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AIを災害対策に活用!降雨量の予測精度向上や地震時の道路判別システムなど
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AIを災害対策に活用!降雨量の予測精度向上や地震時の道路判別システムなど

2019.12.09

 
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2019年9月から10月にかけて、台風15号、19号、そして21号の影響による大雨が相次ぎ、各地に甚大な被害をもたらしました。地球温暖化などの影響により、世界中で気象災害が急増するなか、AIを災害対策に活用する動きがあります。

Misa

AIによる降雨量の予測精度向上で、
多目的ダムの運用効率化

株式会社ディー・エヌ・エーと日本工営株式会社、国立大学法人長岡技術科学大学、独立行政法人国立高等専門学校機構 長岡工業高等専門学校は、多目的ダムにおける利水運用の効率化のための研究結果を発表しました。

従来は、地上の雨量(地上に設置した観測機器を用いた降水観測の測定値)と、レーダーの雨量(気象レーダーで観測した広範囲の雨量)を組み合わせて、降水量分布を解析していました。この方法では、30分おきに過去1時間の雨量から算出されるため、速報性に欠け、ダム流入水量に誤差が生じることがありました。

今回の研究では、解析雨量を正確な値として見立て、レーダーによる雨量データをAIの画像解析技術で補正することで、広範囲かつ正確な降雨量データ(解析雨量と同程度の正確値)を5分単位で求めることができるそうです。その結果、ダム運用の効率化に貢献し、将来的に増電効果も見込めるということです。

【出典】AIを活用し、降雨量データの精度が向上/株式会社ディー・エヌ・エー

災害対策へのAI活用例

AIの機械学習は、スピード、精度などの点で一般のシミュレーションを超えるパフォーマンスを発揮します。災害の予測から災害発生後の分析、サービスなど、さまざまな局面での活用が進んでいます。



<災害予測・防災>
前項のAIによる降雨量の予測精度の向上により、ダムへの流水量がより早く正確に把握できれば、放流のタイミングを的確に決めることができます。下流域では、迅速に避難行動を起こすことができるようになります。シミュレーションと機械学習の融合で、気象災害発生の時期や規模をより高い精度で予測でき、事前の避難や効率的な避難準備作業が可能となります。治水やインフラ対策といった防災、減災にも役立つと考えられます。

<災害発生時の情報収集・整理>
2004年の新潟中越地震では、被災地の車両からカーナビのデータをインターネット経由で収集し、不通となった道路を判別するシステムが非常に有効であることが認められました。東日本大震災では、広域の被災状況の情報収集・共有にSNSの活用が有効であることがわかっています。過去の事例では、情報の整理・統合を人手に依存していましたが、現在、AIでそれを行う取り組みが進められています。

また、AIでドローンなどが取得した被災地域の画像情報を画像解析し、土砂崩れや火災延焼のリスクを調査することも可能になっています。専門家が現地に出向かなければ判断できなかった被災状況を、迅速かつ高精度に要約して把握できるシステムの構築が可能になると考えられています。

<被災時の多言語コミュニケーション>
インバウンド需要の高まりで外国人観光客が増えれば、訪日中に被災する可能性も出てきます。訪問先が都市部以外の地域にも広がっているため、全国的に対応すべき課題となっています。急務となるのが「災害情報の多言語化」です。AI技術で双方向多言語翻訳ができるサービスやアプリを活用することで、円滑な避難指示や意思疎通が可能となります。

日頃から命と生活を守る備えを

東日本大震災を教訓に、飲料水や非常食などの備蓄品、防災用品などの備えの必要性がいわれましたが、今年の台風上陸の直前、量販店で飲料水などを求めて長蛇の列ができる様子が報道されていました。私たちの中に、喉元過ぎれば熱さを忘れる傾向があることは否定できません。台風でも、地震でも、緊急時の備蓄品や避難情報は共通です。万が一を想定した準備が生活の一部にできるとよいと思います。

そして、緊急時に助け合えるのは遠くにいる家族ではなく、近くに住む他人です。避難時に声をかけあったり、不在を気にかけてもらえたりするよう、近隣とコミュニケーションをとっておくことが、人間としてできることであり、大切なことです。

原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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