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「勉強会に行ってみた!」第48回「ドローン忘年会 各メディア編集長と振り返る2016年ドローン業界」
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「勉強会に行ってみた!」第48回
「ドローン忘年会 各メディア編集長と振り返る2016年ドローン業界」

2017.02.02

ドローン業界の動向を振り返る座談会のような勉強会です。ドローンには疎いのですが、いま世界はどうなっているんでしょうか。業界のみなさんのお話を聞きに行きました。

三土たつお

場所は紀尾井町の東京ガーデンテラスにある、ヤフーLODGEというコワーキングスペースでした。

東京ガーデンテラスって初めて知ったんですが、赤坂プリンスホテルを解体して新しくできたビルなんですね。すごいピカピカしています。

会場は建物に入って18階まで上がったところ。

「ドローン忘年会」というわけですから、ここに集まっているみなさんは今年のあいだドローンに関わってきた人が多いのでしょう。

まずはライトニングトークから

一年を振り返る前に、まずは「私ドローンでこんなことやってます!」というLTから始まりました。

最初はヤマハの浅野さん。

浅野さんは、ヤマハといってもヘリとかを作っているほう(ヤマハ発動機)ではなく、音楽のほうのヤマハに所属しているそうです。ただ、個人的にドローンにはまってしまって、なんとか会社の業務でもドローンに関わりたいと思ったそうです。

そこで考えたのが、ドローンのレース中の音楽や照明などの演出を盛り上げる技術。

具体的には、ドローンのスロットル操作に応じてモーター音を合成したり、旋回操作に応じてBGMの音をゆがませたりといったことだそうです。会場にデモ用の機械を持ち込み、実際にプロポを操作することで音楽が変わる様子を紹介していました。

つぎは、skyerの宇佐美さん。

ドローンアイデアソンという、ドローンを使ったアイデアのコンテストを開催しているんだそうです。ちょうど明日も秋田県でアイデアソンをやるらしく、あとから夜行バスで向かうとのこと。すごい。

そしてコムパワーの小林さん。アメリカで開催されたインターナショナルドローンエキスポというイベントに行ってきたレポートでした。

アメリカで開催されたイベントですが、出展しているメーカーは中国の深センの企業がとても多かったそうです。ドローンのメーカーの本場は深センなんですね。

ドローンにディスプレイを掲げて広告を映す、というような商品も展示されていたそうです。

座談会:「2016年のドローン業界を振り返る」

つづいて2016年を振り返る座談会が行われました。登壇したのはこの3人。

まずは横田さん。

「もともとシステム屋さんだったのですが、ドローンにはまって独立しちゃいました。今はドローンレースをやったり、入門者向けサイトを運営しています。」

YOKOTA Atsushi氏プロフィール:
ドローンレーサー、入門者向けドローンサイトBE INTO DRONE運営、drone.jpで連載、JDRA、元ワークスアプリケーションズでプロマネ・プログラマー後独立したものの、ドローンにはまり人生が変わっちゃった。
https://drone.beinto.xyz/

続いて猪川トムさん。

「メディアをやっています。古くから始めたので、ドローンメディアの中では日本でトップの規模になっているようです。」

猪川トム氏プロフィール:
出版社、広告代理店、CM制作会社を経て、株式会社プロニュースに参加。映像専門WebマガジンPRONEWS編集長、ドローン専門WebマガジンDRONE編集長。
http://www.drone.jp/

そして春原さん。

「ドローンクラスターというフェイスブックのコミュニティを主催しています。ドローンのコンサルや技術者育成をやっています。」

春原久徳氏プロフィール:
FBサイト「ドローンクラスター」主宰。 ドローン・ジャパン株式会社 取締役会長 セキュアドローン協議会 会長 年間80回のドローン関連セミナーや勉強会で講師を務める。 ドローンエバンジェリストを自認。
https://www.facebook.com/drone.cluster/

そして司会は、今回の勉強会の主催であるドローンメディアの岩崎さんです。

岩崎覚史氏プロフィール:
日本初のドローン専門メディア DRONE MEDIA 編集長。コンサルティング、事業構築支援、イベントプロデュース、空撮なども手掛ける。
http://dronemedia.jp/

今年の機体について

今年はいろんな会社がドローンを作るようになりました。スマートフォンメーカーのXiaomi(シャオミ)、そしてGoPro。とはいえDJI(※1)はやっぱりすごいなというところが際立ったように思います。今年の機体で感じることはありますか?

※1 ドローン最大手メーカー

シェアでいうと、日本で飛んでいるドローンの7割はDJIかなと思います。DJIと連携する企業も増えてきましたね。他のメーカーでは、DJIがやっていない固定翼というものを、主に軍事から来たメーカーがやっています。

レース用のドローンはこの一年でかなり進化しましたね。家の大掃除をしていてびっくりしたんですけど、ちょっと前のものはフレームも大きくてモータもごつい。我ながらこんなのを使っていたのかと驚きました。

『いま買うべきレース用ドローン10選』という記事を書いて横田さんに見せたら、それもうぜんぶ古いですよと言われたことがあります(笑)。

業界について

これは現在の主なメーカーを一覧にしたものです。今年の業界の動向についてはどうですか?

3DR(※2)が内紛状態みたいになっちゃったのがちょっとショックでしたね。

※2 3D Robotics社。苦戦により事業の主軸転換を発表

3DRはDJIに正面からぶつかろうとしていました。去年のクリスマスが大きな商機だったんですが、びっくりするくらい売れませんでしたね。結構なお金を集めたのに、たった一発の商戦を逃したらダメになっちゃうんだなあというのが印象的でした。いまはDJIに正面からぶつかろうとするメーカーは欧米にはいませんね。

ドローンレースについて

ドローンレースの状況はどうですか?

そうですね、この中でドローンのレースに参加したことがある人は?(会場、あまり手が上がらない)。まずドローンレースについて説明すると、森の中とかですごい速度でドローンを飛ばすような競技です。

今日はこういう機体をもってきました。ちょっと飛ばしてみましょうか。

横田さんが操作すると、床に置いたドローンが小さく甲高い音を立てながら軽やかに飛び立ちました。

海外では毎月、毎週のようにレースが開催されています。国内ではそこまでではないですが、確実に増えています。ドローンレースは国内に4つの団体があるんですが、12月にそれらのレースが重なって、関東だけで出場者が100人を超えました。去年なら20人くらいだった。それくらい増えています。

京商のドローンレーサー(※3)が入り口になるんじゃないかと思うんですよね。タミヤもそういうのを出せばいいのになあ。

※3 老舗ラジコンメーカーである京商が先月発売したレース入門向けの機体

ドローンレーサーは初心者に向いていますね。すぐクラッシュしないし、価格も手ごろ、軽い(※4)ので航空法的にも問題ありません。

※4 200g以下の機体はドローン規制の対象外

ところで、ドローンレーサーはイケメンが多い気がするんですよね。その方面から押していけないですかね?

仮にそうだとしても、実際のレース中はゴーグルをかぶって下を向いていて、かなりかっこ悪いですよ(会場笑)。

というわけで横田さんにゴーグルをかぶってもらいましたが、とくにかっこ悪くないような…。

業務用途について

一方で、業務用にドローンを使うという用途もあります。この点についてはどうでしょうか。

空撮や農薬散布といった業務の場合は、ドローンは手段に過ぎません。レースだと飛ばすこと自体が目的。ここがまず違う。また業務用の場合は自動操縦が今後主流になると思います。

ビジネスとして見た場合はどうですか?

ドローンでみんなが儲かるようになってほしいと思っていますが、今のところビジネスとして成立しているのは国が事業として推しているものが多いですね。

画面にも出していますが、国交相の三次元測量や、農水省の農薬散布の事業などですね。

今年は業務用途が動き出した年だと思っています。ただし地方での活用が多く都会だとそれがわかりづらい。主に農業や土木で動き出している。なので、地方でドローンを活用するためのガイドラインづくりなどのコンサルティングをしてあげると、自治体から頼られる存在になると思います。

2017年の展望

来年の展望はどうですか?

一般の大企業がドローン専業メーカーと連携する例が増えていますね。ドローンが産業の中に広まっていくと思います。コンシューマー向けでは、Dobbyのような『飛ぶカメラ』というべきドローンも増えそうです。

ドローンレースでいうと、操縦している本人はめちゃくちゃ楽しい。でも見ている人はどうなのかという課題があります。スポーツ化を目指す上で、観客を楽しませるという視点がマストだと思っているので、今までのレースでいいのか、もっと変えられることはないか、模索したいです。

ドローンのオペレーターにとって、操縦がうまいというだけでなく、ソフトウェアを理解することが重要になると思います。たとえばDJIのSDKは理解したほうがいい。技術者の育成が重要。機体でいえば、空を飛ぶものだけでなく、地上を走るようなもの、海にもぐるものなど、世界が広がっていくと思います。

まとめ

「DJIに正面からぶつかろうとするメーカーは欧米にはいない」という言葉に驚きました。DJIってなんとなく欧米のメーカーだと思っていたんですが、中国の深センのメーカーなんですね。そして今やドローンメーカーの本場は深センだったんですね。

座談会に出てきたドローンレーサーの紹介動画を見てみたんですが、たしかにこれはかっこいいおもちゃですね。ドローンは高いしどうせ街中じゃ飛ばせないしいらないなあと思っていましたが、こういう手の届く価格で近所で飛ばせるものがあるとなると、ちょっと触ってみたくなりました。

空に飛ばして空撮するだけがドローンじゃないんだ!というのも驚きでした。海にもぐらせたり、測量したり農薬散布したり、いろいろと世界が広がっているんですね。紹介されていた一万円前後のものから、今のうちに少しでも触っておきたいなと思いました。

今回行った勉強会:「ドローン忘年会 各メディア編集長と振り返る2016年ドローン業界」
http://dronemedia-meetup-2016.peatix.com/

原稿:三土たつお
1976年生まれ。プログラマー、ライター。プログラマーとしてはふだんPHPを書いてます。ライターとしてはニフティのデイリーポータルZとかで書いてます。近著「街角図鑑」(実業之日本社)。
http://mitsuchi.net/

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