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失敗LT大会。ルーキーエンジニアが「あるある」失敗をライトニングトークで10連発イベント【前編】
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失敗LT大会。ルーキーエンジニアが「あるある」失敗をライトニングトークで10連発イベント【前編】

2019.09.11

 
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2019年7月10日、東京・渋谷のTECH PLAY SHIBUYAにおいて、「ルーキーエンジニアが吠える!失敗LT大会」という珍しいイベントが開催された。主催はTECH PLAY、アイスタイルが協賛した。

エンジニアが成功例を披露するイベントは山ほどある。「イベント登壇するような人はやっぱりすごいエンジニアなんだな」と思っている人も多いだろう。そんなことはありません。成功するエンジニアほどたくさんの小さな失敗をしているものなのだ。

このイベントは、10人のルーキーエンジニアが、自分の失敗を6分間のLT(ライトニングトーク)で発表して、失敗経験をシェアしようというもの。学べるところは多く、なにより、過去の失敗は、心置きなく笑える。経験と笑いの両方を同時に共有できるというイベントだ。リアルな成長をするには、リアルな失敗を知ることが重要だというのがテーマだ。

平日の夜にも関わらず、60人以上が参加をした。前編では、前半の5人のLTをご紹介する。

1)児玉悠氏(メルペイ):チーム立ち上げのススメ

児玉氏は、2017年にメルカリに新卒入社したエンジニア。社内で機械学習系のエンジニアチームを立ち上げたが、入社して間もなく、自分自身もエンジニアとしてまだまだ未熟な状態の中でのことだった。

張り切りすぎて、学会発表やイベント登壇などの業務を詰めすぎてしまい、肝心のプロダクト開発がなかなか進まず、本人がパンク気味になってしまったという失敗を経験している。

それでも、チーム立ち上げはいい経験になったという。2018年にはメルペイ後払い与信モデルプロジェクトのチームを立ち上げた。この時は、前回の失敗があったので、自分が成長していたことを発見できたという。「カオス耐性がついたために強くなっていた」「チームの開発体制も、スクラム開発などを導入した」「採用系のタスクもこなした」など、2回目のチーム立ち上げでは成功だった。



チームを立ち上げるというのは、ゼロからチームを作るワクワク感があり、限られた人数でプロジェクトを回すので、採用、外部発表、チームビルディングなどの重要な仕事をしなければならず、それが自分の大きな経験値になっていく。

開発のみに集中したいという人には向かないかもしれないが、リードエンジニアを目指す人であれば、チームを立ち上げる経験、そしてチームの立ち上げで失敗する経験をしておくことをお勧めするという。

2)浦辺隼介氏(アイスタイル):気づいたら自分が一緒に仕事したくない「イケテイナイエンジニア」そのものになりかけていた

浦辺氏は2017年にアイスタイルに新卒入社したエンジニア。ルーキーエンジニアは3つの失敗を犯しがちだという。「1)アラートをあげるのが遅くなりがち」「2)扱ったことがない技術を使うプロダクトの見積もりが苦手」「3)見積もりはできても、スケジュール通りに開発が進まない」だ。

浦辺氏も同じ失敗をしている。自分の経験を積むため、上司に頼んで、クレジットカード決済機能の改修開発で社内留学させてもらった時のこと。自分で設定したスケジュール通りに開発を進めることができず、しかもアラートをあげるのが遅くなってしまった。結局、先輩に後始末をしてもらうことになったが、もう一歩で事業部に謝罪に行かなければならない大事故になったという。



失敗はまだある。2日後に退社をするエンジニアの仕事を引き継いだ。期間が短い中だったが、たいして難しくない引き継ぎだと甘く考えたため、そのエンジニアの退社日になっても、まだ詰まっていた。退社間際時刻になってようやくアラートをあげる。また、先輩社員に後始末をしてもらうことに。

問題は「思考・作業・報連相」のプロセスが未熟だったことだという。好奇心からいろいろな業務に手を出してしまう。そのことは悪いことではないが、チームで開発するという中で優先順位のつけ方が自分よりのものになってしまっていた。さらに、完成されたアウトプットこそ正義だと思い込みすぎていたため、自分の力量を客観視せずに、一人でなんとかしようとしすぎていた。

このままだと、チームに迷惑をかけ、一緒に働きたくないと思われる「イケテナイエンジニア」になってしまうと感じた浦辺氏は、報連相、レビュワー/レビュイー観点を意識するなどチーム内でのコミュニケーションの取り方を考え直すことに。

まず、自分がどこがイケテナイエンジニアであるのかを自覚し、イケテナイ原因をときにはヒアリングなどを通して明確にし、そこを起点に自分の成長とチームの課題を考えていくことが重要だという教訓を得た。
浦辺氏はそれ以来、「20分悩んでわからなかったら誰かに聞く」「タスクを1時間ごとに区切り、進捗をセルフ報告。1日の終わりにもセルフ報告」「PRを投げる際のチェック観点の作成」を実行している。
また、今後は自分からも、チームに対し「チームが働きやすくなる環境づくり」のための呼びかけができる立場になれるように努める、とのことだ。



3)堀田純平氏(フリージャーナリスト):LLoTnightのリベンジ

堀田氏は、フリージャーナリスト。大学1年生の頃に、あるLTイベントで登壇したが、大失敗をしたという。

大学1年の頃、TECH PLAYのイベントランキングを見ていて、Lightweight Language of Things(LLoT)を発見した。これはWikipediaのような軽量プログラミング言語をテーマにしたカンファレンスだった。その中に「帰ってきたデモ自慢」というコーナーがあることを発見。堀田氏は当時、図書館の貸出状況、予約状況をGoogleカレンダーで管理できるLiblendrsv(リブレ)を開発していたので、このデモ自慢に応募をした。

ところが実際の発表はグダグダの大失敗だった。それもそのはず。準備不足すぎた。発表日直前まで開発をする。発表数時間前からスライド作成。デモの接続テストもやっていなかった。



LT失敗という黒歴史を自分の中で払拭をするために、今度は海外系のカンファレンスに挑戦をした。2019年4月にSleniumu Conf Tokyo 2019に応募。前回の失敗があったため、今度は準備を怠らず成功することができた。発表時に笑うべきところで会場が爆笑をし、発表後に2社の方と名刺交換、さまざまな方から「面白かった」というフィードバックをもらうことができた。

堀田氏が得た教訓は「成功は偶然だが、失敗は必然」というものだ。発表は準備を怠らなければ失敗することを防ぐことができるが、一度小さな失敗をしないと、その重要さがなかなか実感できない。失敗した経験を持って、それを笑い飛ばせるようになっているぐらいがいちばんいいということだ。



4)西原慎也氏(ピアラ):GCPでいい感じにしてたら請求が跳ね上がっちゃった

西原氏は、2016年にピアラに新卒入社し、Google Cloud Platform(GCP)を活用して、レガシーシステムをコンテナ化する開発を行っている。その成果は目覚ましかった。半年間でGCPのコストを60%も削減することに成功した。特にオーケストレーションシステムKubernetesにより再構築してからは、GCPの利用コストが目覚ましく下がっていった。
その業務の一環で、GCPのドキュメントを読みながら、モニタリングデータを取得する機能を追加した。問題なくGCPと連携もでき、週末でもあったもので、そのまま帰宅した。ところが週が明けてみると、GCPの料金が通常の10倍に跳ね上がっていた。ドキュメントをよく読むと、モニタリングデータの取得データ量に応じて料金が課せられる仕組みだったのだ。深く考えずに、デフォルト設定のままにしたことが失敗の原因だった。

慌てて、取得するデータから重複するものを排除する仕組みを追加した。データの項目数、取得頻度ともに減らし、トータルでのデータ量を1/700にした。これで通常の料金レベルに戻った。もし、気付かずに1ヶ月放置したら、月に120万円の使用料を取られるところだったという。

原因は、GCPのドキュメントに課金に関する記述がなかったこともあるが、小さなプロジェクトなので、多少料金が増えても大した額ではないという先入観があったという。教訓は「デフォルトのままダメ、ゼッタイ」ということだという。



5)白田光氏(アイスタイル):アイスタイルの強い人に囲まれて1年が過ぎた

白田氏は、アイスタイル入社2年目になるエンジニア。アイスタイルには「強い人」がたくさんいるという。そういう人に影響されて、勉強会、イベントにも参加するようになり、自分でも知っている技術が飛躍的に増えたと感じている。しかし、「知っていることは増えたのに、できることは?」という疑問にかられたという。興味の幅も広すぎて、知識もありすぎて、何をしたらいいかがかえってわからなくなるという状態になってしまった。



そこで白田氏が考えたのが、睡眠時間を削って、活動時間を増やすということだ。白田氏は、ショートスリーパーになろうとした。「45時間活動して3時間寝るを2週間やり切るとショートスリーパーになれる」という先輩社員の怪しげな説を信じ込んだ白田氏は実行してみた。以前からやりたかった競技プログラミングに手を付け、寝落ちするまで活動するということを繰り返した。すると、睡眠時間は7時間から5時間に減少。

ただ、やはり睡眠時間を削る方法は自分にはあまり合っていないと感じた。そこで、ショートスリーパーになるのではなく、アイスタイルのTECH BLOGで記事を書いたり、 Github Gistに書いたコードを載せたりと、後で振り返って見れるものを残す等のアウトプットを増やすことにした。すると、インプットを形にできたことで、漠然とした不安が減り、自信がついたという。

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後編に続く》

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