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IoT女子会に行ってみた!IoTの海外事情~フランス・イタリア編
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IoT女子会に行ってみた!IoTの海外事情~フランス・イタリア編

2017.07.28

 
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制御系と親和性が高いIoTは男性比率が高い分野というイメージ。ところが、IoTに関心を持っている女子が実は結構いる?!……ということで、IoTスタートアップの聖地「DMM.make AKIBA」が主催する女性限定イベントに行ってみました!

Misa

本日はエンジニア向けの勉強会やイベントを多数開催しているレバレジーズの「ヒカ☆ラボ」とのコラボ。会場は、改修工事中で迷路のようになっている渋谷駅を抜けた、渋谷ヒカリエ17階のレバレジーズ本社内にあります。

参加者も登壇者も進行もすべて女性、こちらが登壇者の皆さんです!

左:徳山 由佳氏(レバレジーズ株式会社)/中央:矢島 佳澄氏(合同会社techika 代表)/右:上村 遥子氏(株式会社DMM.com DMM.make AKIBAコミュニティマネージャー)/

「女子会」らしく楽しく飲みながら、ということでアルコールとソフトドリンク、スナックが用意されています。まずは乾杯。
今日の参加者は、エンジニア、マーケター、デザイナー、営業などの幅広い職種で、IoTに関わっている方や興味を持っている女子たちです。

電子工作が趣味というモデレータの“ちゃんとく”さんこと徳山さんによる、IoTって何だという説明や登壇者の紹介からスタートしました。

IoTと聞くと難しそうに聞こえますが、身近なものをインターネットにつなげて便利にすることや、面白いものを作る「電子工作」ととらえると何だか楽しそうですね!

1人目の登壇者、矢島さん

矢島さんは、柔らかい素材に電子工作を埋め込むことを得意とされていて、そういった作品を数多く制作されています。乙女電芸部というグループを主宰、手芸と電子工作を組み合わせたワークショップや、家電メーカーとのコラボレーションで、製品のコンセプトモデル制作などを行っていらっしゃいます。矢島さんが過去に制作した楽しい作品の数々が紹介されました。

毛糸のオブジェ
スマートリモコン
  • ・おにぎリズム(簡単に三角おにぎりが握れるように、120度の角度で回転させると音が鳴るシステム)
  • ・うどんをすすると照明が光るシステム
  • ・USBで差し込むと自律的に動いたり、光ったりするフェルトのオブジェ
  • ・LEDアクセサリー
  • ・スマートリモコン(室内履きやアロマディフューザとテレビを連動)

イタリア・ミラノサローネ(国際家具見本市)へ

矢島さんが技術協力した大手電機メーカーのプロジェクトが、世界中の企業やデザイナー、エンジニアが注目する「ミラノサローネ」に出品されました。ミラノサローネでは、IoTというよりは、デザインの中にいかにテクノロジーを埋め込むかということがトレンドとなっていたようです。

便利さだけではなく、素敵なIoTを

センサー技術や組込みを利用するIoTは最近の技術ではなく、90年代にぬいぐるみがメールを音声化するデバイスが商品化されていました。人とモノのコミュニケーションの間には元々インターネットが介在しており、それが無線技術などの発達により、モノとモノのコミュニケーションにインターネットが入ってくるのがこれからのIoTだと考えています。柔らかいものにもセンサーやデバイスを埋めこむことは可能。インターネットはどこに埋め込まれていてもいい訳ですから、便利さだけではない、素敵なIoTを目指されています。

矢島さんの「おじさんに乗っとられる前に」という言葉が、IoTを利便性ばかり考えるおじさんたちに独占させるのはもったいない、女子目線で素敵なものを創りだそう!という、IoTに興味を持っている女子へのエールにも聞こえました。

2人目の登壇者、上村さん

上村さんは、Web広告の運営、広告企画営業を経て、IoTハードウェアスタートアップの拠点、DMM.make AKIBAのコミュニティマネージャーとして、スタートアップ支援、コミュニティ活性化に携わっていらっしゃいます。第二言語のフランス語を生かして、アフリカを含むフランス語圏案件も担当。

DMM.make AKIBAが考えるIoT

IoTは、大まかに以下の流れで成り立っていますが、重要なのはアクションがモノで返される点です。DMM.make AKIBAでは、IoTを「サービスのモノ化」と捉えています。

フランスのIoT事情

フランスのIoT市場とスタートアップの活性化が世界中の注目を集めています。フランスの新規雇用の58%を7%のスタートアップが占めているという統計も出ているほど。
その要因のひとつに、フランス政府主導のスタートアップ支援のエコシステムを展開する、La French Techというプログラムがあります。
このプログラムでは、国内スタートアップの支援の他、海外企業の誘致、フランスを拠点とする起業家への滞在費の援助や家族を含むビザ発給など、ダイナミックな施策が行われているとのこと。ブランド化が巧みでイメージが良く、大胆な取り組みに積極的で、フランスという国家が本気で取り組んでいることが伝わってきます。

2016年にDMM.comとFrench Tech Tokyoが協力提携を締結。前後して、フランス大使館からは定期的な情報提供やイベント参加オファーをもらっているそうです。DMM.make AKIBAはリヨンで開催されたSIdO(EU唯一のIoTの展示会)に招致され、6社のIoT企業と合同で出展。フランスのIoTスタートアップはBtoCよりもBtoBが主体で、同行した出展スタートアップは、どの市場を目指すのか、今後どこと組むのかといったことを聞かれることが多かったそうです。

フランス視察を通してLa French Techなど国のスタートアップ支援が手厚く、山手線内程度の面積であるパリに40ものインキュベーション施設があるなど環境も整備されていること、さらには各分野の上位レイヤーで女性が活躍していることを実感。大きな刺激を受けたとのことでした。

女子向けIoTはブルーオーシャン

上村さんは、IoTをモノではなく体験の提供というサービスとして考えること、日本での展開だけでなく、海外ではどうかといった広い視点を持つべきだと言います。
IoTの先例はまだまだ少なく、特に女子向けIoTの市場はブルーオーシャン。今のうちに開拓しておこうと参加者の背中を押していました。

リアルタイムに寄せられる質問に答える
トークセッション

質問投稿用のページに、来場者から続々と質問が寄せられました。

Q.IoTのどんなところが好き?

「IoT」という言葉は単なるトレンドワードとしてすぐに廃れそうで好きではないです。
何でもつながるのは面白いと思うので、もっと身近な生活に入ってきて欲しいです。

この先にどんな未来があるんだろうなどと考えられるところが好きです。

IoTという言葉は幅広すぎてわかりづらいですが、基板がかっこいいから、とにかく好きです!小型なものやプログラミングなしで使えるデバイスも出てきています。

Q.好きなIoT男子は?

ハードもソフトもできて、工作ができる人。

言ったら何でも作ってくれる器用な人は魅力的ですね。

Q.いま注目している国は?

DMM.make AKIBAではドバイが熱いと言われています。中東は(石油以外の)資源が無いのでお金を生み出すことに貪欲で、スタートアップにも積極的。資金があるので世界中から組める人を引っ張ってきています。

Q.なぜ、フランスではIoTベンチャーが活発なの?

金融危機を経験してベンチャーのトレンドが来ています。国がスタートアップを生み出す仕組みを仕掛けているのが大きいです。ベンチャーの数で言えば、日本と大差がついているわけではないと思います。IoTベンチャーのビジネス化はモノが重要になるので、設備投資の支援やマネタイズの相談者などのバックアップが重要。それが整っているからフランスは強いと思います。中国は数で勝負している感じで貪欲さが目立っています。

日本ではサービスや商品が動かなければ大問題ですが、中国では買った人が悪い(見る目が無い)という懐の深さが新しいものを許容するのかなと感じます。

Q.IoT業界で女性であることで悔しい思いをしたことは?

得しかしていないと思います。「女性なのに」と感心されます。

私も得していると思います。IoT分野には女性が少なく、ビジネスの話も盛り上がりやすいです。

女性なのに珍しいと注目されるのが強みだと思います。

Q.未経験からシフトするためにはどうしたらよい?それぞれに仕事に就くには?

いきなり作る人になるのは難しいと思います。イベントで企業を見るところから始めてはいかがでしょうか。

興味・関心さえ持てばそれで良いと思います。モノを作る以外のどんな立場でも、IoTに関わることはできるので、自分が持っている強みで入っていけばいいと思います。これから競争が激しくなるコ・ワーキングスペース業界では、つながりを作るコミュニティマネージャーが必要とされます。経歴は関係なく、人と話すことが好きであれば良いと思います。

展示会やイベントで近づいていくのはよいと思います。

Q.女性×IoTのアイデアって?

妄想を実現していこうと思うだけで、アイデアを出そうと頑張ることはないと思います。

おしゃれに関係したものは増えると思います。身体データの記録や解析ができるアクセサリーなどあったら嬉しいですね。

女子の参入がIoT市場の起爆剤になる?

トークセッションの後の懇親会では協賛企業のKURANDから日本酒と果実酒が提供され、来場者、登壇者、協賛企業の日本ロレアル・さくらインターネットの皆さんが入り混じって楽しそうに歓談していました。

懇親会の風景
協賛企業から提供された素敵なお土産の数々

これはあくまで私見ですが、IT業界で人材開発の仕事をした経験から、女性エンジニアはハードウェアに弱い人が多いという印象を持っていました。ですから冒頭で書いたように、制御系エンジニアが中心であるIoT分野に関わっている女性が少ないのはやむを得ないことと思っていました。しかし、このイベントでIoTに興味を持つ女性がこんなにたくさん集まったことには少し驚きです。電子工作という楽しみからIoT分野に飛びこむ、女性らしいしなやかさに、頼もしさを感じました。自分でも身近な生活を素敵にするIoTを考えてみようかなと思わせてくれるイベントでした。

原稿: Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。
ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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