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ITエンジニアからITコンサルタントへ!顧客に支持されるIT人材になるには 第2回
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ITエンジニアからITコンサルタントへ!
顧客に支持されるIT人材になるには 第2回

2018.11.16

 
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前回(第1回)はエンジニアからITコンサルタントに転身してわたしが感じたこと、中でも「ヒューマンスキル(対人関係能力)」や「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」を高めていくことの重要性についてお話をしました。

今回は「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」をどの優先順位で磨いていくと良いのかをテーマにお話したいと思います。

猪目大輔

お客さまと自分との
信頼関係レベルの現在地を掴む

コンサルタントとして仕事をしていく中で、ある時から「自分はお客さまとどのレベルで信頼関係が築けているのだろうか?」を意識するようになりました。お客さまから見て自分は替えの効く存在なのか否か。お客さまと自分との間の信頼関係レベルは、相手の反応を観察すればすぐに分かります。

会議の中で自分の話を関心をもって聴いてくれているか、話の進め方・内容に満足してくれているか、今進めている仕事とは別の相談を新たに持ち掛けてくれるか。お客さまとの“信頼関係レベルの現在地”は、日常のコミュニケーションから測ることができます。

わたしはお客さまとの信頼関係レベルを4段階に分けて考えています(下図参照)。この内、多くのIT人材はより高く評価される素養がありながら第2段階までの“替えが効く人材”に留まってしまっていると感じています。



テクノロジーに関する問題解決を「そつなくこなす」「しっかりとこなす」レベルではITコンサルタントとしてはまだまだ“替えが効く人材”に過ぎません。

「そこまで考えてくれたのか」という感動をお客さまに与えるような仕事をしないと相手の記憶には残らず、「次の仕事に広げる」「指名で仕事が取れる」“替えの効かない人財”には到達できません。

多くのIT人材が“替えの効く人材”に留まってしまっている要因の多くは、専門スキル・知識不足よりもヒューマンスキルやコンセプチュアルスキル不足にあるとわたしは考えています。

信頼関係レベルを高めるために
取り組んだこと

「お客さまにとって替えの効かない人財になるために、何から強化していけば良いのか?」お客さまとの信頼関係レベルを上げるために、わたしがまず取り組んだことは“伝え方の引き出しを増やす”ことでした。

その中でも最初に取り組んだのは、ドキュメンテーション(図解表現・文章表現)とプレゼンテーションでした。

図解表現や文章表現は、伝えたいことを分かりやすく正しい表現で示す上でとても重要なスキルです。わたしの場合は、書籍や同僚の戦略コンサルタントの資料、ネット経由で入手できる資料などを参考にしながら表現の引き出しを増やしていきました。

また、これらに取り組む過程で伝えたいことの本質を簡潔にまとめる力(=抽象化能力)も養われていったと思います。

コンサルタントが作成する資料は、お客さまに伝える内容を簡潔に分かりやすくまとめることが求められます。加えて、テクノロジーに関するテーマを文系のお客さまに説明する場合は、専門用語を必要以上に使うことはNGです。

これらの制約の中で資料づくりをしていくには、伝えたいことの本質・優先順位が明確になっている必要があります。図解表現・文章表現の世界は奥が深く、どこまで行ってもゴールはないのですが、ITコンサルタントを目指す皆さんにはまずここから取り組んでいってほしいと思います。

図解表現・文章表現とともに意識的に取り組んだのはプレゼンテーションでした。

プレゼンテーションは「誰に何をどのように伝え、どう行動してもらいたいのか?」をしっかり考え、全体のストーリーライン、話し方、時間配分を意識しながら行うべきなのですが、当時のわたしは“単なる資料の説明”に留まっていました。

試行錯誤しながらまず取り組んだのは、「聞き手の関心事を考え抜く」こと。ミーティングには様々な立場の方が参加されるので、各自の関心事を意識して話をするようにしました。そのうえで「話すテンポをゆっくり」することを心がけました。同じ内容でもゆっくりとしたテンポで話をした方が、聞き手に安心感を与えられます。早口でしゃべると、自分や内容に自信がないように見られがちなので要注意です。

それから「メリハリと時間配分」も大切です。相手に伝えたいことは、“幹”と“枝葉”に分けられるのですが、エンジニアはその気質から“枝葉”の話にも時間を使いがちです。限られた時間を有益に使うためには、まず“幹”にあたる部分をしっかりと伝え、“枝葉”の部分は相手の反応に応じて触れる、くらいが丁度よいと思います。

今回挙げたことは、ほんの一部ですがこの3つを意識するだけでも相手の反応が変わっていくことが分かるので、是非実践してみてください。



※赤字部分を一定水準でできるようになると、替えが効かない人財の入り口(=レベル3を目指せるポジション)に立てるイメージ

自分の仕事・提供価値に対して
高いコスト意識を持つ

ドキュメンテーション、プレゼンテーションとともに、ITコンサルタントに転じてから強く意識をするようになったのは、“自分の仕事にコスト意識を持つこと”です。

コンサルタントには、スキル・経験に応じた人月単価が設定されています。例えば、人月単価が160万のコンサルタントの場合、時間単価は1万円です。お客さまから見ると8時間かけた仕事には8万円の価値があるか?という見方になります(下図参照)。



コンサルタントは人月単価というモノサシでお客さまから提供価値を厳しく見られます。単価以上の価値を提供できていれば評価してくれますが、満たない場合は“交代”を求められます。

ある時から、わたしは自分の仕事に対して「自分がお客さまだったら満足して対価を支払うか?」「さらに評価をいただくためには、何をすれば良いのか?」を常に考えるようになりました。この習慣が身についてから、物事を考える視野がさらに広がり、成長スピードが加速した気がします。

自分の仕事に対するコスト意識は、コンサルタントに限らず全ての社会人が持つべきものです。この意識が持てるか持てないかで、成長スピードは大きく変わります。

今回はお客さまとの信頼関係レベルを高めていくために、ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの中でも特に磨いてほしい点に焦点を当ててお話しました。

次回は“替えが効かない人財”に飛躍するために、わたしが意識してきたことをお話したいと思います。

原稿:猪目大輔

イントリックス株式会社 (https://www.intrix.co.jp/) 取締役/CTO(最高技術責任者)。
ストックフォト国内最大手のアマナイメージズにてネットビジネスの立ち上げを技術責任者としてリードした後、大手Webコンサルティングのサイエントにてテクノロジー担当ディレクターを務める。2009年にイントリックスを設立し、取締役/CTOに就任。BtoB企業のデジタルマーケティングを支えるプラットフォームの企画構想・推進、グローバル展開を支援している。

マイナビAGENTの「ITコンサルタント特集」はこちら(https://mynavi-agent.jp/it/consulting/)。

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