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子どもにスマートフォンを買い与える時の5つの原則
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子どもにスマートフォンを買い与える時の5つの原則

2018.09.19

 
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ここで紹介する5つの原則は、あくまでも原則であり、重要なのは、ペアレンタルコントロールの機能を活用し、子どもがスマートフォンを使うことで、知識や学びの面で成長してもらうことだ。そのために、最も重要なのは、親がまずスマホを有益に使うこと。子どもにスマホを買い与えるのは、親も自分のスマホの使い方を見直す絶好の機会になる。

牧野武文

子どもにスマホを渡す時は、
ペアレンタルコントロールを
かけるのが理想

お子さんが自転車を欲しがった時、親は自転車を使う上での危険性を教える。「曲がるときは必ず後方を確認」「本当は車道の左側を走るんだけど、歩道をゆっくりと走りなさい」。子どもが料理を覚えたいと包丁を握った時、包丁を使う上での危険性を教える。「人に向けては絶対にいけない」「大人がいないときには使ってはいけない」。

ところが、子どもがスマートフォンを使いたいと言った時、多くの親が「まだ早い」と先延ばしをし、どうにもならなくなると危険性も教えず、ただ買い与えてしまう。それでは、スマホは、子どもにとって危険な道具になってしまうかもしれない。

理想的なのは、子どもにスマホを渡す時に、ペアレンタルコントロールをかけておくことだ。保護者が子どものスマホの機能を制限し、成長に応じてその制限を緩めて行くことができる。

ペアレンタルコントロールには、主に3つの考え方がある。

1)フィルタリング

有害なサイトへのアクセスを制限する。有害なアプリのダウンロードを制限する。

2)機能制限

カメラやアプリのインストール、課金、連絡先の追加などを制限して、使えないようにロックする。

3)モニタリング監視

子どもがスマホでどのような行動をしているかをモニタリングする。

ペアレンタルコントロールを行う
3つの方法とは!?

ペアレンタルコントロールを行うには、主に3つの方法がある。

1)携帯電話キャリアが提供するサービスを利用する

大手キャリアでは、ペアレンタルコントロール機能を提供している。フィルタリングが主な機能。また、利用時間帯の設定などもできるものが多い。年齢別にお薦めの制限設定がプリセットされているので使いやすい。

2)ペアレンタルコントロールアプリを利用する

ペアレンタルコントロール機能を実現するアプリもたくさんある。ただし、玉石混交であることに注意。ひどいものだと、子どもが簡単にバイパスできてしまうものや、広告ばかり表示されて、スマホが使いづらくなるものまである。また、海外製のアプリの中には、日本の有害コンテンツのフィルタリングには対応していないものが多い。

3)iPhone、iPadなどのiOSデバイスを利用する

iOSには、システムにペアレンタルコントロール機能が内蔵されていて、使いやすく、制限内容も細かく設定できる。子どもに持たせるデバイスとしては、使いやすさなどの点でもお薦め。iPhoneだけでなく、iPad、Macにも共通してペアレンタルコントロールをかける機能がある。

結果として、iPhoneを買い与えるか、Androidの場合はキャリアのあんしんフィルターを利用するのが親の手間も少なく、効果も高い。



(iPhoneのペアレンタルコントール。アプリごとに利用できるかどうかを設定できる。)



(このペアレンタルコントロール画面に入るには、保護者が定めたパスワードの入力が必要。子どもが勝手に設定を変えることはできなくなる。)

子どもにスマホを買い与える時の
5つの原則

子どもにスマホを買い与える時は、5つの原則がある。もちろん、それぞれの家庭のより考え方の違いがあるので、絶対的な原則ではない。この原則を元に、各家庭での原則を作っていただきたい。

1)できるだけ早い時期に買い与える

スマホを買い与えるのは、早ければ早いほどいい。内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査結果(速報)」(http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h29/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf)によると、小学生のスマホ所有率は23.0%、中学生は54.6%、高校生は94.1%。つまり、小学生でも5人に1人以上がスマホを使っていることになる。

一方で、ペアレンタルコントロールに関しては、小学生の保護者の96.4%が「管理している」と答えているものの、具体的には「利用時間のルールを決める」「大人の目の届く範囲で使わせる」などで、「フィルタリング使っている」などのペアレンタルコントロールを実行している保護者はわずか27.2%でしかない。

子どもにスマホを持たせる時は、利用時間などの互いの信頼に基づいたルール、約束を定めることと、機能制限をかけられるペアレンタルコントロールの両面を設定していくことが重要だ。

ただし、中学生、高校生にもなると、自我も強くなり、このような約束や制限に反発をするようになる。中学生にもなると、技術的な知識もついてきて、無理に約束を守らせたり、機能制限をしても、目の届かないところで約束を破ったり、ペアレンタルコントロールを勝手に外して使うこともできるようになってくる。年齢的にも、危険なことや怪しげなことに対する好奇心が増す年代でもあり、スマホを持たせる時期が遅くなれば遅くなるほど、管理が難しくなり、子どものリスクが高まっていくことになる。

理想は、親子の関係が複雑になる前の小学生の間に、約束をしっかり定め、ペアレンタルコントロールをかけ、スマホを買い与えてしまうことだ。スマホは安全に使えば、子どもの身を守るツールにもなるし、学習や学びを支援するツールになる。

子どもが自発的に「スマートフォンが欲しい」と言ってきたタイミングで、「まだ早い」ではなく、しっかりと話し合い、買い与えるというのが望ましい。

2)機能制限を解除する時は必ずしっかりと話し合う

ペアレンタルコントロールによる機能制限を最も強力にすれば、登録した数名としか電話ができないという状態にまですることができる。もちろん、これではスマートフォンの意味がないので、機能制限をどのレベルにするかは、親子で話し合うべきだが、最初はあえて厳し目にしておき、子どもの方から、例えば「LINEが使いたいので、アプリのインストール機能を解除して」などと申し出があった時に対応するというのが現実的だ。

スマホの持っている危険性を一度にすべて伝えることは不可能だし、説明できても、子どもはすぐに忘れてしまう。子どもから制限解除のリクエストがあった時に、その機能についての危険性をしっかりと話し合うことが大切だ。

3)子どもが使うアプリは親も使ってみる

子どもにとって、いちばんつらいのは、「親が知りもしないで否定をする」ということだ。子どもが使いたいアプリ、ゲームの中には、一見、保護者から見ると危うい感じに見えて、実際はそうでもないというものがたくさんある。使いもしないで「これは危険性が高い」と言ってみたところで、子どもにしてもれば的外れなお説教にしか聞こえない。

子どもが使ってみたいというアプリ、ゲームは、親も使ってみるというのがいちばんいい。使ってみれば親自身も安心でき、使った上で危険性を指摘するのであれば説得力があり、子どもも耳を貸してくれる。

4)約束と制限以外は干渉をしない

家庭の中でのルールを約束し、ペアレンタルコントロールをしっかりとかけたら、それ以外では可能な限り干渉をしない。子どものスマホといっても、内容を定期的にチェックするなどというのはもっての他だ。スマホには、隠れフォルダを設定するアプリも、偽装して連絡を取り合えるアプリもある。干渉がすぎれば、子どもは自分のプライバシーを守るために、そういったグレーなアプリを導入することになっていく。約束と制限をしっかりとしたら、後は子どもを信頼して干渉しないことが重要だ。

また、機器の取り扱いに関してもうるさく言わない。スマートフォンは、コンクリートの地面に落としただけでも画面が割れるほど脆い。一度ぐらいは、破損を体験させ、モノを大切に扱う意識を芽生えさせることも大切だ。

5)利用料金の一部を本人に負担させる

スマートフォンは利用料がけっこうかかる。大手キャリアだと家族割引などを適用しても、5000円前後にはなってしまう。キッズ用スマホやMVNO(格安キャリア)を使う方法もあるが、積極的にはお薦めはしない。どうせスマホを使うのであれば、キッズ用ではなく、一般用を機能制限をかけて使うべきだ。子どもにスマホを使わせる狙いは、暇つぶしの道具だけでなく、学習や学びにも役立てられるスキルを身につけてもらうことだからだ。キッズ用スマホは、保護者は安心でき、料金も安く設定されているが、学びに役立つスキルが限定的にしか身につかない。

また、MVNOも業者によって通信品質がさまざまで、MVNOを考える場合は、まず親が加入して品質を確かめてからの方がいい。いずれにしても、親と子で、同じキャリア、同じスマホを使うのが理想だ。

高額な利用料のすべてを子どもに負担させるのは難しいが、一部を負担させ、使いすぎないように工夫することを覚えさせたい。年齢、お小遣いの額に応じて、例えば「無料通話分を超えた通話料の半分」「アプリ課金はすべて」など負担ルールを定めておくといいだろう。

重要なのは、ペアレンタルコントロールで
子どもが知識や学びの面で
成長してもらうこと

ここで紹介した5つの原則は、あくまでも原則であり、家庭の事情、保護者の考え方、教育方針などによっても違ってくる。重要なのは、ペアレンタルコントロールの機能を活用し、子どもがスマートフォンを使うことで、知識や学びの面で成長してもらうことだ。

そのために、最も重要なのは、親がまずスマホを有益に使うこと。子どもは常に親の背中を見ている。親がスマホゲームしかやらない使い方をしていたら、子ども同じことをする。親が歩きスマホをしていたら、子どもも同じことをする。

子どもにスマホを買い与えるのは、親も自分のスマホの使い方を見直す絶好の機会になる。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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