更新日:2022/11/11
この記事のまとめ
近年、ワークライフバランスが注目されています。ワークライフバランスは、仕事と生活の調和を指すワード。実際に、転職を考えたとき、「仕事もプライベートも充実させたい」と悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、転職でワークライフバランスを実現するためのポイントを解説します。志望動機の作り方や注意点、転職を支援するサービスの活用方法も見ていきましょう。理想の環境を実現させたい方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
転職活動をしていると、「ワークライフバランス」というワードを耳にする機会があるのではないでしょうか。ワークライフバランスは、仕事をするうえで重視したい施策のひとつであり、「性別」「年齢」に関係なく、すべての労働者が対象となります。まずはワークライフバランスの意味を把握し、企業選定に役立てましょう。
ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」を意味します。これは、内閣府が発表した「働き方改革」の実現に向け、大きく注目を集めました。
働き方や暮らし方を見直し、仕事とプライベートの両方を充実させ、働き手がよりよい将来への展望を持てる社会を目指すうえで必要な事柄だとされています。
しかし、現実はまだまだワークライフバランスの実現には遠いところにあります。「労働時間や給与の面で男女間の格差が大きい」「労働時間や就業場所の柔軟性が低い」といったことが要因だと言われています。
また、ワークライフバランスが正しく認識されていないという問題もあります。以前はワークライフバランスというと、「仕事や働くことを重視しない」「プライベートを優先させる」といった印象を想起させ、嫌厭する企業も多かったのです。
働き方改革が注目され、そういった誤解も減り、積極的に取り組む企業が増えています。ワークライフバランス実現を望む働き手にとっては、いまが転職のチャンスといえるかもしれません。
転職によってワークライフバランスの実現を目指す際に、重要となるポイントをご紹介します。ここでは、特に転職先を選ぶ際にチェックすべき事柄をピックアップしてみました。
「調和」と聞いて想像するライフスタイルは、三者三様でしょう。つまり、ワークライフバランスを実現させるには、自身と向き合い考えることが大切です。そのためには、どのスタイルを選択すると充足感が生まれるのか、具体的なイメージを持ちましょう。
まずは上記のようなイメージを描き、自身の働き方と向き合ってみましょう。
残業時間は、ワークライフバランスを実現させるためにチェックしておきたい項目です。募集要項を確認したうえで「該当企業に勤める知人に実情を聞いてみる」「転職口コミサイトの情報を参照する」「転職エージェントに直接聞いてみる」などの方法で、残業時間の有無や残業の程度をチェックしましょう。
なお、募集要項に「みなし残業」の記述がある場合、実際に働いてみたら残業の頻度や時間が多かったというケースが見受けられます。また、年俸制なのか裁量労働制なのか、などについてもチェックしておく必要があります。転職先をリサーチする際のチェックポイントとして、残業の実態は入れておくとよいかもしれません。
積極的にワークライフバランスに取り組んでいる企業は、独自の制度を設けていることがあります。育児や介護にまつわる「休暇制度」「短時間勤務制度」「在宅勤務制度」「時差出勤・フレックスタイム制度」など、制度の種類は各企業でさまざまです。
該当企業の募集要項や公式HPを確認して、自分に適した制度を設けているか否かを基準に企業を選ぶのもよいでしょう。また、転職エージェントを利用している場合は、あらかじめ「ワークライフバランスを重要視する企業を積極的に検討したい」といった旨を伝えておきましょう。
働き方改革以降は、積極的にワークライフバランス実践のための取り組みを行っている企業は増加傾向にあります。「ワークライフバランスを重視したいなんて言ったら、面倒くさい奴だとか、選り好みする奴だとか思われてしまわないかな......」などと思わなくても大丈夫です。
また、「こういう事情があるのでワークライフバランスを重視した働き方をしたい」と、最初に明言していたほうがスムーズに転職先を探せるでしょう。
業種や職種によっては定時にあがったり、好きなときに休日を取ったりするのが難しい場合もあります。これまでのキャリアやこれまで自分が働いていた業界にこだわるのではなく、いま一度自分自身にあったワークライフバランスを考慮したうえで、自分が望む業種や適した職種を考え直してみましょう。
また、先に制度やワークライフバランスへの取り組みに積極的な企業を選び、そこから職種をしぼり込んで探すというのもよいかもしれません。
企業選定の基準となる「転職軸」をしっかりと定めることは、転職を成功させる近道です。ただし、ワークライフバランスを転職の第一条件にする場合、いくつか注意したいポイントがあります。ここでは、企業選定において気をつけたい部分をご紹介します。
ワークライフバランスに比重を置きすぎると、後悔する結果を招くケースもあります。たとえば、「勤務時間を減らしすぎたので生活が苦しくなった」という事態に陥るのは、よい結果とはいえないでしょう。
ワークライフバランスを最優先に転職先を選ぶとしても、それ以外の条件をすべて妥協してよいわけではありません。転職活動は疲れますが、投げやりになってネガティブな妥協をしないよう注意しましょう。「業務内容」「年収」「労働環境」など、ほかの条件とも照らし合わせたうえで、冷静に判断することをおすすめします。
ワークライフバランスを第一の目的として転職先を探すとしても、その仕事に「やりがい」があるのかを考えなければなりません。というのも、ワークライフバランスの実現に重点を置くあまり、自分の価値観を無視した転職をしてしまう方がいるからです。
転職先を決める前に「現職で培った仕事観を整理する」のが、満足度の高い転職を実現するポイントです。理想のワークライフバランスを実現できても、その仕事にやりがいを感じられなければ、また転職を考えてしまう結果になるでしょう。
企業が応募者に志望動機を聞く理由のひとつに、志望度の高さをチェックする点が挙げられます。「なぜこの企業を選んだのか」は、企業側が自社で活躍する人材を見極めるために重要な項目です。ここからは、ワークライフバランスを実現したいと伝えつつ、企業での活躍もアピールできる志望動機のポイントを解説します。
志望動機を作成する際には、「なぜワークライフバランスを実現させたいのか」に目を向けてみてください。ワークライフバランスの意味合いが人によって異なるように、ワークライフバランスの先にある「理想の環境」は一人ひとり違います。
志望動機では「ワークライフバランスを実現してどうしたいのか」、つまり転職で得たい最終目的を伝えることが重要です。ネガティブな目的は印象ダウンにつながるため、ネガティブに取られかねない内容の場合は、ポジティブな言い回しに変換しましょう。
説得力のある志望動機を作成するためには、現職ではかなえられない事柄を伝えたうえで、「転職で実現したい」と述べましょう。「現職でも実現できるのではないか」という印象を与えると、会社を変えればなんとかなると考えている他責的な人材だと思われかねません。
「時短勤務制度があるものの、申請しても取り合ってもらえない」「柔軟な働き方を提案したが、上司に拒否された」などのワークライフバランスを実現するために努力したことを伝えましょう。1日の作業量や超過勤務の時間など、具体的な数字で示せる事実があると、「プライベートを重視したいだけなのでは」といったマイナスイメージを払拭できます。
どの企業も「自社で活躍できる人材」を採用します。つまり、採用担当者が見るのは、「この人材は企業のために懸命に働いてくれるか」という点です。志望動機がワークライフバランスの場合、「働く意欲が低いのでは」「仕事よりプライベートを重視する人材なのでは」と懸念される恐れがあります。
そういった懸念を払拭するために、「この企業ならワークライフバランスを実現できる」と思った理由を述べましょう。企業が設けている制度に触れたり、事前にリサーチした残業時間の平均を例に挙げたりして、「御社でなら力を発揮できる」と伝えるのがポイントです。
「ワークライフバランスの実現」という志望動機は、伝え方によって企業からの評価が下がる恐れがあります。もちろん、理解度の高い企業もありますが、その一方で「やる気がない」と捉える企業があるのも実情です。ワークライフバランスの実現を伝えたい場合には、事前に懸念点を理解したうえで、言葉を選ぶ必要があります。
たとえ本心であったとしても、「年収が高いから」「家で過ごす時間が一番だから」「残業したくないから」など、ネガティブな印象を与えるワードの使用は避けましょう。企業が自分を採用するメリットをしっかりと伝えることが大切です。
経験豊富なキャリアアドバイザーと二人三脚で転職活動を行う「転職エージェント」の活用は、ワークライフバランスの実現を望む方にとって、メリットの多い転職の進め方です。転職エージェントを利用すると、ワークライフバランスの実現に取り組む企業を簡単に見つけられるほか、「制度が実際に運用されているか」といった重要な部分も把握できます。
面談によるキャリアの棚卸しから、キャリア形成のサポートを受けられるのも、転職エージェントの強みです。企業選定後には書類添削や面接対策、交渉代行なども依頼できるので、スムーズに転職活動を進めたい方にも最適といえます。
働き方改革が注目されるいま、「仕事と生活のバランスが取れた環境を作りたい」と望む方は、理想の実現に向けて転職に踏み出してみてはいかがでしょうか。一言でワークライフバランスといっても、人により実現したい最終目標はさまざまなので、まずは自身の希望する働き方を定めることが大切です。
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