「勉強会に行ってみた!」第38回 「フリーランスエンジニアへの第一歩」
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「勉強会に行ってみた!」
第38回 「フリーランスエンジニアへの第一歩」

2016.09.30

フリーのエンジニアって稼いでそうだけど、実際の年収はどれくらいなんだろう? 仕事は大変なのかな、みたいなことが気になる人も多いんじゃないでしょうか。今回のテーマはずばり、フリーランスとして成功するための秘訣だそうです。どんなお話が聞けるのでしょうか。

(三土たつお)

会場は、新宿にある株式会社NOWALLのオフィスのあるビル内にあるコミュニケーションルームでした。

お話は座談会形式で進められました。登壇者は3名です。

■柏木祥太氏(株式会社NOWALL 代表取締役CEO)

まずは柏木さん。今回の勉強会の主催である株式会社NOWALLのCEOです。プロフィールによると、18歳でフリーになり、20歳で会社を設立したとのこと。ちょっと参考にならないレベルですごいですね。

柏木祥太氏プロフィール(イベントページより):
プログラミングに12歳から触れ始め、 個人ブログを設立し、学校内SNSを開発し、WEBサービス開発を覚える。 その後高校2年時(17歳)で大阪の私立清風高校を中退し、エンジニアとして就職。18歳になりフリーランスとして独立していくことを決意し、フリーランスエンジニアとなる。その後ベンチャー企業取締役CTOを経て、20歳に株式会社NOWALLを設立。 扱える言語: PHP(CakePHP, Symfomy, CodeIgniter) / JavaScript / Ruby(Ruby on Rails) / Objective-C(少々) / Java(少々)

■柳澤直氏(株式会社リクルートホールディングス フロントエンドエンジニア)

つづいて柳澤さん。慶應SFCの在学時に共同で会社を設立、その後フリーランスとなりました。現在は会社勤めをしているそうです。

柳澤直氏プロフィール:
慶應義塾大学総合政策部在学中に当時のインターン先の先輩と受託開発会社を設立。その後大学生フリーランスプログラマーとして独立し、2016年3月に大学を卒業後新卒でリクルートホールディングスへ入社。現在はリクルート住まいカンパニーへ出向し、フロントエンドエンジニアとして日々奮闘中。 扱える言語: JavaScript / CSS / Ruby(Ruby on Rails) / PHP (少々)

■溝垣雅人氏(フリーランスエンジニア)

最後は溝垣さん。主に iOSアプリの設計と開発を手がけるフリーランスエンジニアです。

溝垣雅人氏プロフィール:
大学卒業後、フリーターとして全国を転々とした後、4年前に大手人材会社のプログラミング研修受講を転機にエンジニアとしてのキャリアをスタートする。その後iOSエンジニアを軸として、チームラボ、リクルートキャリア、リクルートテクノロジーズ、DMM.com、Cyber-Z等といった有名IT企業から業務委託として常駐を繰り返し、現在に至る。 扱える言語: Swift / Objective-C / Ruby on Rails / C++ / C# / Java / JavaScript

MMizogaki Portfolio
http://githubpage-mmizogaki.github.io/

■フリーランスエンジニアとは?

まず、フリーランスエンジニアとはなにか?ということについて簡単に触れておきましょう。特定の企業に雇用されることなく、個人として仕事を行うエンジニアがフリーランスエンジニアです。働き方としては、アプリ作家のように完全に個人で仕事を回したり、企業と契約して仕事を請け負ったり、あるいは企業に常駐したりとさまざまな形があります。

ではいよいよ本編です。「1ヶ月で最高どれくらい儲かった?」など、気になるいくつかのテーマについての本音の座談会が行われました。

■そもそも、なんでエンジニアになったのか?

そもそもどうしてエンジニアになったのか?が最初のテーマでした。なんてことない質問ですが、この答えの時点で3人の人生が非常にドラマチックというか、普通じゃないことがわかりました。

まずは柳澤さん。ちょっと長いですが、面白いです。

大学の進学のときに、進路について親と喧嘩したんです。それで独立心が芽生えて、大学では仕送りをもらわずに自力で生活するという目標を立てました。コンビニを含めいろいろアルバイトをしましたが、エンジニアの時給がとても高かったんですよね。

それでエンジニアのバイトを始めたんですが、最初に入った会社をわりとすぐにクビになってしまったんです。それが悔しくて、頑張って勉強しました。

大学で仕送りをもらわない目標を立てた、の時点で「あ、普通の学生じゃないな」と思いました。なんとなくフリーランスになったとかでは決してない。もともとの気概が違うという感じ。

次は溝垣さん。この方も面白いです。

もともとパチンコ屋の店員でした。パチンコで大勝ちしてベンツ乗ったりとかしてました。iPhoneを持ってたんですが、アプリで大儲けした人がいるみたいな記事を読んで、アプリ作ろうと思って Macbook air を買ったんです。それで Objective-C を勉強しました。

なんかもういろいろすごいですよね。ベンツもすごいし、初心者からいきなり Objective-C っていうのもすごい。

■独立したきっかけは?

気になるのはここです。フリーランスは儲かるかもしれないけど、リスクも大きい。会社員のまま留まる人が多い中、どうしてフリーの道を選んだのか?

大学の先輩と起業することになり、先輩は自社のサービス開発を、自分は受託開発をやりました。しかし、先輩のサービス開発のペースがあまりにゆっくりで、いつまでにここまで出来てなければやめると宣言しました。で、結果として出来なかったのでやめたんです。

もっと早いペースで進めたいという理想と違ったということ、それから受託開発でやっていけるという自信があったので、辞めるという選択ができたということでしょうか。

最初は正社員だったんですが、副業で請負もやってたんです。そしたら結構な金額になって会社にバレました。それがきっかけとなって、それに一人でもやれるだろうという自信もあったので会社を辞めました。

バレたかーという感じではありますが、重要なのは副業でやってたということじゃないでしょうか。個人での実績がない中でいきなり辞めるんじゃなくて、まずは副業でやってみることで、自分がどれくらいいけるかがわかる。

ただし大変です。本業も忙しいなか、残りの時間も副業にあてるわけですからね。ふつうに考えると余暇とか睡眠時間とかが削られるでしょう。

もともと中学生のときから学校の裏サイト的なものを作ったりしていました。高校のときに先生と揉めて学校を辞めることになり、そのときに親からほとんど勘当される形で家を出ることになりました。人生詰んだ、どうしようと思いました。

それでも大学受験のために予備校に入ろうと思ったんですが、入学金が高い。フリーランスになって稼ぐしかないと思ったんです。

どうです、この人生。もともとエンジニアの素養はあった。そして逆境に追い込まれてむしろそこを武器にして攻めたということですね。

会社勤めはしてるけど、やめようかなーどうしようかなーみたいなのが普通だと思いますがそういうぬるい感じは全然しませんね。

■最初の案件はどうやって取った?

ここも気になりますよね。フリーになったとして、最初の案件はそもそも誰からどうやって取ってくればいいのか?

むかし OpenPNE というオープンソースのミクシィみたいなSNSがありました。まさにその会社にいました。OpenPNE を使った開発は初心者には難しく、かつやってるところが少ないので開発会社に依頼がくる。会社で受けると高いところを、個人なら安く請け負いますとやりました。

OpenPNEをできる人が少なかったというのは重要です。やってる人の多い分野ではなかなか仕事が取りづらいということはあるでしょう。

最初は知り合いの知り合いみたいなところから仕事をもらいました。コネですね。その後は、エージェントに登録して仕事を探しました。

■フリー初年度に最高で月にどれくらい稼いだ?

みんな気になるお金の話。実際にフリーになった人の年収や月収はどれくらいだったんでしょうか? ここでは初年度の最高の月収を教えてくれました。

だいたい5〜60万円でしたね。

100万円ぐらいです。常駐の仕事が80万円として、あとは受託をちょろっとやれば20万円ぐらいできちゃう。

みんな!やっぱり稼いでますよ。でも「※ただし彼らに限る」という可能性が常にあるんですよね。

■フリーになっての成功談、失敗談は?

フリーになったらどんな恐ろしい失敗が待ち受けてるんでしょうか。あるいは華々しい成功が待っているのか?

自分の価値以上だろ、という価格で仕事をもらえるのは嬉しかった。失敗談としては、受託開発で要件を詰めずに進めたら後から仕様をいつのまにか追加されまくったというのがあります。

似たような経験はあります。約束の半分の期間でやれ、しかもお金は当面払えないと言われました。弁護士を立てて交渉したら、ようやく払ってもらえることになりました。

先方のつくった詰めの甘い契約書のままで進めたことも原因ではあるので、それ以降は契約書をすみずみまで注意して読むようになりました。

こんなふうに不利な状況に立たされることは絶対にあり、そんなときにちゃんと交渉できなければやっていけない、と3人とも口を揃えて言っていました。

■まとめ

今回の3人については、みんな最初から自分を追い込んだり、一人で始めた人たちでした。感じたのは気概の違いと、とりあえず始めて見るという精神ですね。

iOSアプリで儲けてる人がいる。でも自分には無理・・じゃなくて、とりあえずやってみる。とりあえず学校の裏サイトつくっちゃう。そういう人がフリーランスには向いているのかなと思いました。

話を聞く前は、小さい頃からコンピューターを触ったり、最初からエンジニアを志したりするような人がフリーになるのかなと思ってたんですが、実際には大学卒業後に初めてパソコンを買ったり、大学の先輩に誘われて、みたいなパターンもあるんですね。実のところぼくも、大学の同級生に誘われて起業に参加し、その後もなんとかやっている感じです。とりあえず初めてみるということが大事なのかなと感じました。

なお、勉強会を主催した株式会社NOWALLでは「ELITES」(エリーツ)というエンジニア養成スクールの運営や、フリーランスエンジニアの方に案件を紹介する「NOWALL AGENT」というサービスもしているそうです。

ELITES : http://elite.sc
NOWALL AGENT: https://nowall.co.jp/agent

今回行った勉強会:「【参加費完全無料】フリーランスエンジニアへの第一歩」
http://connpass.com/event/37925/

原稿:三土たつお
1976年生まれ。プログラマー、ライター。プログラマーとしてはふだんPHPを書いています。ライターとしてはニフティのデイリーポータルZとかで書いています。
著書に「街角図鑑」(実業之日本社)など。

http://mitsuchi.net/

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