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シンスペクティブ・エンジニアインタビュー(4)--衛星組み込みソフトウェアエンジニア・シュレスタ リズム(Rhythm Shrestha)氏
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シンスペクティブ・エンジニアインタビュー(4)--衛星組み込みソフトウェアエンジニア・シュレスタ リズム(Rhythm Shrestha)氏

SAR衛星(合成開口レーダー衛星)の開発・運用することで地球観測データを取得し、その膨大な地球観測データを、データサイエンス・機械学習を用いて解析し、政府や企業にソリューションとして提供している株式会社Synspective(シンスペクティブ、以下シンスペクティブ)。2020年12月15日には、自社で開発したSAR衛星「StriX-α」を、Rocket Lab社のElectronロケットに搭載し、ニュージーランドの発射場から 打ち上げた。

今回は、躍進を続ける同社を支えるエンジニアの方々5人にインタビューした内容をお届けしたい。

第4回は、衛星組み込みソフトウェアエンジニアのシュレスタ リズム (Rhythm Shrestha)氏。

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目次

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1. ネパールで日本語を勉強し日本に興味、衛星と地上局の通信ソフトウェアを開発

私は、衛星チームに所属し、衛星の組み込みソフトウェアを開発しています。主に、衛星と地上局の通信ソフトウェアの開発をしています。

私はネパールで生まれて、大学生の時に、好奇心から日本語の勉強を始めました。勉強するうちに日本語のレベルも上がってきたので、それから日本で働くことを考えるようになりました。それで、シンスペクティブの面接を受けて、いい会社だなという印象を受けたので、2年前に入社しました。

【関連記事】「ソフトウェアエンジニアになるためには?必要なスキルや仕事内容について」

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2. 会社では海外メンバーと話す時は英語、日本メンバーと話す時は日本語

会社では英語と日本語の両方を使っています。海外メンバーと話す時は英語、日本メンバーと話す時は日本語です。そして、家族と話す時はネパール語です。その使い分けはあまり苦になりませんが、日本語がどんどん上手になって、その分、英語が下手になったかもしれません(笑)。

シンスペクティブはスタートアップ企業なので、組み込みソフトウェアという本来の業務だけではなく、いろいろな業務をこなす必要があります。1日の中で、いろいろな業務をしなければならず、自分の中でその切り替えをするのが少し大変だとは感じています。

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3. チームの目標は、衛星の運用の自動化

私たちチームの目標は、衛星運用の自動化です。Synspectiveは、今後、30機の衛星を打ち上げてコンステレーションを構築していく予定です。そうなると、すべての衛星を人が運用することは現実的ではありません。2020年代後半のコンステレーション完成までには、ほぼすべての衛星運用は自動化をしておく必要があります。

私のチームは8人で、ソフトウェアに特化した人が3人で、残りがハードウェアエンジニアです。通信というのは、衛星と地上局の間で行われるので、衛星のシステムだけでなく、地上局のシステムも同時に改善していかなければなりません。私が衛星システムと地上局システムの橋渡しのような役目を担い、改善内容を両方のチームと調整しています。

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4. 年内に2機目の衛星を打ち上げ予定、仕事はさらに忙しく

年内には2機目の衛星の打ち上げが予定されています。これが成功すると、2機の衛星を運用することになりますが、この段階で多くの運用作業を自動化したいと思っているので、やることが山積みになっています。

最初の衛星であるStriX-αが打ち上がって、少し仕事が楽になるかなと思っていたら、もっと忙しくなってしまいました(笑)。衛星打ち上げが成功すればするほど、私の仕事は忙しくなっていくんじゃないかと、そんな予感がしています。

5. ユーモアがあると信頼関係を築きやすい

私のチームに加わっていただくのであれば、ユーモアのある人がいいですね。冗談がわかる人。真面目に仕事をするだけでなく、たまには息抜きに雑談をしたり、一緒に笑ったりできる人がいいです。

ユーモアがあると信頼関係を築きやすいです。誰かがミスをしたり、間違った方向のことをやろうとしたりしている時に、気軽に指摘し合える関係になる。信頼関係がないと、そのような指摘も遠慮がちになってしまいます。でも、それでは高いレベルのソフトウェアは作れません。私たちのチームは、議論をすると互いに熱くなりすぎることもよくありますけれど、信頼関係があるので、すぐに仲直りができます。信頼関係が築けると、チームとしてうまく動けるようになります。互いに信頼し合い、仕事を分担してこなせるようになるのです。ユーモアはとても大切だと思っています 。

6.時間が足りないのが悩み、スキルセットが異なる方大歓迎

シンスペクティブで働くことはとても楽しく不満はありません。ただ、仕事のスコープがどんどん広がっていくので、時間が足りないことだけが悩みです。

私が3人いたら助かると思うこともありますが、よく考えれば、私が3人ではなく、スキルセットが異なる人が3人いてくれた方がもっと助かります。宇宙産業の経験がある人はもちろん大歓迎ですが、そのような経験がなくても、入社してから学べば良いことなので大歓迎です。

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7.打ち上げ成功は本当に感動、運用の自動化はこれから本格化

打ち上げに成功した時は感動しました。長い時間をかけて開発してきた衛星ですし、私が書いたソフトウェアが使われ、宇宙空間で動いているのです。衛星の軌道投入が成功して、最初の通信を受信できた瞬間は、私たちのチーム全員が大喜びしました。

運用の自動化は、まだ全体の2割か3割のところまでしか進んでいません。まだまだやらなければいけないことがたくさんあります。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)
テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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