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Pepperを活用!人工知能導入をお考えの企業のためのペップレwith Watsonの導入活用講座
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Pepperを活用!人工知能導入をお考えの企業のためのペップレ
with Watsonの導入活用講座

2017.06.05

 
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最近、企業の受付や店頭でも普通に見かけるPepperは、もっとも身近に接することができるロボットだと思います。しかし、ロボットと話すという楽しさ以外に、Pepperがどのくらい役に立っているのかは疑問です。そこで、PepperとIBM Watsonを連携させたソリューション事例や活用ノウハウを紹介するセミナーに出かけてみました。

Misa

会場は、東京都品川区のエクスウェア株式会社。JR品川駅から10分強の場所ですが、お天気もよく、名残りの桜を眺めながらのお散歩気分で到着しました。

出迎えてくれたのは、3体のPepper!複数のPepperが並んでいる光景って実はちょっとレアかもしれません。

エクスウェアは、国内で初めて Pepper と IBM Watson を連携させたQ&A自動応答ソリューションを開発した会社です。今回は、開発責任者の代田淳平氏による、人工知能活用の肝となる機械学習の仕組み、Pepper活用のノウハウなど、事例を交えた解説です。

講師:エクスウェア株式会社 取締役 ITソリューションユニット長  代田淳平氏

発表から2年半で、Pepper導入企業はすでに1,700 社を超えているそうです。残念ながら、話題づくりに留まっている事例も多いそうですが、ユニークな活用事例が聞けそうです。

Pepper の基本情報

Pepperには、家庭向けの一般販売モデルと店舗・オフィス向けのPepper for Bizがあります。ハードウェアは共通ですが、一般販売モデルだけの機能として、会話情報のログを共有するクラウドAI、雑談機能があります。それに対し、Pepper for Bizには複数台一括管理やPepperに仕事をさせるツール「お仕事簡単生成」、インタラクション分析(ログを分析するサービス)、電話サポートがあります。また、一般販売モデルは日本語と英語だけですが、Pepper for Bizは中国語にも対応します。
価格も、一般販売モデルの3年間の総額が1,083,600円(本体価格、基本プラン、保険パック)、Pepper for Bizでは2,332,800円(本体価格、基本プラン、あんしん保証パック)となります。

Watson の基本情報

人工知能(AI)とは、コンピューターによって、学習・推論・判断など、人間の知能の働きを人工的に実現するものです。一般的には人工知能には、画像、自然言語、数値の3つの適用領域があり、日本語版のIBM Watsonは自然言語に対応する人工知能で、話し言葉やテキストの意味を解釈することができます。

単なるキーワードの抽出ではなく、前後の文脈から意図を見分けて、「ソフトバンク」という単語から、プロ野球の球団と携帯電話会社のいずれかを推察します。人間ならば当たり前にできることですが、これだけのことができるプログラムを組むことを考えると大変なことですね!

人工知能の期待とギャップ

人工知能への期待は高く、革新的な取り組みも発表されていますが、実際の活用は難しいのが実情です。ドラえもんや鉄腕アトムのように、自意識や認知能力を持ち、人間そのものの知能が人工知能の完成形としてイメージされがちですが、現実には、AlphaGoやWatsonのように特定の分野に特化した人工知能しか存在しません。人間が普通にできることが完成形としてイメージされるため、実現のイメージはできても、技術的には実現できないというギャップが生じます。

こうしたギャップの中で、ニーズを満たしていくために人工知能と連携する独自システムと、人工知能のための学習データが重要です。

ペップレwith Watson の紹介

ペップレは、PowerPoint で資料さえ用意できれば、誰でも簡単にプレゼンテーションをPepper に任せられるというコンセプトで開発されました。
エクスウェア社が中途採用イベントでPepperに顔認識をして会話させようとしたところ、2時間でオーバーヒートしたことから「Pepperにできることは何か」という視点でスタートしたそうです。

クラウドにアップロードしたスライドと原稿で、Pepperにプレゼンテーションさせることができます。Pepper付属のタブレットでの表示だけでなく、大型ディスプレイと連動させることもできます。

ペップレすなわちPepperを安定運用させるにはコツがあるそうです。
例えばPepperは強い光があたると、その方向を向き続けて、首のモーターがオーバーヒートすることがあるそうです。屋外では要注意ですね。
また、Pepper用の台が小さいと落下防止機能が誤作動を起こす可能性があるのでPepperの周囲は80cm程度あった方が良いそうです。広い台に乗せるのは来場者からの接触を減らすためです。来場者に触られると、それだけ破損のリスクが高まります。どれも実際に経験してみないとわからないことばかりですね。

TalkQAによるWatson との連携で、Pepperに質疑応答をさせることもできます。TalkQAは、学習データ管理、問い合わせの検証と履歴管理、Pepper連携も管理するサービスです。

実践テクニック

5分間の休憩の後、人工知能の機械学習の実践テクニックです。実際に新卒学生向けの質疑応答の学習での事例が紹介されました。

人工知能は機械学習により学習データの特徴となる部分を学習し、新しい質問の特徴から内容を判定できるようになります。機械学習は、人工知能がデータを反復的に学習し、潜在的なパターンを発見し、新たに与えられたデータからパターンを見つけだせるようになる技術です。人工知能の学習の基準(特徴量)を設定する必要があります。この特徴量が正解率や確信度に影響します。機械学習の新技術であるディープラーニングでは、特徴量を設定する必要がなくなっています。

初めに学習データを作成します。この事例では、新卒学生から志望企業への質問になります。1つの質問に対して、5パターン程度のバリエーションを用意し、データチェックとAIトレーニング後の不正解に対する正解データの作成、不正解の分類と原因調査、学習データの修正という改善作業の手順を繰り返します。

本番環境と試験環境を用意し、回答率を比較しながらデータを修正していきますが、以下の点に留意し、改善作業のサイクルは4回程度が目安だそうです。

■単語そのものを登録すると、それが優先されるため回答結果が悪くなる場合が多い。
→回答が限定される場合を除いて、単語だけの登録は基本的に行わない。
■学習データの修正は関連していないところに影響を与える可能性がある。
■似ているカテゴリがあると回答が混ざりやすい。
→似たカテゴリを一つにまとめてしまうという方法もある。
■個別に改良すると正解率は上がるが、確信度が下がる場合がある。
■想定していない質問は学習データを追加する。
→関連していないところで不正解が出てくる可能性がある。
■一度に複数の新しい回答を追加すると、どれが影響しているのか判断しづらくなる。
→段階的に追加する。

人工知能による質疑応答は、類似した質問を繰り返され、回答が変動することがないケースが適しています。さらに正解率を上げるためには、対応できる範囲を明示するなどの方法で利用者への周知を図り、学習の範囲を絞ることで効果的な運用ができます。

Pepperというインターフェイスを
活かすのはアイディア次第!

Pepperの活用事例から人工知能の機械学習のコツまで、実践的な知識やノウハウを学ぶことができました。とてもわかりやすかったです!最新技術をビジネスに結びつけるには、技術だけではダメで、こうしたノウハウも大切ですね。そして、Pepperという魅力あるインターフェイスを生かすのは、ビジョンとアイディア次第だということがよくわかりました。

原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。
ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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