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【ドローンとは】ドローン飛行の問題点や飛ばすための方法などを解説
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【ドローンとは】ドローン飛行の問題点や飛ばすための方法などを解説

近年急速に発達した感のあるドローン技術ですが、ドローンを飛行させるにあたっては、気を付けなければならない点もあります。今回はドローン飛行の問題点や飛ばすための方法などについて解説します。

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目次

1.ドローンとは

ドローンとは無人航空機の総称です。無人航空機には、リモートで操縦ができる無人飛行機も含まれるため、特に、自律的に飛行ができる無人航空機をドローンと呼ぶことが多くなっています。その形状から、マルチコプター、クアッドコプターと呼ばれることもあります。

ドローンという言葉は、元々は雄のミツバチを表す言葉で、そこからぶんぶん唸るという意味が派生し、自律飛行が可能なマルチコプターのことがドローンと呼ばれるようになりました。

ドローンによる空中撮影だけでなく、災害にあった地域を安全に状況調査する、あるいは大型のドローンを使って物資を運搬する、農地に農薬を散布するなどさまざまな目的で使われるようになっています。また、近年では、数千機のドローンを飛ばして、夜空に図形などを描くドローンダンシングもイベントや広告の領域で行われるようになっています。

2.ドローンの優れた特徴は

ドローンは、一般的に4つのプロペラを備え、それぞれに計算チップがモーターを制御し、自律飛行ができるのが特長です。GPSその他の測位システムも搭載し、常に自分の位置を把握し、指定した地点にホバリングして静止することもできますし、あらかじめプログラミングをすることで、指定されたルートを飛行し、撮影、農薬産婦などの仕事をこなすこともできます。

多くのドローンは風の影響を受け、風に流されますが、すぐに必要な計算を行い、指定された位置、ルートに復帰する動作を行います。

また、ドローンダンシングでは隣接するドローンと通信を行い、近づきすぎると回避する行動を取り、指定された距離を保つ動作を行います。

ラジコン操縦のヘリコプターなどでは、飛行させるだけでも操縦者の技術が必要になりますが、優れたドローンであれば、利用者は飛行ルートを指定するだけでドローンを飛ばせるようになります。これにより、産業への応用、娯楽への応用が急速に進みました(操縦免許は不要ですが、国家資格の導入が議論されています)。

3.中国で進化をするドローン

ドローンは世界各国で開発され発売されていますが、民生用の分野で圧倒的にリードをしているのが中国深セン市のDJIです。「DJIが特許を出願すると、ライバル企業が何社か倒産する」「DJIは業界のスタンダードを作り、真似をされるが、完璧にコピーすることはできない」と言われるほど、技術が進んでいます。

DJIのドローンのスタンダードシリーズは、撮影をすることに特化をしており、特定の対象を画像解析や信号チップなどにより、自動で追尾をして撮影を続ける追尾撮影機能や、設定された飛行ルートに木の枝などの障害物があった場合は、それを感知して自動で迂回をする回避機能などはすでに当たり前になっています。

また、DJIに追従する製品では、利用者本人を追尾する「空から自撮り」機能を備えているものが多くなり、さらには、あらかじめプログラミングしておくことにより、空から本人に接近するときに、あえて回り込みながら接近するなど、撮影上の演出ができるものも増えています。

このような撮影に特化した民生用ドローンは、すでにドローンという名称よりも「フライングカメラ」と呼ばれるようになり、その操作、プログラミングもスマートフォンアプリからできるのが一般的です。

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(DJIの日本語公式サイト。購入もできるようになっている)

4.ドローン飛行の問題点

ドローンは画期的な飛行デジタルツールですが、その飛行には危険性も伴います。従来のラジコン無人航空機は、リモートコントローラーの電波の到達距離の関係で、目視できる範囲でしか飛行させることができませんでした。そのため、河原などにラジコン航空機専用のフィールドを設けて、その中で試験飛行やホビーの飛行をすることでよかったのです。

しかし、ドローンは自律飛行が可能で、設定したルートに従って飛行をするため、目視ができない場所まで飛行が可能になります。その時、故障などが起きた場合、地上の人間や工作物に被害を与える可能性があります。

実際に、ドローンの墜落事故は世界各地で起きています。原因は次のようなものが主なものです。

  1. 設定、操縦のミス
  2. ドローン本体の故障
  3. ドローンのバッテリー切れ
  4. 信号のロスト(ネットワークに接続できなり制御不能になる)

そのため、多くの国で、ドローンが飛行できる区域が制限をされています。海外ではすでにドローンを利用した宅配便やフードデリバリーも始まっていますが、ドローンの飛行ルートは川の上に設定し、中継点で配達スタッフが受け取って、個々の家にはスタッフが配達するという例が多いようです。

5.ドローンの飛行が禁止されている空域

日本では、2015年に起きた総理大臣官邸の屋上にドローンが墜落した事件が契機になって規制が進みました。この時のドローンには、放射性物質が積載してあって、人体に健康被害を与える量ではなかったとは言うものの、首相官邸の情報が撮影されてしまう、危険な物質を官邸内に運ばれてしまうという安全上の問題が大きな議論になりました。

その結果、2015年12月に、改正航空法が施行されました。ここでドローンが無人航空機として、また重量200g以下のドローンは模型航空機として、飛行には航空法の制限を受けるようになりました。

航空法では、次の3つの区域で飛行をするには、国土交通大臣の許可が必要となります。

  1. 空港、ヘリポートや飛行場とその周辺地域(A空域)
  2. 高度150m以上の空域(B空域)
  3. 人口集中地区(C空域)

この3つの空域では、たとえ自分が所有する私有地であっても、飛行には許可が必要となります。また、200g以下のドローン(模型航空機)であっても、この3つの区域では許可が必要になります。なお、屋内、屋内に準じるゴルフ練習場のように四方と天井がネットなどで保護されている空間では、その管理者が認めれば許可は必要ありません。

また、飛行許可のあるなしに関わらず、以下のような飛行はすべての区域で禁止をされています。必要がある場合には、国土交通大臣の許可が必要になります。

  1. 夜間飛行(日没から日の出まで)
  2. 目視外飛行(目視できる範囲での飛行のみ。遠隔モニター監視は不可)
  3. 他人の車両や船舶、建築物、工作物から30m以内に近づく飛行
  4. 祭礼、イベントなど人が集まる会場での飛行
  5. 爆発物、可燃物などを積載した飛行
  6. 物体を地上に投下させる飛行

詳しくは、「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」(国土交通省)でご確認ください。

東京オリンピック開会式のドローンダンシングは当然ながら国土交通大臣の許可を得て行われました。

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(ドローンを楽しみたいのであれば、国土交通省のサイトで飛行規制に関する情報を確認しておく必要がある)

6.ドローンを飛ばすには

このような厳しい規制があるために、「ドローンを飛ばす場所がない」と嘆く声もありますが、意外にもドローンを楽しめる場所はたくさんあります。

(1)自宅内

自宅内は航空法の制限を受けないので好きなだけ飛ばせます。屋内用の小型ドローンは人気の商品ジャンルになっていて、人や物に当たっても被害を与えない柔らかい素材でカバーされているものがほとんどです。最も手軽にドローン飛行、ドローン撮影を楽しめます。ただし、ベランダに飛行させるのは屋外になるので注意してください。

(2)屋内

オフィス、施設内の屋内もドローンを飛ばすことができます。廊下も屋内ですので、企業紹介のビデオ撮影に活用するとユニークな映像が撮れます。ただし、当然ながら管理者の許可は必要になります。

(3)ドローン練習場

ドローンの人気が高まるとともにドローン練習場が各地にでき始めています。航空法の制限を考慮した作りになっているので、運営者の指示にしたがって飛行をさせればまったく問題がありません。ドローン練習場を一覧したポータルサイトなどもたくさんあります。

(4)航空法の制限を受けない地域

航空法の制限を受けるのは、飛行場周辺と人口密集地域です。つまり、郊外の人がいない場所であれば制限を受けません。このような場所であれば、事前に許可を得ることなく飛行をさせることができます。

ただし、日本のすべての土地には、管理者や所有者がいるので、その管理者、所有者の許可を得ることは必要になります。また、道路を横切る飛行をする場合は、管轄警察署で道路使用許可を取ることが必要になる場合もあります。

最近では、ドローンの飛行がひとつの観光資源になっていることもあり、積極的な自治体であれば、観光課などに問い合わせをすれば、おすすめの飛行スポットや許可の取り方などを親切に教えてくれるケースも増えてきました。

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(DJIが提供している「安全飛行フライトマップ」には、飛行が規制されている地域がわかるようになっている。都市部ではまったく無理だが、郊外へ出れば意外に飛ばせる場所はある)

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(オートバックスが提供しているドローン練習場の一覧。連絡先も記載されている。ドローン練習場を利用するのが、最も手軽で本格的な飛行を楽しめる)

7.まとめ

ドローンは、自律飛行ができる無人航空機のことで、その形状からマルチコプター、クアッドコプターと呼ばれることもあります。ドローンによる空中撮影が気軽に楽しめるだけでなく、調査や運搬、農薬散布などの産業応用も進んでいます。

日本ではドローンの飛行ができる場所が規制をされていますが、規制を受けない場所も多くあるので、土地の管理者の許可を得るなど手順を踏めば、ドローン飛行を楽しむことができます。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)
テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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