
「エンジニアあるある」第24回
ソースコードに付けられたコメントを読んでいるうちに、顔も知らないその人に親近感を感じてしまう。
エンジニアの方の”あるかもしれない”日常風景をデフォルメしてコメディタッチに描く本連載「エンジニアあるある」。さて、今回はどんな風景なのでしょうか...
☆☆☆☆☆☆
システムエンジニアは、いつもゼロから新しいプログラムを書いているわけではありません。既存のソースコードを見て、それに機能追加する仕事も多いのです。この時やっかいなのが、既存のソースコードを理解することです。ソースコードを読むだけではなかなか理解が難しく、前任者が書いたコメントを頼りに理解していくことになります。
本来、コメントはソースコードで使われているアルゴリズムなどを説明する注釈なのですが、どうしてもエンジニアの個性が表れてしまいます。多いのが自虐的なコメントです。「もうだめだ…」という意味深な一言、「自分でもなんで動くのかわからない」「とりあえず動いているので、いじらないで!」「課長が自分でやればいいのに」など、同じエンジニアであれば、前任者が置かれていた状況が眼にありありと浮かぶようなコメントがついていたりします。
前任者の置かれていた状況と自分の置かれている状況が時空を超えてシンクロした時、コメントを通じて、心が触れ合ってしまうことがあります。顔も知らない前任者に尊敬の念を持ったり、戦友のような感覚を持ったり、時には同性、異性に限らず恋をしてしまうことがあるのです。

(イラスト:ConChan)
-----------------------------------------------------------------------------
※「エンジニアあるある」バックナンバーは以下からご覧ください。
- 「1時間の単純作業を5分で終わらせるプログラミングに8時間かける。」
- 「全角スペースと全角の「1」を異常なまでに敵視している。」
- 「自分で書いたコードがなぜ動かないのか理解できないが、うまくいくと、今度はなぜ動くのかが理解できない。」
- 「時折、大きな声の独り言を言って、自分の声帯がアベイラブルかどうかを確認する。」
- 「機械は擬人化して、「この子」と呼び、性格まで把握しているが、同僚のことはオブジェクト化して見ている。」
- 「「サーバー」か「サーバ」かの話で、焼酎3杯は飲める。」
- 「映画の中でハッカーが登場すると、いちいちケチをつける。」
- 「最初は変数名を英語でつけていたのに、途中からローマ字表記になる。」
- 「ネット通販で変わったガジェット見つけるとすぐに買ってしまうが、翌日配送された時には冷めていて、開封するのも億劫になる。」
- 「記憶がないのに、作業が進んでいることがある。」
- 「意味はなくても、季節の変わり目にデフラグをかけ、プロセス画面をじっと見つめてしまう。」
- 「家電が故障すると、直せないとわかっていても中を開けてみる。」
- 「休みの日に出かけても、自然と家電量販店に吸い込まれる。」
- 「あまり健康には興味はないけど、AppleWatchを買ったらジョギングを始める。」
- 「すぐ隣の席なのに、Slackで雑談をしてくる。」
- 「昼食のメニューを決めていて、いつも同じものを食べる。そのメニューが売り切れだったりするとフリーズしてしまう。」
- 「年下年上限らずに敬語(ですます)で話すのに、エンジニア同士ではタメ口。」
- 「社内や取引先の人々を、自分がよく知っているアイドルグループやアニメの登場人物に当てはめて理解しようとする。」
- 「普段はモノを優しく扱うが、会心のコードが書けた時だけ、ビルド実行のエンターキーを強打する。」
- 「会社の外ではプログラマやエンジニアではなく、会社員と名乗る。」
- 「Dを「デー」と読むのが日常の癖になっていて、「デズニーランド」と言ってしまう。」
- 「家族旅行で、どこの観光地を見て回るかを話し合っているうちに、なぜかフローチャートが出来上がっている。」
-----------------------------------------------------------------------------