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中国のITエンジニアは、なぜいつもウインドブレーカーを着ているのか!?--なぜか世界共通、本当は「モテ」かもしれないエンジニアの
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中国のITエンジニアは、なぜいつもウインドブレーカーを着ているのか!?--なぜか世界共通、本当は「モテ」かもしれないエンジニアの"非モテ自慢"

2019.08.26

 
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中国のITエンジニアにもある、
自虐ネタを話題にして自分たちで笑う感覚

不思議なことにエンジニアの感覚は、世界共通のようだ。中国のITエンジニアたちは、「自分たちがモテない」「ファッションセンスがない」「世間に疎い」という自虐ネタをたびたび話題にして、自分たちで笑うような感覚がある。

実際のITエンジニアたちは、中国の中では高給取りであり、結婚相手としての人気は高い。それでも「忙しすぎてデートの時間すらない」「世間知らずなので女性を楽しませる遊びを知らない」といって、エンジニア自身は「モテない」とぼやく。それを面白がって楽しんでいるようなところがある。

最近では、アリババの27歳のITエンジニアが、デートで振られたが、その理由がよくわからないと彼女とのWeChatのやり取りを公開したことが話題になっている。

デートが終わって、次は映画を観に行こうと誘うと、「次はない」とフラれる。僕のどこがダメなの? と尋ねると、「たくさんある」と容赦ない。その中でも、「27歳にもなる男性が、デートの時に特歩のスニーカーを履いてくるのはどうかと思う」と言われる。特歩は中国のスポーツメーカーだが、デザインが派手というか、中学生の男の子が好みそうな感覚なのだ。女性としては、デートなのだから、せめてジャケット系のカジュアルフォーマルな格好をしてきてほしかったのだろう。「あれは中学生とかが履くものでしょ?」と責められても、そのITエンジニアは「え?え?いつも仕事に行く時に履いているけど?特歩はダメなの?」とまるでわかっていない様子。最後に女性は、ご馳走になった食事代の半分をWeChatペイで送金をしてきた。



(ウェイボーに投稿された、アリババの27歳のITエンジニアがデート相手にフラれた話。原因は、子どもっぽいデザインのスニーカーを履いていったことだった。エンジニアの間では「あるある話」として話題になった)

普通の人は「そりゃ、フラれるよね」とコメントをつけているが、なぜかエンジニアたちは揃いも揃って「特歩でデートに履いて行ってはいけなかったのか」と驚いている。これが中国のエンジニアたちの感覚だ。



(問題となった特歩のスニーカー。性能面では定評はあるが、デザインがやや子どもっぽいところから、中学生や高校生の男子から人気があるブランド。これをデートに履いていったらフラれてしまったという)

チェック柄のシャツとウインドブレーカー(アウトドアジャケット)がトレードマーク

中国のITエンジニアたちは、特歩のスニーカーだけでなく、チェック柄のシャツとウインドブレーカー(アウトドアジャケット)がトレードマークのようになっている。確かに、北京の地下鉄4号線や13号線に乗ると、ウインドブレーカーを着ている男性の率がかなり高くなる。沿線には多くのIT企業があるからだ。

「なぜ中国のITエンジニアはウインドブレーカーを好むのか」。このテーマは、中国のQ&Aサイト「知乎」によく投稿される。ブロガーの西二旗生活指北が、このようなQ&Aをまとめている。なお、このQ&Aは真面目なものではなく、あくまでもITエンジニアたちのお遊びだ。

「なぜ中国のITエンジニアは
ウインドブレーカーを好むのか」

理由1:服を選ぶのが煩わしい

夏であればシャツ1枚で出勤することができる。それ以外の季節は、外の天気を確かめることなく、とりあえずウインドブレーカーを着ていけばいいので楽なのだという。思ったより寒ければ、フードを出して、会社まで耐えればいい。暑ければ脱いでたたんで、バックパックの中にしまってしまえばいい。天気に関係なく、これ1枚で通勤できるので便利なのだ。

理由2:冬の寒さに対応できる

北京のような中国北部の冬の寒さは厳しい。それでも体の寒さは耐えようがある。小走りをする、足踏みをすることで和らげることができるし、建物や地下街の中に入れば寒さから逃げることができる。ところが、一瞬たりとも耐えきれないのが、耳だ。「冬の寒さは耳をもぎ取る」と言われ、「餃子は寒さでもぎ取られた耳だ」というジョークもあるほど。そのため、冬はフードがついている服が必須で、この点でもウインドブレーカーが適している。

理由3:洗濯をする必要がない

ウインドブレーカーの多くは、撥水加工がされているので、洗濯をしてしまうとコーティングが落ちてしまう。そのため、こまめに汚れを拭う手入れをするのが基本だ。しかし、なぜかITエンジニアたちは、これを曲解して「洗濯してはならない」と言い張っている。その代償は、なんとも言えないニオイを放つようになることだ。どんなニオイかを知りたければ、北京の地下鉄13号線に乗ってみればいい(沿線にIT企業が多い)とブロガーの西二旗生活指北は言っている。

理由4:ITエンジニアはショッピングモールが嫌い

ITエンジニアはショッピングモールが嫌いだ。人が多いということもあるが、様々な店舗がランダムに配置されているため、頭が混乱するのだ。せめてゾーン別に配置をするか、できれば一定のアルゴリズムに従って配置をして、買い物をするための歩行経路を最適化できるようにしてほしい。

そういう理由で、ITエンジニアはショッピングモールには近寄らない。結局、服もECで購入することになる。この時、ウインドブレーカーは、多少サイズが違っても着ることができ、選ぶのは色ぐらい。最小限の労力で服を手に入れることができることからウインドブレーカーが好まれる。

理由5:恋愛に振り回されない

ITエンジニアは独身でなければならないし、恋人がいてもならない(と西二旗生活指北は主張する)。ウインドブレーカーは撥水加工が施されているので、液体をこぼしても、拭けばきれいになる。恋人に抱きつかれて泣かれるような状況があっても、拭けば涙のあとはきれいに消える。ITエンジニアは、恋愛感情に振り回されて、プログラミングの妨げになるようなことを好まない(と西二旗生活指北は主張する)。

理由6:価格に大きな差がある

ウインドブレーカーは性能によって価格が大きく違う。高価なものでは1万元(約16万円)するようなものもある。しかし、それはいわゆるブランド代ではなく、防寒性能や暴風性能といった機能が優れているからだ。ITエンジニアはブランド代といった理解不能なものにはお金は出さないが、機能にはお金を出す。

また、高いウインドブレーカーも安いウインドブレーカーも違いは機能であり、見た目はさほど変わらないので、安いウインドブレーカーを着ていても、高価なウインドブレーカーを着ているフリができる。

理由7:男性用のカジュアルウェアの種類が多くない

中国には女性用については、さまざまなブランドやファストファッションなどが入っているが、男性用はあまり多くない。特に、ジーンズにジャケットのようなカジュアルフォーマルのブランドが極端に少ない。そのため、米国や日本のITエンジニアのような格好がしづらいのだ。ジャケットというよりも、昔風の背広っぽいデザインのものしかないため、うっかりジャケットを着て出勤すると、入り口で保険の販売員だと勘違いされて、守衛に止められてしまうという。

理由8:みんなが着ているから

ウインドブレーカーは、すでに中国のITエンジニアの制服のようにすらなっている。チェック柄のシャツ、ジーンズ、Tシャツなどもそうだ。また、中国人は仲間の間で同じ服を着る傾向がある。日本のITエンジニアがみんなでTシャツやポロシャツを作り、仲間意識を高めるのと同じ感覚だ。そのため、周りがウインドブレーカーを着ているので、自分もウインドブレーカーを着て、帰属意識を確認している人が多いという。

当たり前の話だが、本当にITエンジニアの全員がいつもウインドブレーカーを着ているわけではない。理由も真面目なものではなく、ジョークの類だ。中国のITエンジニアたちは、こうやって自虐的なネタをネットで交換することで、楽しんでいる。この感覚は、日本でも米国でも共通するものがあるのではないだろうか。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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