
「エンジニアあるある」第29回
エンジニアは、質問に対する説明が丁寧でうまい。しかし、聴き方に問題があれば、専門用語を連発するようになる。
エンジニアの方の”あるかもしれない”日常風景をデフォルメしてコメディタッチに描く本連載「エンジニアあるある」。さて、今回はどんな風景なのでしょうか...
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よく「エンジニアは説明下手、コミュニケーションが苦手」と言う人がいますが、これは大きな誤解です。エンジニアは基本的に地頭がよく、話し方も論理的で、説明は丁寧で上手い人が多いのです。
しかし、問題は「相手が何を理解したがっているか」に無頓着であることです。
例えば、普通の人が「そのスマホ、サクサク動く?」と尋ねると、エンジニアはまずハード面とソフト面に分けて、ハード面ではチップ性能、ソフト面ではOSの構成を親切に一から説明しようとします。しかし、聞いた方の非エンジニアはそんなことは期待していません。ただ「いいよ」「イマイチ」のいずれかの答えが欲しいだけなのです。理解したいのではなく、「ウチのエンジニアもそう言っている」という事実が欲しいだけだったりします。
この場合、「そのスマホの動作速度、エンジニアから見てどう評価する? いい? イマイチ?」と、聞きたいことを明確にして、しかも最後に回答の選択肢をつけると完璧です。もし、エンジニアの説明が専門用語だらけの念仏にように聞こえる時は、あなたの聴き方に問題があったのだと考えてください。

(イラスト:ConChan)
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※「エンジニアあるある」バックナンバーは以下からご覧ください。
- 「1時間の単純作業を5分で終わらせるプログラミングに8時間かける。」
- 「全角スペースと全角の「1」を異常なまでに敵視している。」
- 「自分で書いたコードがなぜ動かないのか理解できないが、うまくいくと、今度はなぜ動くのかが理解できない。」
- 「時折、大きな声の独り言を言って、自分の声帯がアベイラブルかどうかを確認する。」
- 「機械は擬人化して、「この子」と呼び、性格まで把握しているが、同僚のことはオブジェクト化して見ている。」
- 「「サーバー」か「サーバ」かの話で、焼酎3杯は飲める。」
- 「映画の中でハッカーが登場すると、いちいちケチをつける。」
- 「最初は変数名を英語でつけていたのに、途中からローマ字表記になる。」
- 「ネット通販で変わったガジェット見つけるとすぐに買ってしまうが、翌日配送された時には冷めていて、開封するのも億劫になる。」
- 「記憶がないのに、作業が進んでいることがある。」
- 「意味はなくても、季節の変わり目にデフラグをかけ、プロセス画面をじっと見つめてしまう。」
- 「家電が故障すると、直せないとわかっていても中を開けてみる。」
- 「休みの日に出かけても、自然と家電量販店に吸い込まれる。」
- 「あまり健康には興味はないけど、AppleWatchを買ったらジョギングを始める。」
- 「すぐ隣の席なのに、Slackで雑談をしてくる。」
- 「昼食のメニューを決めていて、いつも同じものを食べる。そのメニューが売り切れだったりするとフリーズしてしまう。」
- 「年下年上限らずに敬語(ですます)で話すのに、エンジニア同士ではタメ口。」
- 「社内や取引先の人々を、自分がよく知っているアイドルグループやアニメの登場人物に当てはめて理解しようとする。」
- 「普段はモノを優しく扱うが、会心のコードが書けた時だけ、ビルド実行のエンターキーを強打する。」
- 「会社の外ではプログラマやエンジニアではなく、会社員と名乗る。」
- 「Dを「デー」と読むのが日常の癖になっていて、「デズニーランド」と言ってしまう。」
- 「家族旅行で、どこの観光地を見て回るかを話し合っているうちに、なぜかフローチャートが出来上がっている。」
- 「ソースコードに付けられたコメントを読んでいるうちに、顔も知らないその人に親近感を感じてしまう。」
- 「ぜんぜん逆でもないのに、「逆に言うと」と言ってしまう。」
- 「ループ変数はとりあえずiを使い、足りなくなるとj、kと使うが、さらに足りないとlを使おうとしてなんとなくヤバイ感じがして、iiを使う。」
- 「プログラマーの数を倍にしても納期が半分になるわけではない。逆に、プログラマーの数を半分にしても、奇跡的に完成する場合もある!?」
- 「納期は10月と言ったとき、エンジニアの多くは10月31日23時59分59秒までを想定する。」
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