「勉強会に行ってみた!」第46回「HTML5モバイルDAYセミナー」
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「勉強会に行ってみた!」第46回
「HTML5モバイルDAYセミナー」

2016.12.20

2015年はビッグデータの時代、2016年はAIの時代、そして、2017年はロボットの時代になると言われています。確かに今年1年は、囲碁や将棋のソフトがトッププロを破るなどAIの活躍を報じるニュースも多く、AIがぐっと身近に感じられるようになった年でした。では、本当に来年ロボットの時代が来るのでしょうか。もうすぐ年末ですが、日常生活を送っていてもロボットに触れる機会は少ない……せいぜい、店先や会社の受付で接客ロボットを見かけるくらいです。人に全く相手にされず、隅っこで微笑んでいるロボットに悲しくなることもあります。近い未来に、本当にロボットが身近になるのでしょうか。

そんな折、代表的なロボットであるPepperの優れた事例をたくさん持っている会社が展示会で新たな取り組みについてセミナーを行う、という話を聞き、ロボットの時代を探すために秋葉原UDXに向かいました。

山川 信之

Monacaが得意なヘッドウォータース社

Monacaというものをご存じでしょうか。和菓子のモナカじゃありません、クラウド上で動くプラットフォームのことです。一昔前はHTMLというとWebページをデザインするだけの言語というイメージでしたが、HTML5にバージョンアップしてからはすっかり高機能になり、Webアプリケーションの開発にも使われるようになりました。開発といえばMonacaは数あるプラットフォームの中でもモバイルアプリケーション開発に特化しています。
今回の展示会は、「HTML5モバイルDAYセミナー」という、Monacaをテーマとして扱った場所でした。

ロボットの話のはずがモバイルアプリ?
関係がイマイチわからないまま、セミナーが始まりました。

登壇したのはヘッドウォータース社(http://www.headwaters.co.jp/)の西間木部長(左)と中村氏(右)。

同社は2005年設立なので、ロボットやAI、ビッグデータ、IoTといったバズワードが登場する前からある会社です。設立当初からWebアプリやスマートフォンアプリの開発を手がける一方で、2011年からPepper開発にも進出。みずほ銀行を初めとする有名クライアントのPepperアプリの開発支援を行うなど、ロボット分野での実績も多数有ります。

そして今、その二つの分野、モバイルアプリとロボットを組み合わせて新たなことをやろうとしています。

リピーターを確保せよ。飲食店の悩み

同社が目をつけたのが、飲食店を初めとする店舗の集客でした。集客には大きく分けて新規と既存、二種類の顧客が存在します。新規のお客さんを呼び込む方法はメールマガジンやWeb広告、クチコミやクーポンなどたくさんあります。
しかし、新規の顧客だけでは営業を続けることは困難です。一度来てもらったお客さんをいかにリピーターにするかが肝心です。しかし、リピーターを増やす方法はあまりありません。何故か。会員登録という大きなハードルが原因だと思われます。
会員登録をしてもらえれば、イベントやクーポンといった情報を発信してリピーターを呼び込めます。しかし、考えてみてください。新しい店に行くたびにポイントカードや会員登録をしますか?面倒だし、財布がパンパンになってしまうし、時間もかかる。リピーターを増やす良い方法が切望されています。

そこで同社が考えたのが、タブレットで顔認証をする仕組みです。最近、居酒屋やファミリーレストランなどで、タブレット注文の仕組みが増えています。そこに一工夫加えたのです。一見さんが最初にオーダーするときに、名前と顔写真をタブレットで登録してもらいます。すると、次に来たときに、顔を認識して、「二回目にいらっしゃった○○さんですね」と接客することができるのです。

顔写真を登録、と聞こえるので抵抗を覚える方も居るかも知れません。安心してください。保存するのは顔写真ではなく、そこから抽出された、個人情報を含まない特徴データのみです。特徴データを保存することにより、リピーターであることが判断できるのです。
その結果、店側では以下のようなサービスを提供することができるようになります。
・以前頼んでいたメニューからお勧めを案内する
・「いつもの」メニューをセットメニューとして提示できる
・沢山来てくれているので、特別クーポンを発行する

つまり、一人ひとりの顧客のニーズに合った接客が、タブレットを通して可能になるのです!

ロボットとの組み合わせで更なる価値を

やっとロボットの登場です。今回はSota※という卓上に乗る位の大きさのロボットを使うようです。

タブレットによる顔認証にロボットを組み合わせると何ができるのでしょう?

まず、会話ができます。タブレットでの登録には抵抗があっても、可愛い小型ロボットに「お名前を教えて、写真をとらせて」と言われたら、まあいいか、と思ってしまう人もいるのでは。心理的ハードルを下げる狙いです。
次に、カメラで状況を認識できます。例えば居酒屋だったら、お客さんのグラスが空いているのを見て、「次の注文はいかがですか?」と声をかけることができるようになっていきます。アパレルだったら、お客さんの年代や性別に合わせてお勧めの服を選んだりできるようになっていきます。

AIエコシステム

こういった未来感のあるタブレットやロボットの活用はなぜ実現可能になったのでしょうか。実現のためには顔認証や自然な会話、双方向のコミュニケーションなどが必須ですが、これらはそもそもAIの技術が発達してきたからこそ可能になりました。

ただ、AIを全て自社で開発しようとすると莫大な労力がかかり、巨大企業でしか実現できません。そこで、ヘッドウォータース社はMicrosoftを初めとするクラウドベンダーが、各種の人工知能などコグニティブコンピューティングの仕組みを開発し、APIなどの形で使いやすく展開していることに目を付けました。AIに関するいわゆるエコシステムに参加したのです。

同社は、コグニティブコンピューティングの仕組みとスマートフォンやロボットをスムーズに連携させるためのサービス「SynApps(http://www.headwaters.co.jp/service/pepper/synapps.html)」を開発しました。その結果、以下のようなことが実現できるようになったのです。

・画像や映像から何であるか学習、識別

・音声からことばや感情を読み取り、意味を解析

・ログを自動的に記録、機械学習により予測

・モバイル・IoTデバイス・ロボットに、道具や情報を与える

・デバイスCMSから各種デバイスに設定を与える

元々Monacaなどを用いたスマートフォンアプリ開発が得意な同社は、「SynApps」を武器にしてアプリの高度化及びロボットとの展開を可能にしたのです。

ロボットが日常になる近未来

タブレットに顔認証の機能を与えて、リピーターの把握ができるようになる。そして、お客さんとの接点にロボットを用いて、できることを広げていく、という取り組みについてご紹介しました。

居酒屋でのタブレット+顔認証+ロボットのサービスは現在実証実験中だそうです。早く、こういった便利な接客を受けてみたいですね。
実証実験に参加する店舗が増え、その中から本採用が増えれば、ロボットが日常になる未来は目の前です。

イメージ動画

タブレットもロボットも動くものなので、文書だけでは伝わりにくいかもしれません。ぜひ、以下の動画も見てみてください。
・Sota※コントローラ プロモーションCM動画
https://youtu.be/EuD7625f_og

・SynAppsTablet プロモーションCM動画
https://youtu.be/9tuXoipspHw

※Sota(ソータ)は、ヴイストン株式会社の登録商標です。

原稿:山川信之
データサイエンティスト、コンサルタント。
ロボットに負けず劣らずデータサイエンスの世界も変化が激しい。学生の頃プログラミングで何晩も徹夜した課題が、今では3行で実行できることに涙しました。

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