退職金がもらえないこともある?退職金の仕組み・種類・確定拠出年金について|求人・転職エージェント

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更新日:2023/10/13

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退職金がもらえないこともある?退職金の仕組み・種類・確定拠出年金について

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この記事のまとめ

  • 「確定拠出年金制度」を利用している企業では、一般的に想像する退職金はもらえないケースがある。
  • いわゆる退職金をもらうには、退職金制度のある企業に入り、一定以上の年数にわたり勤続する必要がある。
  • 「確定拠出年金制度」を利用している企業から転職する場合には、移行や移管手続きをしなくてはいけない。

退職をするときに気になることといえば「退職金」です。近年、確定拠出年金制度を退職金代わりに利用する企業が増えています。しかし、確定拠出年金制度と退職金制度は、まったく同じ仕組みではないため「イメージしていたような退職金がもらえない」と後になって悩む方もいるでしょう。

そこで今回は一般的に退職金として扱われることの多い制度について、制度ごとの特徴を解説。また、退職金を受け取るための方法をまとめました。いざ退職というときになって「退職金がもらえない」と困ることがないように、ここでしっかりと確認していきましょう。

目次

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退職金の種類

一口に退職金といっても、実はいくつかの種類があります。

それぞれの退職金制度の特徴について知ったうえで、損のない転職を心掛けましょう。

退職金と退職共済金

退職金と退職共済金は現金の支給元が異なります。

退職金は、多くの方がイメージしているように勤めている会社から直接支給されるものです。ただし、会社から支給される退職金の中にも退職一時金や前払い退職金などの種類があります。詳細は後述します。

一方の退職共済金は、会社が加入する共済から支給される退職金です。さまざまな共済がありますが、中小企業の多くは中退共が運営する「中小企業退職金共済制度」に加入しています。従業員の在職中に企業が一定の掛金を納付することで、退職後に中退共から直接退職金が振り込まれる仕組みです。

退職一時金

いわゆる退職金とは、一般的に退職一時金のことを指します。これは、退職時に一括で支払われる退職金のことで、まとまった金額を受け取ることができます。

退職一時金がいくら支払われるのかは、企業ごとに定められている退職金の規定によって決められています。そのため、特別な事情がない限り、規定の計算式に則って算出された金額が支給されます。

企業年金

年金とは、毎月あるいは数ヵ月に一度、決まった金額が支給される制度のことです。国民年金や厚生年金、個人年金などのほか、「企業年金」という制度もあります。企業年金は、退職金を一時金としてまとめて支払うのではなく、一定期間にわたって少額ずつ支給する制度のこと。退職日から厚生年金の支払いまでに期間が空く場合などに、生活基盤を固めるのに役立ちます。企業年金は、単体で支給されるケースだけではなく、退職一時金と併用される場合もあります。

それぞれの会社の規定をよく確認しましょう。また、最近話題の「確定拠出年金」なども、企業年金に分類される制度です。

前払い退職金

前払い退職金は、退職金を退職時の一時金として支払うのではなく、勤務中に給与や賞与に上乗せする形で支払うというものです。退職時にまとまった退職金を受け取ることはできなくなりますが、その代わり、月々の収入が増え、自分自身で自由な運用をすることができます。

退職金を受け取るには

退職金はすべての従業員に支給されるものではありません。会社によって規定があり、その規定には勤続年数が含まれていることがほとんどです。 この仕組みを理解していないと、「思っていたより受給額が少なかった」と落胆してしまうことがあるかもしれません。

まずは以下のポイントを押さえておきましょう。

退職一時金の受給に必要な勤続年数

退職一時金の受給には勤続年数が大きく影響しますが、加えて退職理由もポイントとなります。退職理由が会社都合か自己都合かによって、退職一時金の受給に必要な最低勤続年数が異なるケースが多いのです。

令和元年に中央労働委員会が実施した「賃金事情等総合調査」によると、会社都合による退職の場合は勤続年数1年未満においても52.9%の会社で退職一時金が支給されています。一方、自己都合による退職では、勤続年数1年未満で6.4%、3年以上でようやく50.3%まで上昇する状況です。

自己都合による退職のほうが、会社都合と比べると低い数値であることがわかります。

自社の就業規則や賃金規則を確認しよう

上記はあくまでも統計上の結果であるため、自社のルールがどのように定められているかは自分で確認する必要があります。就業規則や賃金規則を今一度見直してみましょう

また、万が一不明点があれば、そのまま放置したり憶測で解釈したりせず人事担当者に問い合わせるようにしましょう。

退職金がもらえる時期は?

退職金制度がある企業では、多くの場合、退職の半年後くらいまでに退職金が支給されます。しかし、中には1年ほどかかる企業もあり、やはりそれぞれの企業のシステムによって異なります。

なお、年金型の退職金は、基本的に一定の年齢になった後で受け取ることになるものですから、退職後すぐに受け取ることはできません。

退職金の計算方法

退職金の計算方法は退職金制度により異なります。以下で紹介する中小企業退職金共済制度の場合は、法令で定められた金額やパーセンテージを用いた計算式により算出されます。一方、会社から支給される退職一時金は、基本給に勤続年数を掛け合わせたシンプルな計算式が用いられるケースが多いです。

さまざまなパターンが存在するので、一例として参考にしてください。

退職共済金の場合

中小企業退職金共済制度の算出方法は以下のとおりです。

【退職金=基本退職金+付加退職金】

基本退職金とは、会社が各従業員に掛けている1ヵ月あたりの金額とその納付月数を踏まえて定められた金額です。詳しくは厚生労働省の「基本退職金額表」を参照ください。

付加退職金は、予定運用利回りを運用利回りが上回った際にプラスされる金額です。納付月数43ヵ月目、以降12ヵ月ごとに基本退職金に相当する金額に対し各年の支給率を乗じた金額を退職まで加算していきます。

会社から支給される退職金の場合

会社から支給される退職一時金や前払い退職金に関しては、各社で計算方法が定められています。そのため、一般的な事例を探すよりも自社の就業規則や賃金規則を確認すべきです。仕組みが複雑でわかりにくい場合には人事担当者へ質問しましょう。

退職金への課税と税率の軽減制度

支給された退職金には、所得税が課税されます。前払い退職金の場合は、通常の給与と同等の計算方法が取られますが、退職一時金や企業年金制度を利用する場合は、税率の軽減制度も用意されています。退職一時金を受け取る際は、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しましょう。この申告書を提出することで、退職金にかかる所得税を大幅に軽減させることができます。

退職所得の受給に関する申告書を提出した場合の退職所得にかかる所得税の計算方法は、以下のとおりです。

退職所得(所得税が課税される金額)=(退職金の収入-退職所得控除額)÷2

また、ここで用いられる退職所得控除額は、勤続年数によって決まります。

退職所得控除の計算表

勤続年数(A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A(80万円に満たない場合は80万円)
20年超 800万円+70万円×(A-20年)

参考:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

たとえば、勤続年数が10年の場合では、退職所得控除額が400万円となりますから、支給される退職金の額が400万円以下の場合は所得税がかかりません。また、仮に退職金が500万円だった場合は、(500万円-400万円)÷250万円が退職所得額となります。

なお、退職所得の受給に関する申告書を提出しないと、退職一時金の約20%が源泉徴収されます。その場合は、確定申告をすることで納め過ぎた税金の還付を受けられます。

退職金制度がない企業もある

退職金制度は、すべての企業に用意されているものではありません。法律で「退職金を設けなければならない」という規定はないため、退職金を支払わない企業があったとしても違法にはなりません。ですから、勤めている企業によっては、転職しても退職金がもらえない場合もあるでしょう。また、「勤続5年未満で退職した場合は退職金を支給しない」といったような規定を設けている企業もあります。

退職金がもらえるかどうかはそれぞれの企業によって異なりますから、いろいろな事例を確かめるよりも、実際に勤めている会社の退職金規定を確認することが大切です。

企業型確定拠出年金に加入していたら

退職金制度として「企業型確定拠出年金」を取り入れている企業も増えています。企業型確定拠出年金は、個人の運用次第で将来の給付額が変わり、原則として60歳以降に受け取れる年金です。企業によっては「ライフプラン年金」や「ライフプラン給」などとも呼ばれています。企業型確定拠出年金に加入している場合、転職時に60歳になっていなければ、その後の運用について指示を出す必要があります。もし転職先の企業にも企業型確定拠出年金の制度がある場合は、転職先で移行手続きをして運用を続けることができます。転職企業の担当者に希望を伝えて、手続き方法の案内を受けましょう。

一方、転職先に企業型確定拠出年金がない場合は、個人型に移管しなければいけません。個人型の場合、すでに積み立てたお金を運用するだけにするのか、積み立てを継続するのかを選ぶことができます。

これらの手続きは、退職から6ヵ月以内に自分自身で行う必要があります。忘れずに手続きをするようにしましょう。

退職金は早めに確認しよう

退職金の有無や支給方法、支給額等は企業によって異なります。あらかじめ賃金規定を確認しておくことで、「あと1週間長く勤めれば退職金が支給されたのに!」といった損をしなくて済みます。

また、退職金は転職後の資産運用にも関わることですから、早めにチェックすることをおすすめします。

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執筆・編集

マイナビエージェント編集部

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