
「エンジニアあるある」第14回
休みの日に出かけても、自然と家電量販店に吸い込まれる。
エンジニアの方の”あるかもしれない”日常風景をデフォルメしてコメディタッチに描く本連載「エンジニアあるある」。さて、今回はどんな風景なのでしょうか...
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エンジニアは仕事が大好きです。エンジニアリングというのは一種の職人技で、覚える元手がかかっています。エンジニアは、エンジニアリング以外のものにはあえてなるべく触れないようにして、エンジニアリングの勉強にいそしんできた人が多いのです。範囲は必ずしも広くないこともありますが、とても深い知の世界に生きているのです。
ですから、エンジニアは休日が苦手な人が多いのです。仕事を忘れて遊びなさいと言われても、何をしたらいいかわからないケースもあります。たまには街を歩いて刺激を受けなさいと言われても、繁華街では何をしていいか分からなくなることもしばしばです。
結局、気がついてみると、水が水たまりに流れていくように、エンジニアは家電量販店に自然に流れ込んでいくのです。そして、家電製品や電子製品のパンフレットを見たり、商品棚のスペック表をじっと眺めていたりする。あるいは展示品の可動部分を開けたり閉めたり、スイッチをカチャカチャ言わしたりします。買うために感触を試しているわけではありません。可動部分を発見すると、設計通りに動作するかどうか試験をしなければ気が済まないのです。

エンジニアと一緒にショッピングモールに行ってはぐれたとしたとしたら、電話をするよりも、家電量販店か100円均一ショップのいずれかに行ってみてください。だいたいそこにいます。そこにいなかったら、モールが提供するWi-Fi信号がいちばん強い場所に行ってみてください。その近くのベンチに座っているはずです。
(イラスト:ConChan)
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※「エンジニアあるある」バックナンバーは以下からご覧ください。
- 「1時間の単純作業を5分で終わらせるプログラミングに8時間かける。」
- 「全角スペースと全角の「1」を異常なまでに敵視している。」
- 「自分で書いたコードがなぜ動かないのか理解できないが、うまくいくと、今度はなぜ動くのかが理解できない。」
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- 「記憶がないのに、作業が進んでいることがある。」
- 「意味はなくても、季節の変わり目にデフラグをかけ、プロセス画面をじっと見つめてしまう。」
- 「家電が故障すると、直せないとわかっていても中を開けてみる。」
- 「休みの日に出かけても、自然と家電量販店に吸い込まれる。」
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