iPad版Swift Playgroundsは、プログラミング初心者からエンジニアまで必須のアプリ。このアプリのためだけにiPadを買っても損はない!
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iPad版Swift Playgroundsは、プログラミング初心者からエンジニアまで必須のアプリ。このアプリのためだけにiPadを買っても損はない!
牧野武文(まきの・たけふみ)
2018.08.30

「プログラミングなんか必要ない」と言わず、遊び感覚でSwift Playgroundsをやっておくだけで、仕事ががぜんやりやすくなる。「コードを学ぼう」は、詰めてやれば2日程度、楽しみながらのんびりやっても1週間もあれば終わる程度のボリューム。その程度の時間が取れないわけはない。「数学や情報は学生の時から苦手で」という人もいるかもしれないが、この程度のコーディングの学習は、英語の学習で言えば、初歩の旅行会話を暗記する程度のレベル。もし、本当にそれすらできないとおっしゃるのであれば、5年後、あなたの仕事はなくなっているかもしれない。

小学生でも遊びながら、Swiftプログラミングを学ぶことができる

すでにエンジニアになっている人、これからエンジニアになろうと考えている人は、絶対にiPadを買っておかなければならない。絶対だ。なぜなら、iPad版Swift Playgroundsという素晴らしいチュートリアルアプリが利用できるからだ。

ユニークなキャラクターを迷路を走らせるゲームを楽しみながら、プログラミング言語Swiftの基礎を学ぶことができる。

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美しいグラフィックで表示される迷路を解いていくプログラムを実際に書きながらSwiftプログラミングを学んでいく。

すでに仕事や学校の課題でプログラミングをしている人にとっては、基本すぎていまさら感のある内容かもしれないが、インスタンスあたりは意外にきちんと理解せずに使ってしまっている人も多い。そういう人にとっては、もう一度基礎を確認するいい機会となる。

このSwift Playgroundsが素晴らしいのは、迷路というフィールドがあらかじめ用意されている点だ。そのため、コーディングはキャラクターの動きだけでいい。前に進むはmoveForward()であり、3歩前に進むはmoveForward(step: 3)であり、左に曲がるはturnLeft()でいい。キャラクターの位置座標を計算して指定するなどという面倒なコーディングは一切必要ない。

このため、小学生でも遊びながら、Swiftプログラミングを学ぶことができる。実際、小学生、中学生向けのプログラミング教材として使われている例は多く、個人的にお父さんが自分の子どもにiPadを買い与えて遊ばせている例もよく聞く。「小学生ではwhileなどの単語の意味がわからないのではないか?」と心配する方もいるかもしれないが、それは小学生のスポンジのような吸収力を見くびっているかもしれない。whileの意味も読み方もわからないけど、小学生は「同じことを繰り返してくれる呪文」としてすぐに覚えてしまう。Swift Playgroundsには、キーボードから関数名や変数名を入力すると、自動補完してくれる機能があるので、まったく心配する必要ない。

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キーボードからコマンドを入力すると、キーワードが自動補完される。これを利用すれば、英語のスペルに不慣れな小学生でもコーディングができる。

非ITの人もぜひSwift Playgroundsを、できないなら5年後あなたの仕事はなくなっている!?

また、非ITの人にもぜひSwift Playgroundsをやってみてほしいと思う。今どき、ITシステムをまったく使っていない企業というのはほとんど存在しない。非ITの職種であっても、IT系のデザイナーやエンジニアと接点を持ちながら仕事をするのが当たり前になっている。このSwift Playgroundsをやっておくだけで、IT系の人がどこで困って、どんな苦労をしているのかがある程度わかってくる。もっと言えば、IT系の人と仕事をするときにイニシアティブを握ることができるようになる。コーディングがまったくわからないと、デザイナーやエンジニアから「そんなことは実現不可能です」「この修正には最低でも1ヶ月の作業時間が必要です」という真っ赤な嘘をつかれても、反論ができない。少しでもコーディングの経験があれば、そういうデザイナーやエンジニアのウソに対しても、勘が働くようになる。デザイナーやエンジニアという人たちも、勘のいい人が多いので、開発がわかっている人に対してはいい加減なことを言わなくなる。

「プログラミングなんか必要ない」と言わず、遊び感覚でSwift Playgroundsをやっておくだけで、仕事ががぜんやりやすくなる。

「コードを学ぼう」は、詰めてやれば2日程度、楽しみながらのんびりやっても1週間もあれば終わる程度のボリューム。その程度の時間が取れないわけはない。

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「コードを学ぼう」の2つで学べるSwiftの文法。「コードを学ぼう1」では、プログラミングの基本的な命令を覚えていくが、「コードを学ぼう2」では、インスタンスや配列といった中級レベルのことまで学べるようになっている。
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最初にやるべきなのは「コードを学ぼう」だが、その他ドローンやロボットのプログラミングも用意されている。メーカーがテンプレートを提供しているので、実際のドローンをiPadから制御することもできるようになる。

「数学や情報は学生の時から苦手で」という人もいるかもしれないが、この程度のコーディングの学習は、英語の学習で言えば、初歩の旅行会話を暗記する程度のレベル。もし、本当にそれすらできないとおっしゃるのであれば、5年後、あなたの仕事はなくなっているかもしれない。

SwiftはiOSアプリを開発する際にメインで使われる言語、他の言語も習得しやすい

Swift Playgroundsのもうひとつの素晴らしい点は、学習できるプログラミング言語がSwiftであるという点だ。Swiftは、iOSアプリを開発する際にメインで使われる言語で、Swiftを習得しておけば、他の言語も習得しやすい。

さらに、手軽に本格的な開発環境が手に入れられ、豊富な学習教材が存在している。本格的に開発をしたいというのであれば、MacのXcode(無料)を手に入れれば、その中にMac版のSwift Playgroundsが含まれている。こちらには、迷路のようなお遊び要素はないかわりに、本格的に開発を進めビルドすることで、iOSアプリを完成させることが可能だ。

また、学習教材はネットに山ほど存在している。YouTubeで「Swift Learning」で検索をしてみれば、無数のビデオ教材が見つかる。多くの教材は英語ベースだが、Swift Playgroundの画面が表示され、プログラムコードを見ながら学習するというパターンが多いので、英語がわからなくてもじゅうぶん学習していくことができる。

時間さえあれば、プログラミング初心者がiPad版Swift Playgroundsでまず遊び、一通り覚えたところで、Mac版Swift PlaygroundsとYouTubeの無料教材を使えば、アプリ開発ができるところまで独学することが可能だ。

まずはiPadを購入し、SwiftPlaygroundsを触ってみるべき

デザイナー、エンジニアはiPad版で、チュートリアルの表現方法を学ぶべし。文系の人はiPad版でコーディングとはなにかという感覚をつかむべし。学生はiPad版で遊んでから、Mac版で本格的にSwiftのコーディングを学ぶべし。

いずれにしても、まずはiPadを購入し、SwiftPlaygroundsを触ってみるべきだ。iPadは37800円からのいちばん低価格のものでまったく問題ない。

ライター

牧野武文(まきの・たけふみ)
テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。
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