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オフィスでペットと仕事をする大きなメリットと些細なデメリット
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オフィスでペットと仕事をする大きなメリットと些細なデメリット

2017.10.12

 
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会社にペットがいるということ
最近、「猫がいる会社」「犬を同伴して出社できる会社」「ペット手当がある会社」などの話題をよく目にするようになりました。実は私の会社qnoteも、猫7匹がオフィスに常駐していて、20数名のスタッフといっしょに仕事をしています。最初の猫「ふたば」を飼いはじめたのは、会社を立ち上げて1年ぐらい。まだスタッフは4人でオフィスもワンルームマンションでした。それからもう13年が経ちます。本コラムでは、長年猫といっしょに仕事をしてきた経験から、オフィスにペット(猫)がいることのメリットとデメリットについてお話したいと思います。

鶴田 展之

たくさんのメリット

まず、ポジティブな話からはじめましょう。猫が会社にいるメリットは、本当にたくさんあります。

1.ストレス軽減

かわいい動物が近くにいると、仕事から受けるストレスは軽減されます。科学的にどうなのかはよくわかりませんが、イライラしているときでも猫が膝に乗ってくると明らかに気分が変わります。当然、猫はこちらの都合などお構いなしに振る舞いますので、時に仕事の邪魔になることもあります。でも、根を詰めすぎているときなどは、それがちょうどいい休憩につながっています。

2.広告宣伝効果

広告効果といっても、猫がいることで仕事が舞い込んだりはしません。弊社には一応「猫営業部」という、れっきとした部署がありますが、売上的に言えば彼らは完全なコスト部門です(笑)。しかし、初対面でも「ああ、あの猫がいる会社?」と認知してもらえたり、打合せ前の雑談ネタになったりと、些細なことですが大切な役割を果たしてくれています。

3.採用応募増加と離職率

仕事をとってくる営業は不得手ですが、人事採用担当としての能力は抜群です。「猫がいる会社」として認知されたことで、中途採用でも新卒採用でも、いつも募集枠を大幅に超える応募を頂けるようになりました。もともと猫をダシにして人を集めるなどという邪な狙いはもっていませんが、猫好きの人が興味をもってくれるようになり、結果として応募してくれる人も増えた、ということですね。同時に、弊社は離職率が極めて低いです。よく同業の社長さんたちから「いい人材が採用できない、定着しない」といった悩みを相談されますが、弊社の離職率が低いのは猫社員たちがスタッフの心のケアをしてくれているからだ、と思っています。

4.雑多な会社業務に対するネガティブな意識の軽減

大企業では掃除やゴミ捨てなどの雑務を専門の会社にアウトソースしますが、弊社のような小さな会社では、なかなかそうもいきません。オフィス環境を維持するためには、スタッフ全員で少しずつ本業以外の仕事もしなければならないのです。いくら綺麗事を言っても、人間はやりたくないことを押し付けられたときに「なんでこんな仕事を」とか「これは私の仕事ではない」と感じがちです。でも、猫のトイレ掃除やごはんなどの世話は「かわいい猫たちのため」「ごはんあげないと死んじゃう」「トイレ掃除しないとくさい」という明確な大義があるので、「めんどくせぇな」と考えずに済みます。要は納得できる大義さえあれば、人は余計なストレスを受けにくいのです。猫がいようがいまいが雑務は発生しますが、猫がいることでネガティブな気持ちになりにくく、ネガティブな気持ちが減ることでチームワークも深まりやすくなる、という点は、会社という組織にとっても、社員個々にとっても、大きなメリットだと思います。

5.かわいい

なんだかんだとメリットを挙げてみましたが、これらはすべてあと付けです。最大のメリットは、「かわいい」。これに尽きます。かわいいは正義です。かわいいものがそばにいる、私なんかは単純なので、それだけで毎日幸せになるのです。

デメリット

さて、メリットだけでなく、デメリットも挙げてみましょう。最初に断っておくと、デメリットはほとんどない、というのが13年間、猫と仕事をしてきた実感です。ただ、自分自身もスタッフも生粋の猫好きばかりなので、普通の社会人の参考にはならないかもしれませんが…。

1.掃除がたいへん

猫がいると、そこらじゅう猫毛だらけになります。弊社は毎日掃除していますが、それでもニコ生の中継が入ったときなどは「掃除しろ」とのコメントをたくさん頂いてしまいました。オフィスチェアは頻繁にコロコロで猫毛をとらないと服がひどいことになります。もちろんビジネススーツなど着ていられる職場ではないので、オシャレとは程遠いギークでナードな服装ばかりになります。

2.猫アレルギーのお客様

弊社のような小さな会社は顧客のオフィスに出向いて打合せをすることの方が多いのですが、たまにはお客様がいらっしゃることもあります。そして、ごくごく稀に猫アレルギーが発覚することがあります。そもそも猫アレルギーを自覚している方は弊社には近寄りませんが、7匹もいると空気中猫毛濃度もそれだけ高いので、それまで自覚がなくても「発症」してしまうケースがあるのです。対策としては、掃除をしっかりすること、猫の入らない部屋を応接として用意しておくこと、ぐらいでしょうか。

3.病気になると心配

猫アレルギー(アナフィラキシー等の重症除く)含めて人間の病気はさほど心配ないのですが、猫自身が病気になることがあります。とくに弊社の猫たちも、もう皆10歳を越える高齢なので、だんだんその心配が大きくなってきました。猫は人間と違って手厚い健康保険制度もありませんし、治療法が確立できていない猫特有の病気もたくさんあります。治療にはお金がかかりますし、手間もかかります。きちんとした医療を受けさせる、幸福な生を全うさせ、最後まで見届ける。その覚悟がないと、ペットをオフィスに迎え入れることはできません。

社会的な意義

上記のようなメリットとデメリットを踏まえて、個人的には「もっとペットと働ける職場」が増えてほしいな、と思っています。「ペットが仕事場にいるなんて考えられない」という人がいるのは知っていますし、その考えを否定するつもりはありません。ただ、「人それぞれが望む形で働ける多様な社会」を考えたとき、いまのところペットと働ける会社の割合はとても少ないので、もう少し増えてもいいんじゃないかな、と思うのです。

ストレスフルな仕事に従事する方の精神的な負担を下げたり、心因的な問題で職場を離れる人を減らしたりといった直接的な効果は、確実にあると思います。また、ペットがいる会社には家族も関心を持ちやすくなるので、「お父さんが何の仕事をしているかわからない」といった親子の断絶も起きにくくなります。私にも妻と息子と娘がいますが、会社のイベントには「来なくていい」といっても家族総出で参加しようとします。私自身は仕事に没頭して家庭を顧みないと言われても仕方のない働き方をしていますが、それでも家族との絆は猫が繋いでくれているように感じます。

オフィスにペットを迎えることは、社会的にも大きな意義があります。犬や猫の殺処分は選挙候補の公約になるくらい関心の高い社会問題ですが、効果的な解決策はなかなか見つかりません。動物愛護団体の皆さんが必死に努力して保護活動をしていても、野良猫ちゃんたちはそれを上回る速度で繁殖してしまうのです。交通事故や猫白血病、猫エイズ等の不幸な死、殺処分せざるを得ない行政の方の苦悩など、多くの問題は受け入れ先の拡大でしか解決しないでしょう。そこで、例えば既存の数%の企業が保護猫を受け入れれば、それだけで人間の管理下に入る猫が増え、管理外で繁殖する猫を減らすことができるでしょう。たとえ期間限定でもそれが実現できたら、野良猫ちゃんを殺処分することなく減らし、この問題を抜本的な解決に導くことが可能になるかもしれません。猫や犬が好きな社長さんには、ぜひ(社員さんたちの意見も取り入れた上で)本気で検討してもらいたいと思います。

最後にちょっとだけ宣伝…

ちなみに、ペットがいることで仕事上のアイデアも出やすくなります。弊社は受託中心のIT屋ですが、定期的に自社サービスの展開に向けたブレストを行っています。なにもないところから「サービスのアイデアをひねり出す」のはなかなか難しいものですが、「猫に関するもの」というお題がひとつあるだけで、面白い提案がたくさん出てきます。まだ詳細はお話できませんが、現在弊社では「猫 x IoT」「猫 x ゲーム」「猫 x EC」等のサービスを企画中です。

<<トートバッグ>>

こちらは先日コミティアで販売した弊社営業部長みるくのトートバッグ。販売収益から保護猫団体に寄付していこうというプロジェクトです。

<<猫 x IoT>>

写真の「箱」には様々なセンサーや暗視カメラが装備されています。つまり、IoTデバイスです。これでなにができるのかは近日公開予定なので、ぜひ注目して頂ければと思います。

原稿:鶴田展之
qnote代表取締役。オープンソースソフトウェアを用いたシステムインテグレーション及びコンサルティングの傍ら、技術書を中心に多数の著述活動を行う。
なお、オフィスには7匹の猫がいる。

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