記要件のいずれかを満たす必要があります

  1. ボイラー実技講習を修了した者
  2. 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校においてボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後3ヵ月以上の実地修習を経たもの
  3. ボイラーの取扱いについて6ヵ月以上の実地修習を経た者
  4. ボイラー取扱技能講習を修了した者で、その後4ヵ月以上小規模ボイラーを取り扱った経験があるもの
  5. エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)第9条第1項のエネルギー管理士(熱)免状を有する者で、1年以上の実地修習を経たもの
  6. 海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者
  7. ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
  8. 海技士(機関4、5級)免許を受けた者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
  9. 保安技術職員国家試験規則により汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
  10. 鉱山において、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者

また、各要件によって、具体的な実務経験従事を証明する書類がありますので、詳しくは「実務経験等を証明する書類について(2級ボイラー技士免許)」を参照してください。

なお、指定された要件の中で、実務経験を得る機会がない方のために「ボイラー実技講習を終了した者」という項目があります。ボイラー実技講習では、座学2日、実習1日の合計20時間の講習があり、これを修了すると、実務経験従事の要件を満たすことができます。

一級ボイラー技士の実務経験に該当する要件

二級ボイラー技士免許を有して、ボイラー(二級ボイラー技士の資格が必要な規模の物)を取り扱う2年以上の経験、またはボイラー取扱作業主任者という主任クラスの業務の1年以上の経験を有している方は、実務経験従事証明書発行の要件を満たします。

また、二級ボイラー技士免許を受けていなくても、、受験資格の(2)~(6)のいずれかを満たしている方は、実務経験として認められます。それぞれ指定された書類や実地修習結果報告書などをもって、実務経験従事証明書としての要件を満たします。

特級ボイラー技士の実務経験に該当する要件

一級ボイラー技士免許を有して、ボイラー(二級ボイラー技士の資格が必要な規模のもの)を取り扱う5年以上の経験、またはボイラー取扱作業主任者という主任クラスの業務の3年以上の経験を有している方は、実務経験従事証明書発行の要件を満たします。

また、一級ボイラー技士免許を受けていなくても、受験資格の(2)~(5)を満たしている方は、実務経験として認められます。それぞれ指定された書類や実地修習結果報告書などをもって、実務経験従事証明書としての要件を満たします。

それぞれ指定された書類や実地修習結果報告書などをもって、実務経験従事証明書としての要件を満たします。

ボイラー技士の免許を取るなら一級以上を目指すのがおすすめ

二級ボイラー技士の場合、扱えるボイラーが小型のものに限定されてしまうため、ボイラー技士の免許をとるならば、一級以上の資格を目指すことをおすすめします。

二級ボイラー技士が扱えるのは、ビル設備などの小型のボイラーですが、現在では資格がなくても取り扱える簡易ボイラーを導入するところも増えています。結果として、二級ボイラーの活躍の場が減っているのです。

もちろん、まだまだ二級ボイラー技師の資格も役立ちますが、将来性を考えると一級以上までを目指しておくと良いでしょう。

ボイラー技士の資格を活かせる仕事

ボイラー技士の資格を取得すると、以下のような施設で活躍することができます。

ビル管理会社

商業施設やオフィスビルなどを運営するビル管理会社に就職する道があります。

これらの施設では空調管理や温水供給で一定規模以上のボイラーが使われており、施設数も多いためニーズが高い傾向があります。

建設会社

ボイラーを設置する施設を建設する際、ボイラー技士の立ち会いが求められることがあります。

そのため、建設会社でもボイラー技士を募集しているケースがあります。

ホテル

ホテルは、ボイラーが活用されている代表的な施設です。

空調や温水供給で大規模なボイラーが使われていることが多く、ボイラー技士による運用・管理を必要としています。

病院

入院病棟のある病院にもボイラーが設置されています。大型の病院では、ボイラーの規模が大きく、ボイラー技士の選任が義務付けられていることがあるため、病院も就職先の選択肢の一つとなります。

工場・プラント

発電所や工場・プラントでもボイラー技士が必要になります。プラントの操作や日常点検が主な業務となりますが、万が一ボイラーが故障した場合の修理の手配もボイラー技士の仕事です。

特に、特急ボイラー技士まで取得できれば大規模な工場での求人も多くなります。

ボイラー技士は就職しやすく将来性のある仕事

都心部では、大型の商業施設や大型ビルの建設が進んでおり、それに伴ってボイラー技士のニーズも高まっています。ボイラー技士の資格は転職に有利に働き、就職後も安定して仕事に取り組むことができるでしょう。

また、ボイラー技士はビルメン4点セットと呼ばれる資格の一つです。これらはビルメンテナンス業界ならばおさえておきたいであり、取って損はないといえるでしょう。

ボイラー技士の資格を活かして働くには?

ボイラー技士の資格取得後に転職する際は、ボイラー技士を募集している求人を探すことになります。

転職サイトなどで募集されているケースもありますが、求人数が少なかったり自分が理想としている職場を探すのに苦労したりしてしまうことがよくあります。

そこで、活用をおすすめするのが転職エージェントです。公開している求人情報はもとより、非公開求人情報も多数保有している転職エージェントは、希望を伝えると希望条件にマッチした求人を紹介してくれます。

ボイラー技士としての転職を目指す際は、ぜひマイナビメーカーエージェントのキャリアアドバイザーにご相談ください。豊富な求人情報の中からおすすめの求人をご提案します。

まとめ

ボイラー技士はニーズも高く、就職が有利になる資格の一つです。そのため、転職を目指す方で興味があれば、取得してみることをおすすめします。

可能であれば一級以上を目指すと、長くボイラー技士として活躍できるでしょう

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マイナビエージェント編集部

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