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エッジAIとは何か?クラウドAIとの違いから特徴まで紹介
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エッジAIとは何か?クラウドAIとの違いから特徴まで紹介

IoTの普及が進むにつれ、それを支えるAI技術へのニーズが高まっています。しかし、従来のクラウドAIでは、通信速度の遅れやセキュリティ面での課題があり、その活用には不安もありました。

これらの問題を解消する手段として、近年では「エッジAI」が注目されています。この記事では、そもそもエッジAIとは何か、またクラウドAIとどう違うのかについて解説します。

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目次

1. 注目されるエッジAIとは

2.エッジAIとクラウドAIの違いは?

2.1. エッジAIの特徴

2.1.1.リアルタイムでの処理が可能

2.1.2.セキュリティの強化

2.1.3.コストの削減

2.1.4.クラウド上での分析精度の向上

2.2.クラウドAIの特徴

2.2.1.大規模データの高速処理が可能

2.2.2.複雑なデータ処理が可能

3.エッジAIには2種類ある

3.1.エッジデバイスで完結する独立型

3.2.クラウドとの併用型

4.エッジAIが活用される現場とは

4.1.顔認証システム

4.2.自動運転技術

4.3.産業用ロボット

5.エッジAIは今後どのように発展するか

6.まとめ

1.注目されるエッジAIとは

エッジAIとは、端末(エッジ)にAIを搭載し学習させる技術のことです。スマートフォンや自動車といった端末に搭載されたAIが直接情報を処理し、必要な情報をクラウドに送信します。特に近年では5Gの実用化にあたり、IoTの普及拡大が進んでいますが、それらを支える技術としてエッジAIが注目されています。

エッジAIは端末の近くにサーバーを分散配置しデータ処理するものですが、この技術を「エッジコンピューティング」と呼びます。エッジコンピューティングと5G、IoTとの関係については、以下の記事でも紹介していますのでぜひご参照ください。

「5G実用化で再注目! IoTを支えるエッジコンピューティング」


2.エッジAIとクラウドAIの違いは?

AIは従来、クラウドAIとも呼ばれ、クラウド環境にAIを実装するのが主流でした。ではクラウドAIとエッジAIにはそれぞれどのような特徴があるのか、ここで比較してみましょう。

2.1. エッジAIの特徴

端末に直接AIを搭載するエッジAIは端末内で情報を処理するため、必要なデータのみをクラウドに送信します。エッジAIには、次のような特徴があります。

2.1.1.リアルタイムでの処理が可能

端末内で情報を処理するため即時性が高いという特徴があります。クラウドAIは、データをネットワーク経由で送信し、クラウド上で処理したうえで端末に戻すというプロセスが必要となります。大量のデータを処理するとなると、どうしてもタイムラグが発生してしまいます。

一方、エッジAIでは最低限の情報のみクラウドへ送受信するため、高速応答性を求められる処理も対応可能となるのです。

2.1.2.セキュリティの強化

クラウドとの間で必要最小限の通信しか行わないエッジAIは、クラウドAIに比べセキュリティが高いといえます。情報処理が端末内で完結するため、ネットワークを介したサイバー攻撃を受けにくいからです。

さらに情報漏えいや不正アクセスなどのリスクも低いため、情報保護の観点においてはクラウドAIよりも優れているといえます。

2.1.3.コストの削減

エッジAIでは必要最小限の通信しか行わないため、クラウドAIよりもデータ通信量が圧倒的に少なくなります。そのため、通信コストや通信インフラを構築するためのコストを抑えることができます。

さらに情報漏えいや不正アクセスなどのリスクも低いため、情報保護の観点においてはクラウドAIよりも優れているといえます。

2.1.4.クラウド上での分析精度の向上

エッジAIとクラウドAIを組み合わせることで、クラウド上での分析精度を向上できます。エッジ側でデータ処理を行うことにより、生データを送信するよりもクラウド上での処理を効率よく行うことができるためです。エッジ側で処理を分担すればクラウド上ですべてのデータを処理するよりも負荷を軽減できるため、マシンパフォーマンスの低下を抑えることができます。

さらに情報漏えいや不正アクセスなどのリスクも低いため、情報保護の観点においてはクラウドAIよりも優れているといえます。


2.2.クラウドAIの特徴

エッジAIに対して、クラウドAIはデータセンターなどのクラウド上にAIを実装します。それによって次のような特徴があります。

2.2.1.大規模データの高速処理が可能

クラウドAIは、ネットワークを介して大量のデータを蓄積し、一度に高速で処理することができます。そのため、ビッグデータ分析のような大量の学習データを高速処理したい場合に向いています。

さらに情報漏えいや不正アクセスなどのリスクも低いため、情報保護の観点においてはクラウドAIよりも優れているといえます。

2.2.2.複雑なデータ処理が可能

エッジデバイスではCPUなどのリソースが限定的となり、複雑なデータ処理を行うにはパワー不足になりがちです。一方、クラウドAIではデータセンターにて潤沢なリソースによる処理が可能となります。そのため、クラウドAIのほうが複雑なデータ処理に向いているといえます。

3.エッジAIには2種類 ある

エッジAIには、エッジデバイスのみで完結するタイプとクラウドと併用するタイプの2種類が存在します。それぞれについてみてみましょう。

3.1.エッジデバイスで完結する独立型

エッジデバイスのみで完結する独立型は、クラウドにはアクセスしません。データセンターへの通信が行われないため、個々のデバイスがスタンドアロンで自立学習していくという特徴をもっています。代表的な活用例としては、産業用ロボットや工作機械などのような即時対応が求められるデバイスが挙げられます。

3.2.クラウドとの併用型

併用型は、エッジAIとクラウドAIのそれぞれの利点を活かしたタイプです。リアルタイム性が求められる処理はエッジAIが処理し、ディープラーニングのような膨大なデータを扱う際はクラウドAIが処理を行います。

例えば、スマートフォンやスマートスピーカーのようなIoTデバイスが挙げられます。


4.エッジAIが活用される現場とは

次に、エッジAIが活用される現場の事例について3つ紹介します。

4.1.顔認証システム

顔認証システムとは、カメラAIが顔の特徴を読み取り、データベースと照合して本人認証を行う技術です。最近ではスマートフォンのロック解除にも用いられていますが、ここではエッジAIが処理を高速化しスムーズな認証を実現しています。

4.2.自動運転技術

自動車の自動運転が実用化に向けて進化を続けていますが、その技術を支えるのがエッジAIです。他の車や歩行者、信号の色などを認識するために、画像認証システムが用いられていますが、これらの処理情報をクラウド環境に送っていては運転における判断が間に合わず大事故になりかねません。そのため、エッジAIによって即座に処理できるような開発が進められています。

4.3.産業用ロボット

工場などの産業用ロボットでもエッジAIは大きな役割を担っています。これまで手作業で行っていた作業や、決まった動きしかできなかったロボット作業も、エッジAIを実装することによりセンサーが対象物を判断し、リアルタイムな制御ができるようになります。より人の手がかからなくなるため工場の生産性の向上が期待でき、人間との共同作業もよりスムーズになることが見込まれます。


5.エッジAIは今後どのように発展するか

富士経済グループの市場調査によると、2018年度には約110億円だったエッジAIコンピューティング市場は、2030年度には664億円になると予測しています。またこの記事でも紹介したように、製造工場や物流倉庫などにおける産業機器においてはエッジAIによる機器制御や作業の最適化、技術継承の実証実験がますます盛んになるとされています。

一方、スマートデバイスを中心とした民生機器においては、産業機器よりもデバイス数が多いことから急速に発展していくことが予測されます。

6.まとめ

今回は、AI技術の一つである「エッジAI」について解説しました。

これからの数年間においては5GやIoTの急速な普及、拡大が見込まれていますが、それらを支える技術がエッジAIです。従来のクラウドAIのデメリットを補う特徴を持っており、それによって、不可能と言われていた技術も少しずつ実現化しています。

このように、エッジAIはこれからの私たちの毎日を大きく変える技術として期待されているのです。

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