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シンギュラリティとは!? 1,000ドルのコンピュータが全人類の脳の計算性能を上回る「2045年問題」を考える
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シンギュラリティとは!? 1,000ドルのコンピュータが全人類の脳の計算性能を上回る「2045年問題」を考える

2019.07.19

 
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シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉の意味を知っていても、SFか夢物語のように感じている方も多いでしょう。しかし、AIの進化や社会に浸透するスピードを体感する昨今、ありえないことではないとも感じています。シンギュラリティとは何かを考えてみましょう。

Misa

シンギュラリティ(技術的特異点)
とは何か

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能(AI)が発達し、人間の知性を超えることで起こる変化を表す概念です。人工知能研究の世界的権威であり、発明家、未来学者でもあるアメリカのレイ・カーツワイル博士が未来予測の一環として提唱しました。カーツワイル博士の未来予測では、人工知能そのものが自らを規定するプログラムを改良するようになり、永続的に指数関数的な進化を遂げるとされています。「指数関数的な進化」とは、進化が進めば進むほどさらに加速していくことを、累乗の指数が変数となる指数関数にたとえた表現です。人類に代わって、人工知能があらゆる発明や進歩を牽引しはじめる時点を、シンギュラリティ(技術的特異点)としています。そうなった段階で、人類にはそれ以降の進歩を予測することができなくなるともいわれています。

シンギュラリティと2045年問題

シンギュラリティの背景には、自律的に動く機械的知性(人工知能)が創造され、自らのバージョンアップを繰り返し、人間の想像力が及ばない水準の優秀な知性(スーパーインテリジェンス)が誕生するという仮説があります。その前提となるのが「汎用人工知能」あるいは「強いAI」と言われるものです。現在、普及しはじめている人工知能が特定範囲に留まる「特化型人工知能」というべきものであるのに対し、「汎用人工知能」は、汎用性、自律性をもつ人工知能の総称です。「強いAI」は人間の知能に迫る、人間の仕事をすべてこなせる、幅広い知識と何らかの自意識を持つなどができるAIとして定義され、現在の限定的な能力しかもたない「弱いAI」と対比されます。

カーツワイル博士は、シンギュラリティ(技術的特異点)を「人工知能の能力が人間を超える時点」ではなく、「1,000ドルで手に入るコンピュータの性能が全人類の脳の計算性能を上回る時点」として定義しています。 (参考:ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき(The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology))

コンピュータやソフトウェア開発の歴史や傾向などを踏まえ、シンギュラリティは2045年という予測が出されました。また、カーツワイル博士は、2016年には「2029年頃にはコンピュータが人間の知性レベルに達する、もしくは凌駕する」と発言していますが、論理的な知性ではなく、人を笑わせる、感情を表現するといった能力において、コンピュータが人間に追いつくということだそうです。ただし、カーツワイル博士に代表される肯定派に対して、シンギュラリティの実現性を疑う意見もあります。



シンギュラリティが起こるとどうなる?

かつて、スティーヴン・ホーキング博士は「人工知能の進化は人類の終焉を意味する」と強く危惧していました。しかし、カーツワイル博士は、シンギュラリティにおけるもっとも重要な特徴に「人間性の増強」を挙げ、技術と人類が対立する可能性を明確に否定しています。「シンギュラリティが起きたらどうなる?」といった論説やコラムは数多く発表されており、解決困難な問題を速やかに解決できる可能性や、機械や技術で代替できる職種がなくなるなど、さまざまな予想があふれています。その行きつく先が「人類には予測不可能な世界」であることが不安につながる部分もあるようです。それを反映してか、人類にとって理想的な形でシンギュラリティを迎える方法などの研究も進められています。

シンギュラリティは幻想という意見もありますが、人類の進化や未来を考えるための指標としてみると非常におもしろい考え方ができると思います。

原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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