「勉強会に行ってみた!」  第20回「IoT縛りの勉強会 ! IoTLT vol.9 @ Google Inc.」
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「勉強会に行ってみた!」
第20回「IoT縛りの勉強会 ! IoTLT vol.9 @ Google Inc.」

2015.12.24

今回はIoTのライトニングトーク(LT)大会です。みんなの「こんなの作ったよ!」っていう発表がいっぱい聞けるんじゃないかと思って行ってきました。そしたらみんなすごいもの作ってました!

三土たつお

IoTの勉強会にはこの連載でも何回か行っていますが、作り方にフォーカスしたものが多かったように思います。今回は、実際にみんながどんなものを作っているのかを知りたいなと思って来てみました。

会場は六本木ヒルズのグーグルでした。

街はすっかりクリスマスの装いですね。グーグル提供の会場は広い場所で、今日の参加者はなんと200人ちかく。盛況でした。

勉強会の主催は、のびすけさんと土屋さん。

左がのびすけさん、右が土屋さん

二人の挨拶が終わると、すぐLTが始まりました。今日は発表者が多いということで、テンポよく進んで行きます。

どの発表ももちろん面白かったのですが、その中から「こんなの作ったよ!」という発表にしぼって紹介してみたいと思います。

まずは、大学生の井上さんによる「IoTシンセサイザー」です。

ふだんは大学でメディアアートを作っているという井上さん。シンセサイザーをスマホから操作することで、複雑な機能を持ちつつもコンパクトなシンセサイザーを作りたいと思ったということです。実際に作ったものがこちらです。

事前に撮影したデモ動画を紹介していたのですが、ちゃんとスマホから音量や変調が操作できていました。すごいですね! 仕組みとしてはArduino を使い、音を鳴らす部分は mozziというArduino向けライブラリ、スマホと通信する部分はESP8266というwifiモジュールを使っています。

ブレッドボード上にLEDなどが配置してありピカピカとかっこよく光るのですが、ハンダ付けがとても大変だったそうです。裏側は配線がいっぱいで白鳥の水面下みたいな苦労が忍ばれます。会場からは「あるある」的な笑いが起こりました。

ソフト側はいいとしても、ハード側のデバッグがとても大変だったとのことです。いっかい組んだ後にテストしたらうまく行かずぜんぶばらして組み直したりとか。ハードのデバッグ、確かに大変そうですね。

次は竜口さんによる「バイブでLチカしてみた」。

Lチカというのは「LEDをチカチカ光らせる」ことです。Lチカはこの界隈ではHello, World的な用語になっていますね。そして竜口さんはこれが初LTなんだそうです。素晴らしいですね!ぼくも竜口さんを見習ってどんどんアウトプットしていきたいなと思いました。

さて、バイブというのは携帯のバイブレーション部分のことなのでした。まずは使ってないスマートフォンの蓋を外して中身を見てみます。

緑に囲んだ部分がバイブにあたるのですが、金色に輝く2つの接点が+と?だろうということが推測できます。そこで、どっちが+か、何V来てるかも分からないけど、とりあえずLEDを当ててみます。

当てただけなのでまだ光りません。そこでこの携帯電話に着信させると・・。

みごと光りました! ・・すみません、この光ってるところは会場で撮り逃してしまったので、ぼくが画像を加工したものを作りました。でも確かに光ってました!

LEDが光るということは、LED以外を接続すればなんだってできるということです。そこでタミヤのモーターを接続して、ラジコンカーにしてみました。

画面奥に見えるのが、スマホのバイブの回路にモーターをつないで車輪の上に載せたものです。手前のスマホからBluetooth で奥のスマホのバイブを動かすと・・。

ほら!動きました。

これは感動しました。まず、スマホを分解してバイブ部分の回路を直接のぞいてみるっていうのがまずワクワクするし、結果的にスマホが車になってるっていうのがすごく面白くないですか? たしかにこれ自体はネタっぽいというか、直接なにかの役にたつことではないかもしれません。でも、まず第一に楽しいし、こうやって遊べること自体が素敵なことだなと思いました。

次は、IoT歴1ヶ月という山口さんによる「電気工学初心者が照度センサーで室内音楽をコントロールする」です。

山口さんは家では一日じゅう音楽をかけているそうです。昼と夜で音楽を変えるようにしているんだけど、手動でやるのがめんどくさいので自動でやりたい、じゃあ照度センサーが使えるんじゃないかというのが動機です。

作ったものはこんな感じ。TSL2561という照度センサーを秋葉原の秋月電子で買ってきて、Raspberry Pi とつなぎました。

こう書くとあっさりなんですが、山口さんの発表はそれに至る過程が参考になりました。IoT初心者として、まずは勉強会に参加したり、秋葉原を歩いたりしたそうです。

勉強会では、開始時にはRaspberry Piの操作方法もよく分からなかった状態から、無線LANでRaspberry PiにつないだりLチカできるようになったりと確実にレベルアップした実感があったとのこと。

また、秋葉原を歩くとどんな部品があるか知ることができ、やってみたいことも増える。それに電気工作のやり方や知識を教えてくれるAssemblage というお店があるので、とても勉強になるということでした。独学よりは、隣に詳しい人がいるほうが絶対進みが速いですもんね。

最後は、主催者の一人でもあるのびすけさんによる「IoTとデザインの話」です。

のびすけさんが作ったのは、「ヒトbit」というウェブサービスです。エンジニアが集まるスペースに人感センサーを設置し、場所の盛り上がりをリアルタイムに反映して表示するというものです。

画面はこんなふうです。その場所に人の出入りがあると、画面上にも人が現れて、地面の下で自転車をこぎ始めたりします。これはエンジニアの縁の下の力持ちとしてのイメージを表したものですね。

人感センサーをウェブに反映させる部分についてはさらっと流し、本題はデザインでした。人が集まってきたことをウェブでどう表現するか? 当初のアイデアはこんなふうだったそうです。

いかにも「データヴィジュアライゼーション」という感じですよね。でもデザイナーの反応はイマイチだったそうです。そこで、せっかく人が集まるんだから、アイコンも人にしたらどうかというアイデアにシフトしたそうです。集まって盛り上がるようすは、点の間に線がつながるみたいな抽象的な表現じゃなくて、線路ができたり川ができたりして街が発展するようすで例えようと。

そのほうが分かりやすいし、温かい表現になる。IoTで集めた情報を表現するという場面はこれから増えて行くことになると思いますが、その際の表現の仕方、デザインには気をつけようという内容でした。IoT、もはやそういう次元なんですね。

■個人で始めた勉強会が会社の事業になった

ところで、のびすけさんがこのIoTLT という勉強会を始めた経緯がとても興味深かったので紹介したいと思います。

もともとは、のびすけさんと、もう一人の主催者である土屋さんのそれぞれの会社の社内のエンジニアを外に出したいという動機で、IoTについての合同の社内勉強会をしたんだそうです。すると次回発表したいという声が外部からあり、二回目からは社外の勉強会になりました。テーマがIoTということもあり、参加者は会を追うごとに増え、次第に200人近くまでになりました。

あるとき、のびすけさんが会社の社長を勉強会に誘ったところ、その盛況ぶりとのびすけさんの活躍ぶりに社長も感動。勉強会を通じたコミュニティの運営が、新しく会社の事業になったとのことです。すばらしい取り組みですね。エンジニアの社外活動はどうするかとか、コミュニティを育てるとは、とかいろいろと勉強になります。経緯は以下の記事にまとまっています。

「課外活動で勉強会を主催していたら会社の事業になった話 #IoTLT」
http://liginc.co.jp/183367

■まとめ

みんな楽しそうなもの作ってるなと思いました。IoTでどうやって儲けるかみたいな視点ももちろん大切なんですが、せっかくこういうものを手軽に作れる環境があるんだから、楽しんでとにかく作ってみようという雰囲気が感じられました。作ったらこういう場所でみんなからフィードバックを受けることもできるし、まずはやってみることなんだなと思いました。

今回行った勉強会:「【大好評のため増席!】IoT縛りの勉強会 ! IoTLT vol.9 @ Google Inc.」
http://iotlt.connpass.com/event/21491/

なお、次回勉強会は12月21日に六本木アークヒルズで行われるそうです。詳しくはこちら。
http://iotlt.connpass.com/event/22514/

三土たつお。1976年生まれ。プログラマー、ライター。プログラマーとしてはふだんPHPを書いてます。
ライターとしてはニフティのデイリーポータルZとかで書いてます。
http://mitsuchi.net/

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