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EdTech(エドテック)とは?ITがもたらす「新しい教育のかたち」
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EdTech(エドテック)とは?ITがもたらす「新しい教育のかたち」

既存市場とITの融合による新しい技術を意味する言葉「XTech(クロステック)」。その一つとして大きな期待を集めているのが「EdTech(エドテック)」です。

ここでは、EdTechの概念や注目を集める理由、市場規模や今後の展望までを解説します。また、その取り組みをリードする国内のEdTech事例も一緒に紹介します。

目次

1.EdTech(エドテック)とは?

1.1.エドテックとeラーニングの違い

2.EdTech(エドテック)の市場規模

3.なぜEdTech(エドテック)が注目されている?

3.1.学習管理のプロセスを効率化

3.2.好きな時間・場所で教育を受けられる

3.3.教育格差の解消につながる

3.4.グローバル人材の育成につながる

3.5.コロナ禍の影響


4.EdTech(エドテック)の実例

4.1.Asteria

4.2.proggate

4.3.DMM英会話

4.4.進研ゼミシリーズ

4.5.スタディプラス

4.6.Life is Tech

5.今後のEdTech(エドテック)の課題

5.1.日本ではまだ体制が整っていない

5.2.収益化が難しい


6.まとめ

1.EdTech(エドテック)とは?

EdTech(エドテック)とは、「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、IT技術を教育の分野に利用して新しい価値やイノベーションを起こす取り組みやサービスを示しています。インターネットを利用してオンラインで受講できる授業や学習管理コンテンツの提供は、EdTechによって生まれた代表的な取り組みの一つです。

1.1.エドテックとeラーニングの違い

eラーニングとは、パソコンを用いて学習コンテンツを配信し学習を管理する仕組みです。EdTechの先駆けと言えるもので2000年代から普及し始めましたが、教材の中にはオフラインで利用する学習ソフトなども含まれます。

大きなくくりで言えばEdTechの中に含まれるものと言えますが、EdTechはそこからさらに進化し、インターネットによる双方向のやりとりが可能なコンテンツが登場するなど大きな変革を遂げています。


2.EdTech(エドテック)の市場規模

野村総合研究所(NRI)のデータによれば、EdTechの国内での市場規模は2016年度で1,700億円となっており、2023年には3,000億円の市場となると予測しています。日本の民間の教育市場は2兆5,000億円以上あるとされていることから、今後さらなる市場の拡大が見込まれています。

参考:野村総合研究所「EdTech市場の現状と課題」

また世界に目を向けると、2018年度のEdTech市場は17兆円、2025年には約2倍の38兆円まで伸びるという予測もあります。

参考:日本貿易振興機構(JETRO)「EdTech市場」

この数字を見る限り、日本でのEdTechの普及は世界に比べて遅れを取っている状況だと言えます。そうした背景から経済産業省では、国内外のEdTechの最新情報を発信するポータルサイト「未来の教室 ~learning innovation~」を公開し、EdTechの普及を図っています。

新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン授業が広まったこともあり、今後はますますEdTechの存在が重要視されることが予想されます。


3.なぜEdTech(エドテック)が注目されている?

では、EdTechにより具体的にはどのようなメリットがもたらされるのか、4つのポイントに分けて見ていきましょう。

3.1.学習管理のプロセスを効率化

インターネットなどを通してWEBやアプリから学習を行うことにより、各個人の進捗、理解度合いといったデータが蓄積されます。これらのデータを有効に活用することで、個人ごとの学習状況や課題を可視化し、学習の進捗を効率的に管理することができるようになります。これらの仕組みはLMS(学習管理システム)と呼ばれており、教育現場における膨大な手間を解決する方法として注目されています。

3.2.好きな時間・場所で教育を受けられる

インターネット、デジタルデバイスを利用した学習環境の普及は、学習における時間、場所の制約を減らすものです。

通信制大学や教養講座などでは、新型コロナウイルスの感染拡大以前からオンライン授業、オンデマンド授業を取り入れていたところもありましたが、コロナ禍を経て今後はさらなる拡大が見込まれています。

3.3.教育格差の解消につながる

EdTechでは多くの場合、インターネットとデジタルデバイスがあれば学習環境を揃えることができます。そのため、居住地域や金銭的な理由による学習機会の不均等を解決し、教育格差の解消につながるものとして注目を集めています。

3.4.グローバル人材の育成につながる

インターネットを活用することで物理的な距離、時間といった制約が緩和できるため、世界中の人とのコミュニケーションを活発化させることができます。

早いうちから世界とつながる楽しみを感じることで、これからの時代に求められるグローバルな人材の育成につなげることもできます。

3.5.コロナ禍の影響

新型コロナウイルスの感染拡大により、対面の授業でなく、オンラインによる授業などが広がっており、そうした時代背景も、エドテックが注目される要因になっています。


4.dTech(エドテック)の実例

次に、国内で実際に提供されているEdTechサービスの代表的な事例をみていきましょう。

4.1.Asteria

教育サービス事業を展開するZ会の英語学習用サービスです。小中高生向けに英検の各級に対応した学習が提供されています。

AIによる個別指導で自分に合った問題が常に出題され、効率的に学習することができます。学習はタブレットを利用して完結でき、マンツーマンの添削指導やオンラインスピーキングによる学びも可能。月額での提供でサブスクリプション型となっています。

参考:Asteria(Z会)

4.2.progate

オンライン型のプログラミング学習サービスです。スライドによる学習に加え、ブラウザ上でコードを確認しながらプログラミングを実践的に学ぶこともできます。目指す方向性によりコース、レッスンを選択でき、基礎部分は無料で利用可能です。また、スマホやタブレット向けのアプリ版も用意されています。

参考:progate(progate)

4.3.DMM英会話

オンラインで学べる英会話サービスです。特徴は24時間365日いつでもレッスン可能なこと。英語、中国語、韓国語に対応しており、2021年1月7日時点で世界128ヵ国、6,500名以上の講師が在籍しています。初心者向けに日本人講師も在籍しているため利用しやすく、独自の教材やアプリなど周辺コンテンツも充実しています。

参考:DMM英会話(DMM)

4.4.進研ゼミシリーズ

小学生、中学生、高校生向けの教育サービスとして歴史のある進研ゼミでもEdTechの導入は進んでいます。タブレットを利用したオンライン講座や教材があり、専用のタブレット端末を受講者に配布することにより子供の不適切なインターネット利用を防ぐ配慮もされています。

また、個別の学習状況診断に加え、子供の学習状況を親がスマートフォンでチェックできる機能もあるなど充実しています。電子機器が苦手…という方にも、紙の教材とのハイブリッドコースがあるため安心です。

参考:進研ゼミ(ベネッセ)

4.5.スタディプラス

主に高校生をターゲットとした学習管理プラットフォームアプリです。2020年1月時点で累計利用者数は500万人を突破しており、大学受験生の40%が利用しているとされています。学習コンテンツそのものはもちろん、学習の記録と可視化、参考書のレビューや学習に役立つ情報の共有を行うためのSNS機能もあります。

参考:Studyplus(スタディプラス)

【関連記事】「「学ぶ喜びをすべての人へ」、ミッションを全員が共有し新たなステージへ」

4.6.Life is Tech

中学生・高校生向けのIT・プログラミング教育サービスです。キャンプ、スクール、オンライン、プロジェクトの各形態を持ち、2010年のスタートから2021年1月時点までで延べ4万6,000人がキャンプ・スクールに参加するなど、国内最大規模のサービスとなっています。

参考:Life is Tech(ライフイズテック)

【関連記事】「教育格差や偏差値教育などの教育の課題を、IT・プログラミング教育で解決」

そのほかにも、以下のような企業があり、EdTech(エドテック)の広がりが分かります。

「atama plus」--「AI先生によって弱点をその場で克服する「atama+」。教育で社会のど真ん中を変えていく」

「サイトビジット」--「独学で司法試験に合格した経験を生かし、法律に関わる全ての人をテクノロジーで支援」

5.今後のEdTech(エドテック)の課題

今後ますます市場が拡大することが見込まれるEdTechですが、拡大にあたっては課題もいくつかあります。


5.1.日本ではまだ体制が整っていない

利用者の環境面やEdTechへの理解、サービス提供を行う企業側の体制や技術が整っていないことが挙げられます。

まず利用者側では、Wi-Fiなどの通信ネットワークに加え、オンライン学習などで利用するのに便利なタブレット端末の普及率が問題となります。また、そもそもEdTechやITそのものへの興味や理解がまだまだ深まっていないことも課題となっています。

サービス提供側の企業としては、EdTechでのビジネスモデルの確立、EdTechでのイノベーションの実現、EdTechそのものについての理解を広めていくことが課題といえます。

5.2.収益化が難しい

ビジネスモデルがまだ確立していない上にサービスを利用してもらうことへのハードルも高く、収益化はまだ難しい状況にあります。この課題を解決すべく無料の体験コースを設けるサービスも多いですが、有料利用への誘導が次の難題となっています。

6.まとめ

IT技術の活用により教育の分野に新たな価値やサービスを生み出すEdTech。テクノロジーの利点を活かすことで、学習管理の効率化、場所や時間の制約の緩和、教育格差の解消、グローバル人材の育成など、さまざまな課題の解決につなげることができます。

次世代を担う子供たちを世界で活躍できるグローバルな人材に育てるためにも、EdTechによる技術革新は欠かせないもの。特に国内においてはまだブルーオーシャンといってもいい分野であり、教育の概念を変えるような画期的なサービスの誕生に大きな期待が集まっています。

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