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5G×ドローン 急成長するドローン市場の現況とその未来
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5G×ドローン 急成長するドローン市場の現況とその未来

2017.04.03

 
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2月23日、表参道のdevcafe@INFOCITYにて開催された5Gアプリケーション研究会(5GAG)主催の第5回5Gアプリケーション研究会に参加してきました。今回のテーマは「5G xドローン」。5G次世代通信とドローンが描き出す未来の展望です。

鶴田展之

株式会社スカイウィングス COO、入江裕史氏

講師は株式会社スカイウィングスのCOO、入江裕史氏。同社は2016年5月に設立された、ドローン産業特化の人材紹介会社です。内閣府無人航空機官民協議会、i-Construction推進コンソーシアム、JUTM(日本無人機運行管理コンソーシアム)などを通じドローンに関する法整備にも参画する一方、ドローンスクールや国内ドローン関連企業とも提携するなど、ドローンビジネスの市場拡大に大きな役割を果たしています。

進歩した操作性

まず最初に、最新鋭ドローン「DJI MAVIC」による飛行デモ。700gちょっとの小型の機体ながら、会場の室内でも極めて安定した飛行を見せてくれました。

MAVICの価格は約15万円とのことですが、実勢価格5,000円ほどの「SPIDER2」マルチコプターとの比較ではその違いがはっきりわかる結果に。ドローンに慣れていない人の操縦では、SPIDER2は離着陸もおぼつかない感じに・・・。「上達を楽しむ」ホビーとしてはいいのですが、空撮等の産業用途では、やはり高価なものにはそれなりに理由がある、ということが理解できました。

殊にこの1〜2年でドローンの操作性は飛躍的に向上しましたが、それはドローンに搭載されている様々なセンサー類の恩恵によるものです。最近のインテリジェントなドローンには、加速度、ジャイロ、気圧、地磁気、GPS、オプティカルフローといった様々なセンサーが搭載されています。姿勢の制御、予定した経路での自律飛行や障害物回避、「リターントゥホーム」フェイルセーフ機能など、ドローンの高度な飛行はこれらのセンシング技術を集めて成り立っています。

さらにMAVICには下方を光学カメラと超音波センサーで感知して「危険だと判断したら着陸しない」機能まで搭載されているので、初心者でも墜落や事故を起こす心配はかなり小さくなっているといえるでしょう。

ドローン市場と5G

機体の向上とシンクロするように、2016年は国内外でドローンを取り巻く様々なトピックがありました。ゴルフ場限定でドローン配送サービスを行った楽天の「そら楽」サービス、キヤノンのプロドローン社への出資、アマゾンがイギリスでプライムエアー配送の実証実験に成功、さらにはUberがVTOL機による「空飛ぶタクシー」計画を発表するなど、民間のドローンビジネスは着々と進行しています。

また、ドローンレースも話題を集めました。ドバイで開催されたレースの賞金総額はなんと1億円、優勝者はイギリスの中学生だったそうです。日本でも北海道無人機山岳救助大会が開催され、人が立ち入れない難所での人命救助という課題にドローンを活用する試みが行われています。

現状、ドローンの用途は空撮、産業面では農薬の散布、測量等が先行していますが、ドローンに搭載する入出力デバイス次第では無数のドローンサービスを考えることが可能です。映像ではギガピクセルカメラや全天球パノラマカメラ、音声では特定周波数帯のノイズに遮られず狙った音だけを集音するインテリジェントマイクなどが有力ですし、プロジェクターやレーザーレーダーを搭載して測量や誘導に活用することも考えられます。釣り竿を装備して漁業に使うというアイデアは個人的には冗談かと思ったのですが、後で検索してみたところ実際にやっている動画がありました(笑)。

入出力デバイスや搭載されるセンサー等が多様化し、様々なサービスが検討されるようになると、通信への要求が高度化してくるのは業界の常です。大容量高精彩な映像・音声データの伝送には太い帯域が必要になります。IoT分野でのセンサーデバイスの激増で機械学習を前提とした解析データの母数増大も懸念されますし、自律的な運用を考えると遅延のない群制御も必須になります。

オリンピックに向けた準備、ICTを活用した建設、農林水産業の改革など、国内でも順次ドローンの産業利用が進められていくとすると、最新の移動体通信、つまり「5G」に求められる役割も今後大きく膨らんでいくことになりそうです。

ドローンと法律

ところで筆者も、「ドローンビジネスの可能性を探る」という名目で、昨年末にドローン「DJI PHANTOM 3」を購入しました。単に空撮してみたかっただけなのは内緒ですが、実はまだ1回も飛ばせていません。これは、いざ飛ばそうとなると、けっこう法律が厳しいからなのです。

2015年12月10日に改正された航空法ではドローンに関する飛行ルールが定められ、人口密集地域での飛行は原則不可になりました。「人口密集地域」というのは5年ごとの国勢調査で決まりますが、筆者の行動範囲である東京・神奈川の、特に空撮してみたい海岸線エリアはことごとくこれに当てはまってしまうのです。

※赤い部分は人口密集地域

つまり、都心周辺でドローンを飛ばそうと思ったら、余裕を見て1ヵ月前までには国土交通省への届出を行う必要があるわけですね。違反すると50万円以下の罰金刑ですし、事故は怖いのでここはしっかり守らねばなりません。

さらに、飛ばす前にはその地域の警察署にも一報入れておくのがよいそうです。道路交通法上、公道の上空を通過することに関して許可が必要かについては諸説あるようですが、あらかじめ連絡しておけば万一近隣住民から通報があった場合でも警察が飛んでくるというリスクは回避できます。

航空法、道路交通法以外にも、個人情報保護法(映り込んだ車のナンバーや表札などをそのままYouTube等で公開しない)、電波法(技適マーク必須)など、ドローンを飛ばすには守らねばならない法律がいろいろあるので、しっかりと勉強してからパイロットデビューしたいと思います。

なお、ドローンパイロットや安全運行管理者、オートパイロットを制御するプログラマなど、今後ドローン関連人材へのニーズも高まる可能性が高そうです。ドローンに興味があってジョブチェンジを考えている方はひとつの職能的な選択肢として検討してみても良いのではないでしょうか。

原稿:鶴田展之
qnote代表取締役。オープンソースソフトウェアを用いたシステムインテグレーション及びコンサルティングの傍ら、技術書を中心に多数の著述活動を行う。
なお、オフィスには7匹の猫がいる。

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