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Unityで作ろう!ゲームアルゴリズム(13)音ゲーのアルゴリズムを作ってみる その1(予備知識編)
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Unityで作ろう!ゲームアルゴリズム(13)
音ゲーのアルゴリズムを作ってみる その1(予備知識編)

2017.11.10

 
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スプラトゥーン2の発売からずっと頭の中がイカになっている筆者です。

仕事と子育ての合間を見つつ腕前を磨いていまして、嫁に「この忙しいのに何ゲームやってんの!」と怒られるかと思いきや、実は嫁のほうがどハマりしていたり。

eスポーツ系のゲームはガチンコ勝負ですので盛り上がる反面、雰囲気がギスギスしてしまったりもするのですが、スプラトゥーンはそのへんがあまり無いので気軽にプレイできちゃうのが魅力です。

さて、本題に入りましょう。

今回はペンキで床を塗りたくるゲームを作ります
イカん、間違えました。

今回からはUnityで音ゲーを作っていきましょう!

賀好 昭仁

音ゲーとは

音ゲーといえば「ビートマニア」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
筆者は学生時代、友人宅に泊まってPS版のビートマニアを一晩中遊びまくり、ご家族の方から「ガチャガチャうるせえ」と叱られてしまったことがあります。

実はビートマニア以前から、音楽とゲームの融合を試みた作品は色々と存在していました。

例えば、最近App Storeに伝説のクソゲーと呼ばれる「たけしの挑戦状」が並んでいるのを目にしました。このゲームは「ファミコンコントローラのマイクでカラオケを歌わないと先に進めない」という画期的な要素があり、ある意味音楽とゲームの融合を試みていたのかもしれません。

ただ、ファミコン〜スーファミ時代のゲーム機は性能などの制限も多く、音ゲーのジャンルを確立するまでには至らなかったようです。

プレイステーションが発売された頃から、ゲームの表現力が格段にアップし、音ゲーの元祖とも言われる「パラッパラッパー」が登場、程なくゲームセンターでは「ビートマニア」が登場し大ヒットしました。
以降、音ゲーは楽器やダンスなど、様々な方向にプレイスタイルの幅を広げながら、現在では人気のゲームジャンルのひとつとなっています。

音楽好きな方やパフォーマンス好きな方(ゲーセンのDDRで異常な動きをしている方)など、特殊なユーザ層を開拓できるのも音ゲーの大きな特徴と言えるでしょう。

何も考えずに音ゲーを作ると危ない

ではさっそく開発に入っていきましょう!

・・・と言いたいところですが、音ゲーは権利関係の問題で訴訟合戦が勃発したこともあり、先にある程度の知識を仕入れた上で開発した方が良いかもしれません。

著作権

読者の皆様もご存知かとは思いますが、世の中に存在する楽曲には基本的に著作権というものがあり、無断でゲームに組み込んで配布すると著作権違反となってしまいます。
著作権違反になると差し止めや損害賠償など、重い罰則が待っています。(音ゲーに限らず、創作に関するあらゆる場面で注意しましょう)

これを回避するためには、曲を書き起こすか、または配布OKな曲を使用する必要があります。
それ以外の曲をどうしても使いたい場合は、曲の権利者と交渉する手もあります。ただ、一般的な楽曲はレコード会社やJASRACが絡んでいたりと、交渉のハードルは非常に高くなります。(実際のところ、個人レベルではメジャーな楽曲を使用するのは、ほぼムリでしょう)

ちなみに、日本では原則として作者の死後50年間で著作権が消滅します。クラシックなどの著作権が切れた楽曲を自らアレンジして使うのはアリというわけですね。(※クラシックであっても、誰かが演奏した音源、またはアレンジした作品などには著作権が発生しますので注意!)

特許

特許は様々なジャンルのゲームで取得されていますが、音ゲーは特に注意すべきです。
音ゲーは曲の進行に合わせてプレイするという性質上、似通ったシステムになりがちなのですが、音ゲーに関する特許は様々なものが存在しており、予備知識無しに作ると特許侵害になってしまいやすいためです。

例えば、下記はコナミさんのビートマニアに関する特許です。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7506/lib/JP-B-2922509.html

こちらの特許には音ゲーを作る上で実装してしまいがちな内容が盛り込まれています。(筆者はこういった無機質で膨大な文章を見るとめまいがしてきます…)

特許侵害で訴えられると、賠償金やライセンス費用を支払うことになったり、販売停止となってしまうケースもあります。

昔、ゲームセンターに多数設置されていた「VJ」というゲームに対して特許侵害の訴訟がありました。理由はビートマニアの特許侵害で、続いて「ギタージャム」というギター型音楽ゲームも訴えられたようです。(製造・販売の差し止めだけではなく、該当機種を導入済みのゲームセンターに対しても撤去を求め、大騒ぎとなりました)

また、コミケで販売された「お経の達人」というゲームが、「太鼓の達人」の特許侵害で販売停止になったこともあります。

販売規模・知名度の大小に関わらず注意が必要ということですね。

ちなみに、特許侵害は基本的に「特許の要件を全て盛り込んでいる場合」となり、特許内に記載された要素の一部が異なれば、侵害にはあたらないとのことです。
ただ、仮に特許侵害していなかったとしても、訴えられた時点で訴訟費用等大きなダメージを受けますので、できるだけ異なる点が多いほうが良いでしょう。

また、特許は基本的には新しいアイデアに対して与えられるため、特許が取得される以前から使われてきたアイデアに関しては、特許侵害にあたらない可能性も出てきます。

このあたりはケースも様々なため判断が難しいです。

少なくとも、「あのゲームをマネしつつ、プラスαの要素を盛り込もう」といった開発方針は非常に危険なのでやめておきましょう。

余談:ビートマニアの特許について
特許は20年で失効し、基本的に再取得はできません。
そして、かのビートマニアの特許も2018年7月末で失効するようです。

縦にノートが降ってくる・キー押下時に出る音を音楽に合わせて変えるなど、ビートマニアの特許は音ゲーの根幹になり得る部分に絡んでいました。

その特許が失効するとなりますと、もしかすると今よりも少し音ゲーの開発が活発化するかもしれません。

まとめ

今回は開発とは少し離れてしまいましたが、音ゲーを作るための豆知識(主に権利関係)をご紹介しました。

音ゲーは既存のゲームによく似たものを作ってしまいがちなのに加え、訴訟が多発したという歴史もありますので、せっかく作ったゲームを安心して世に出すためにも心に留めておきましょう。

さて、小難しいお話はこのくらいにしておいて、次回は音楽にあわせてゲームをプレイできる仕組みを作っていきますよ!

原稿: 賀好 昭仁
qnoteスマホアプリ開発チーム技術主任。PHP・Android・iOS・Unityなど複数のプラットフォームでの開発を行う。
しばしば7匹の先輩猫社員たちにイスを占領される。

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