「第2回 静的サイト勉強会」
event

「第2回 静的サイト勉強会」

2016.04.21

ティム・バーナーズ・リーがWebを作ってから、来年で30年になります。30年という年月が長いか短いかはさておき、Webサイトを公開するためのツールは、当時とは比べ物にならないぐらい進歩して便利になりました。WordPressやMovable Type、Drupal、WebRelease2などのCMS(コンテンツ管理システム)を導入すれば、いちいちHTMLやCSSを書かなくても、誰でも簡単にWebサイト上のコンテンツを更新できます。今や、どんなに大規模で更新頻度の高いサイトでも、運用に特殊な知識や多数の人手が必要になるなんてことはほとんどないでしょう。

しかし、一方では、CMSの普及によって別の問題も顕在化してきています。特にシェアの高いWordPressなどは、悪意のあるクラッカーに狙われやすいこと、アクセスの増加に対して高負荷になりやすいことなどから、導入を敬遠するケースも見られるようになってきました。そこで最近あらためて見直されつつあるのが、「静的」なWebサイト構築です。3月28日、最新の静的サイト構築の手法を学ぶため、静的Webサイト研究会主催の「第2回 静的Webサイト勉強会」におじゃましてきました。当日は3つのセッションと2つのLTという、短時間とはいえ濃密な勉強会になりましたが、今回はその中から株式会社フィードテイラー代表取締役、大石裕一氏のお話をレポートします。

(鶴田 展之)

■『Webサイトは「動」から「静」へ?静的サイトジェネレータに見る原点回帰?』

大石氏も、常日頃から動的なCMSに依存している状態に疑問を感じていました。自社サイトをWordPressで構築したけれど、アップデートが怖くてできない、バックアップが面倒、更新作業がめんどくさいなどの不満があった上、はてブ砲を食らってサーバが落ちたことで静的サイトへの移行を決意。Googleの「GO言語」で書かれた静的サイト生成ツール「HUGO」を利用して、自社サイトを構築しなおしたそうです。

WordPressやMovable Typeと異なり、HUGOでは、ローカルPC上に生成のための環境を構築します。記事は「Markdown」記法で記述し、あらかじめレイアウトを定義したテンプレートを通して静的HTMLとして出力されます。サーバにアップされるのは、生成後のHTML、CSS、画像等だけなので、バックアップやメンテナンスも容易になり、サーバコストも従来の1/6程度まで圧縮されました。

課題は、簡単とはいえMarkdown記法を習得しなければならないことや、HUGOのコマンドを「真っ黒な」コマンドラインから実行しなければならないことで、これはテキストエディタにすら馴染みの薄い一般のユーザーにはちょっとハードルが高そうです。当面は、動的にCMSを使って構築する部分と静的化する部分を、更新頻度や求められる機能によって使い分けることも検討する必要があるでしょう。

■HUGOだけではない静的サイトジェネレータ

HUGO以外にも、いくつかの静的サイトジェネレータが人気を集めているようです。Rubyに慣れた人なら、「Jekyll」を使ってみるのもいいでしょう。入門編には「Octopress」も便利です。Octopressはブログサイト向けにJekyllを拡張したフレームワークで、比較的誰でも簡単に使いはじめることができます。生成速度的にはGOで書かれたHUGOにアドバンテージがありますが、Jekyllにも日本語の情報が入手しやすいというメリットがあります。他にもPelican、Hexo、Middlemanなど、個性的なツールがたくさんありますので、動的サイト、CMSの運用に限界が見えてきたな、と感じている方は、段階的にでも静的サイトジェネレータを使ってみてはいかがでしょうか。

原稿:鶴田 展之
qnote代表取締役。オープンソースソフトウェアを用いたシステムインテグレーション及びコンサルティングの傍ら、技術書を中心に多数の著述活動を行う。
なお、オフィスには7匹の猫がいる。

この記事はどうでしたか?

おすすめの記事

キャリアを考える

BACK TO TOP ∧

FOLLOW