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ITエンジニアからITコンサルタントへ!顧客に支持されるIT人材になるには 第3回
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ITエンジニアからITコンサルタントへ!
顧客に支持されるIT人材になるには 第3回

2018.12.05

 
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前回(第2回)は、お客さまとの信頼関係レベルを高めるためにわたしが意識してきたことについてお話をしました。最終回となる今回は、替えの効かないコンサルタントになるために皆さんに意識してほしい3つのポイントについてお話したいと思います。

猪目大輔

コミュニケーションの
反射神経を研ぎ澄ます

「返事がないのも返事である」。コミュニケーションの反射神経を研ぎ澄ましていくと、今まで見えてこなかった、気づけていなかったことが掴めるようになります。

コンサルタントになってから、コミュニケーション感度はずいぶん鍛えられたと思います。コンサルタントは、メール、電話、ミーティングでのやり取り1つ1つがお客さまにしっかりと見られています。

コミュニケーションの反射神経を磨くために、わたしの場合はとにかく相手の側に立って考えることを意識しました。自分とバックグラウンドや年齢が全く異なる相手でもとにかく“相手の立場になり切ってみる習慣をつける”ことが大切だと思います。

これを続けていくと、ある時点から相手の考えや自分に対する信頼度合いがすっと入ってくる瞬間があります。

それらを踏まえ先回りして行動を取ることがお客さまとの信頼関係を高める上ではとても重要なスキルになります。コミュニケーション感度が弱いと、コンサルタントとして一定レベルから上に行くことは難しいので、まずは相手を観察する習慣をつけること、コミュニケーション手法の使い分け、素早い対応、この3点を意識していくとよいと思います。

全体を俯瞰する、未来から逆算する

コンサルタントしてお客さまに提供すべき価値とは、お客さまが見えていない、気づけていない課題を見える化し、方向性を示し、解決へと導くことです。

わたしはお客さまにより有益なアドバイスをするために、俯瞰視点で考えること、未来から逆算して考えること、を意識しています。



俯瞰力とは物事の全体像を捉える力のことです。例えば、自分が担当しているプロジェクトが大規模システムの中の1つのサブシステムだとしてもシステム全体の人、情報、業務の流れを大まかに掴んだ上で自分の仕事をするのと、全く意識せずに仕事をするのとでは雲泥の差がでます。「日本の大企業の情報システムは個別最適でサイロ化されている」という話はよく耳にしますが、これは俯瞰視点なくシステム化したことによるものです。

俯瞰力と併せて大切なのは、時間逆算思考です。わたしの場合は「3年先から逆算して先回りして仕事を進める」ことを意識しています。

大企業のプロジェクトでは多くの関係者がいますので、進め方、意思決定にかかる時間、キーパーソンとのコミュニケーションタイミングなどを考慮して進めて行こうとすると、最低でも半年~1年くらいは先を常に意識しておかないとすぐにリスクが顕在化し、問題解決に追われることになります。

3年くらい先までをおぼろげながらでも予測しながら直近1年の進め方が見えるようになると、潜在リスクに先回りして対策を打ちながらプロジェクトを進められるので、本来価値を提供すべきテーマに時間を割くことができ、お客さまからの信頼も厚くなります。



時間逆算思考を鍛えるには、とにかく未来を考える癖をつけることに尽きます。わたしの場合は、半年くらいのプロジェクトのキックオフ時にプロジェクト完了までにどのようなリスクがどこで起きるかを予測し、先回りして対策を打てるようになることを最初のステップとして取り組みました。

それが出来るようになったら、1年、3年という形でさらに長期を予測してプロジェクトに取り組むようにしていくと、さらに力がついて来ます。

尚、時間逆算思考を鍛えることは俯瞰力を鍛えることにつながり、その逆も然りです。この2つのスキルは両方高めることによって高い効果をもたらします。

オリジナルのフレームワークを持つ

コンサルタントは会社に属しながらも「個人事業主」のような意識で仕事に取り組むべきだと思っています。

コンサルタントとして突出している、お客さまから高く評価されているプレーヤーはそれぞれ自分の武器を持っています。

ある業界に精通している、特定の技術分野に詳しい、複数の言語を操ってコミュニケーションが取れる、などその人のバックグラウンドによって色々な武器が持てると思います。

わたしの場合は、ある時点から仕事をする上でのオリジナルフレームワーク(=物事を考える際の自分なりの視点・考え方を概念化したもの)を持つことを意識しています。



あるテーマを検討する上で、検討すべき要素とその要素間の関係性を図式化して自分の頭の中を整理しておくと、無意識のうちにそのフレームワークで考える癖がつき、短時間で一定の仮説が導き出せるようになります。「キャッシュメモリ」のようなイメージですね。

色々なテーマでオリジナルフレームワークを考え、蓄積することによって生産性も上がりますし、図式化することで自分がそのテーマにおいて何が分かっていて何が見えていないのか、が浮き彫りになることも副次的な効果としてあります。

ちなみに“オリジナル”といっても全てゼロから考える必要はありません。各業界にはこれまでの歴史の中で雛形として使えるフレームワークがたくさんあるので、こういったものをベースに自分なりの考えを付加して新たなフレームワークを作るのもわたしの中ではオリジナルフレームワークです。

ある程度知見が身についてきたと感じたら、その考え方をオリジナルフレームワークとしていつでも引き出せるように蓄積し、お客さまに提供してください。この段階まで到達すると、コンサルタントとして替えの効かない人財になっているはずです。

全3回にわたり、わたしがエンジニアからコンサルタントに転身して意識してきたことをお伝えしてきました。全ては書き切れませんが、これからコンサルタントを目指す皆さんの何らかの参考になれば幸いです。

原稿:猪目大輔

イントリックス株式会社 (https://www.intrix.co.jp/) 取締役/CTO(最高技術責任者)。
ストックフォト国内最大手のアマナイメージズにてネットビジネスの立ち上げを技術責任者としてリードした後、大手Webコンサルティングのサイエントにてテクノロジー担当ディレクターを務める。2009年にイントリックスを設立し、取締役/CTOに就任。BtoB企業のデジタルマーケティングを支えるプラットフォームの企画構想・推進、グローバル展開を支援している。

マイナビAGENTの「ITコンサルタント特集」はこちら(https://mynavi-agent.jp/it/consulting/)。

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