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「勉強会に行ってみた!」第22回「IoTの「T」が見れるでShow!」
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「勉強会に行ってみた!」
第22回「IoTの「T」が見れるでShow!」

今回はIoTの勉強会に行ってきました。IoT とは「Internet of Things」の略ですが、その「T」、つまりネットにつながるモノをいっぱい集めました!というイベントのようです。いったいどんなものがあるのか、行ってみました。

(三土たつお)

主催はニフティでした。ということは場所は西新宿、ニフティ本社ですね。

どーん

第19回で mBaaSを取り上げましたが、その主催も同社でした。個人的にも仕事でお世話になっているので、もはや行き慣れた感じがあります。

さて、場所はセミナールームです。

扉から部屋を覗いてみたら早くもぎゅうぎゅうでした。さっそく中に入ってみましょう。

中はこんなふうに、各社のブースが並んでいて、いろいろとデモを見せてくれるような感じになっていました。

■pepper

最初のブースにいたのは pepper でした。

pepperくんはいろいろなことができます。たとえば、「電気をつけて」と口頭でお願いすると、

ピカー!

こんな感じで机の上のライトをつけたりすることもできます。このライトはもちろんpepperと直でつながってるわけじゃなくて、一回サーバーを介してるわけです。

pepperくんはプログラマブルな上にもちろんこんなふうにネットにつながりますので、たとえば目で見た景色をサーバーへ送って、そこで画像認識した結果を受け取り、それをもとに音声で「きれいな花ですね」とか言うようなことも原理的にはできます。

今ではそういう話にも慣れてきた感じがありますが、でもそれってすごいことですよね。たとえば人間はそんなことできません。知らないものを見たときに、自動的に頭の中の映像を遠隔に送って結果を返してもらうようなことはできません。そう考えるとすごい便利な話です。

pepperくん、大人気

ちなみに「勉強会に行ってみた!」ではpepperの開発体験ワークショップにも行っていますので、よければ見てみてくださいね。

第16回「Pepper 開発体験 ワークショップ」
http://geekroid.localhost/2015/09/16pepper.html

■RICOH THETA S

つぎはリコーのTHETA Sを見せてもらいました。

THETA S

シータといえば周りの景色が360度ぐるっと撮れるカメラですが、シータSはwifiモジュールがあるので、撮った映像をそのままストリーミング配信したりもできるんですね。

というわけでデモを見せてもらいました。

ばばーん

かっこいい。リコーの方が顔につけているのは、サムソン製のヘッドマウントディスプレイ、Gear VRです。中にスマホを入れると、その映像を没入する感じで見られるようになっています。だから、シータSで撮った映像をそのスマホに送って再生すれば、まさに遠隔地に自分がいるような感覚になる!というわけなんです。

とはいえ、いま目の前にあるシータSで撮った映像をわざわざヘッドマウントディスプレイで見てもあまり意味がないので、デモで見せてもらったものは別の場所でとったちょっと面白い場面でした。自分の周りを女子高生たちが取り囲んでジャンプしているような奇妙な場面なんですが、もうほんとにその場にいるような、と形容できる感じの自然な映像でした。

360度ぐるっと撮れるシータSみたいな機械とヘッドマウントディスプレイの相性はばっちりなんですね。ドローンにつけて飛ばしてみたいなと思いました。

■オムロン 環境複合センサ

環境複合センサ

つぎに見せてもらったのはオムロンの環境複合センサです。端的にいえば、ネットにつながったセンサーです。温度とか湿度、明るさ、音の大きさ、気圧、加速度なんかを計測して、ネットに流します。

リアルタイムの計測結果のイメージはこんなふうです。

計測した値のようす

ただし、こういう生データをリアルタイムにぜんぶサーバーに送っていたら、まず帯域も使うし、サーバー側に蓄積することになるデータも膨大になります。なのでたとえば加速度のデータでいえば、特定の加速度の大きさや変化のようすを捉えてセンサー自身が判断し、震度4の地震だと思ったらその震度の情報だけを通信する。そして加速度についての生データ自体はネットに流さない、というようなことができる仕組みになっているんだそうです。

温度の例でいえば、リアルタイムの温度情報を膨大に流し続ける代わりに、熱中症が起きやすい温度になったら、その情報だけを通信するというようなことができれば便利なわけです。

考えてみれば、サーバーの監視システムってそもそもそんな感じですよね。サーバーの温度とか負荷とかが一定のラインを超えたらそのときだけ警告を知らせるメールを管理者に送ったりします。そんな感じでセンサー自身も賢くなっていくんですね。

■ニフティ IoTデザインセンター

ニフティのスタッフの方

最後は、ニフティのIoTデザインセンターの方に話を聞きました。IoTデザインセンターでは、IoTの「I」の部分を引き受けるサービスをやっているんだそうです。

そしてニフティは昔からインターネット、つまり「I」についてサービスを提供してきた会社です。Tはまさにモノの数だけありますから、それらをニフティの提供するmBaaSとかMQTTなどを使ってインターネットにつなぐ部分についてのお手伝いをする、ということのようです。

具体的な事例として、幼稚園の園児の行動を解析する話を教えてもらいました。幼稚園の中で自分のこどもが誰とよく遊んでいるか、どのあたりでよく遊んでいるか、みたいなことは、親にははっきりは分かりません。もちろん、子どもに聞けば少しづつは教えてくれるけど、詳細に説明してくれるなんてことはない。

そこで、FRISKのケースの中にビーコンその他を仕込んでおいて、園児のポケットに入れてもらったり、遊具に備え付けたりします。あとはそれら同士の距離を収集して、別途解析するというわけです。ぼくのこどもはもう幼稚園を卒園してしまったんですが、幼稚園や学校で自分の子がどんなふうに過ごしているのか、こんなふうに分かったらすごく興味深いだろうなと思いました。

システムの構成図

IoTデザインセンターが担当したのは、この図でいうInternet以降の部分。MQTTとかRDBを使っているところですね。IoTをやろうとしたときに、IもTもぜんぶ自分でやる必要はたしかにありません。Tが得意ならIは誰かに任せるというのも確かにありですよね。

■まとめ

カメラや、センサー、それからロボット。いろいろな入力や出力がどんどんインターネットにつながっているんだなということを感じました。いまはIoTという言葉が流行っている時期ですが、そのうち、あらゆるものがネットにつながるということが当たり前になって、IoTという言葉も意識されなくなっていくんじゃないか、みたいなことを思いました。

今回行った勉強会:「IoTの「T」が見れるでShow!」
http://iot.nifty.com/event-160126.htm

三土たつお。1976年生まれ。プログラマー、ライター。プログラマーとしてはふだんPHPを書いてます。
ライターとしてはニフティのデイリーポータルZとかで書いてます。
http://mitsuchi.net/

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