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【キュレーションとは】キュレーションメディアのビジネスモデルや課題は?
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【キュレーションとは】キュレーションメディアのビジネスモデルや課題は?

キュレーションメディアという言葉を聞いた事はありますでしょうか。さまざまなテーマに沿ったコンテンツをまとめたメディアのことで、皆さんも日常生活の中で調べものなどをする際に利用したこともあるのではないでしょうか。

今回は、そもそもキュレーションとは何か、キュレーションメディアのビジネスモデルや課題を解説します。

目次

1.キュレーションとは

2.キュレーションメディアのビジネスモデル

2.1.広告収入

2.2.読者に対する調査分析レポートの販売

2.3.ユーザーコミュニティビジネス

2.4.製品プロモーション


3.キュレーションメディアの運営上のメリット

4.キュレーションメディアの課題

5.AIキュレーションが新たなトレンドに

6.まとめ

1.キュレーションとは

キュレーションとは、情報を選び、集めて、整理して提示することです。美術館や博物館の学芸員の仕事がキュレーションと呼ばれます。優れた絵画を選び、集め、一定のテーマに沿って展示をします。

同じように一定のテーマにそって、情報を集めたサイトのことをキュレーションサイトと呼びます。このようなキュレーションサイト、キュレーションサービスでは、運営会社のスタッフがすべての記事を書いているわけではありません。大多数の記事は、他のニュースサイトから集めて、テーマに沿って表示をしています。このようなサービスをキュレーションメディアと呼ぶこともあります。

時事ニュースだけでなく、例えばサッカーや手芸といった特化したキュレーションメディアもたくさんあります。


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2.キュレーションメディアのビジネスモデル

キュレーションメディアのビジネスモデルは、主に4つあります。

2.1.広告収入

有用な情報を整理して提供することで、多くの人が閲覧するようになり、バナー広告やアフィリエイトの収入が期待できます。

2.2.読者に対する調査分析レポートの販売

特定の分野にそったキュレーションメディアの場合、利用者はその分野に興味を持っている人であるので、アンケート調査などを行い、有用な情報として企業に提供するビジネスも可能になります。

2.3.ユーザーコミュニティビジネス

ユーザーコミュニティを育てて、セミナー、イベントなどさまざまな展開ができるようになります。

2.4.製品プロモーション

これとは別に、直接的な利益を期待しないキュレーションメディアも存在します。メーカーが自社で販売している商品に関連したキュレーションメディアを構築し、顧客への情報提供のみならず、ユーザーコミュニティを育てて、自社製品の開発に生かすことができるようになります。製品プロモーションのひとつの施策として考えられるため、メディアから直接得られる利益は必ずしも必要になりません。

また、既存のキュレーションメディアがメーカーとタイアップをして、キュレーションメディア内でその製品のプロモーションを行うことも可能になります。


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3.キュレーションメディアの運営上のメリット

メディアとして運営する場合も、製品プロモーションのひとつの施策として行う場合でも、キュレーションメディアの利点は、少人数のチームで運営ができることです。新聞や雑誌のようなメディアを運営しようと考えると、それがネット媒体であっても、大量の執筆者と編集者が必要になります。それぞれに人件費がかかることになります。

しかし、キュレーションメディアであれば、すでに掲載されている有用な記事を選んで掲載をするため、記事元の権利者との交渉や掲載料の支払いだけでメディアを構成することが可能です。

オリジナル記事ばかりのメディアを作るのはひとつの理想ですが、現実にはそれを可能にする予算と人材を確保するのは簡単なことではありません。キュレーションメディアであれば、場合によっては数人のチームでもメディアを作ることができます。

4.キュレーションメディアの課題

しかし、簡単にできるがゆえに問題も起こります。ひとつは権利者の許諾を得ずに勝手に転載してしまう無断転載の問題です。許諾を得て転載をした場合でも、以前のキュレーションメディアでは出典元を記載しない、あるいはわかりづらくして、あたかもすべての記事がオリジナル記事であるかのように装っているところもありました。

また、世間から問題にされていたのは、記事に誤りが含まれていたことです。キュレーションメディア側では、自分の記事ではないので訂正はできません。しかし、無断転載をされたメディアの方は、勝手にコピーされたものまで責任を取れというのは納得がいかないでしょう。本来は、キュレーションメディアが、記事の内容を吟味し、元記事の権利者に許諾を得て、内容に誤りがあった場合は記事を非公開にするなどの対処が必要となります。

また、記事数を増やすために、他のメディアの記事をほぼそっくり剽窃して、オリジナルの記事だとして掲載しているキュレーションメディアも問題になりました。キュレーションメディアは、オリジナルのメディアを作ることを考えると、小さな労力で運営ができます。これを「小さな労力でお金を稼げる」と考えた悪質なキュレーションメディアが杜撰な運営をしていました。

このような事件が多発したことにより、キュレーションメディアは下火になっていきました。


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5.AIキュレーションが新たなトレンドに

しかし、世界的にはキュレーションメディアは成長をしています。現在のトレンドは、記事を選ぶのを人が行うのではなく、人工知能とくに機械学習で選ぶ手法です。読者の嗜好を機械学習し、それに合った記事を配信することで、読者ひとりひとりに適切なニュースを提供するものです。この場合、読者によって表示される記事構成はまったく違ったものになり、自動的にパーソナライズされることになります。

このようなAIキュレーションの場合、ウェブなどに元記事を表示するのではなく、あくまでも元記事へのリンクのみで、読者が見出しをタップすると、元記事に飛ばすということができるので、無断転載の問題が起こりづらく(見出しだけの転載が著作権侵害になるかどうかについては議論があります)、世界中のニュース記事の中から選んでくることができます。

時事ニュースをアプリなどの形でAIキュレーションして提供するだけでなく、企業向けにAIキュレーション提供するサービスも登場しています。その企業が興味を持っている分野、例えば「スマホ決済 暗号資産 デジタル通貨」などのキーワードを登録しておけば、毎日、世界中のメディアから関連するニュース記事を集めてくるというものです。

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6.まとめ

キュレーションとは、すでに存在する情報を、テーマに沿って集め、整理をして、提供するサービスのことです。

人がキュレーションを行なっていた時代には、一部の杜撰な運営をするメディアが無断転載などの問題を起こしました。しかし、現在では人工知能がキュレーションを行うようになっています。消費者向けのサービスでも人工知能が使われるようになっていますが、企業向けの情報キュレーション事業が成長をしています。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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