日本一現実的なディズニー夜話第8回:永遠に完成しない?クラシック、かつ超モダンに生まれ変わるアトラクション
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日本一現実的なディズニー夜話
第8回:永遠に完成しない?
クラシック、かつ超モダンに生まれ変わるアトラクション

2015.04.09

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東京ディズニーランドがオープンしたのは1983年4月15日。今年は早くも32周年を迎えます。海を越えると、カリフォルニアにある本家のディズニーランドは2015年になんと60周年。60周年のダイヤモンド婚になぞらえ、ダイアモンド・セレブレーションというスペシャルイベントでそのお祝いが行われる予定です。前回ご紹介した香港ディズニーランドのナイトパレード「Disney Paint the Night」もアナハイムのディズニーランドで開催されることも正式発表されました。とても楽しみです。
宮田 健

Disneyland Resort Diamond Celebration

https://disneyland.disney.go.com/events-tours/60-years-diamond-anniversary-celebration/

オープンして60年ともなると古くさく感じるはずなのに、いまだに輝きが衰えないディズニーのテーマパーク。そこには、クラシックなアトラクションにさえ最新の技術を積極的に取り込んでいることが関係しています。

■ クラシックアトラクションの代表「ピーターパン空の旅」が変わった

東京ディズニーランドにもあるアトラクション「ピーターパン空の旅」を体験したことはありますでしょうか。暗い中を帆船型のライドに乗り、ピーターパンの冒険を体験する……といったアトラクションですが、これはオープン当初から存在するもの。正確には、本家ディズニーランドにおいて1955年7月17日、つまりオープン当初から存在するアトラクションで、御年60歳にもなろうというものです。

ところがこのピーターパンのアトラクション、フロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールドにおいて新たな要素が追加されました。まずはその動画をご覧ください。

「ピーターパン空の旅」に追加された新要素

今回新たに追加された要素とは、アトラクションそのものではなく「行列中」のエリア。ピーターパンに登場するウェンディが住む、ダーリング家の中でアトラクションを待つ人たちが、手を挙げて遊んでいます。その影を見ると、そこにはいないはずのチョウが手に止まるのです。寝室の中は妖精がいるようで、地球儀が回ったり帆船が揺れたりと、いろんないたずらをしているようです。

ここ最近、特にフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドにおいては、並んでいる間も楽しめる「インタラクティブ・キュー」と呼ばれる仕組みが導入され始めています。インタラクティブ・キューとは、並んでいる間にもゲームができたり、今回のように壁に映し出された影を操作できたりと、大人も子どもも楽しめるようになっているもの。さらには、いま話題のプロジェクションマッピング技術を使い、魔法のような効果を目の前で表現しています。

今回はピーターパンに登場する妖精、ティンカー・ベルがあたかも部屋の中を飛び回るかのようにきらめきが移動し、その動きに合わせて宝箱が動いくなど、かなりリアルな表現が行われています。ディズニーではこのように、動かないセットにプロジェクション効果を追加し、表現を行うことを「Dynamic Environment」と呼び、ここ最近多くのクラシックなアトラクションに施しています。60年間、同じ名前で運用されていたアトラクションも、このように大きな進化を見せています。そのほか、「Dynamic Environment」が使われているアトラクションの動画もいくつか紹介しておきます。

「不思議の国のアリス」のアトラクションにもDynamic Environment

■ クラシック代表「ホーンテッドマンション」にも大きな変化がやってくる

もうひとつ、クラシックなアトラクションにやってくる大きな変化をご紹介します。それは「ホーンテッドマンション」。こちらも東京に同じ名前のアトラクションがありますが、本家カリフォルニアは45周年を迎えたところ。この超クラシックなアトラクションにも、この夏変化が訪れることが予想されています。それが「ハットボックスゴースト」と呼ばれる1体のオーディオアニマトロニクスです。

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イベントで先行展示された「ハットボックスゴースト」のオーディオアニマトロニクス

ハットボックスゴーストとは、文字通り帽子のカゴを持った亡霊。自分の頭がいつの間にか消え、帽子のカゴの中に……という演出がなされているとか。このハットボックスゴースト、実は本家のホーンテッドマンションがオープンした45年前には存在していたものの、当時の技術では十分な動作が表現できず、わずか数週間で姿を消してしまったといういわく付きのもの。そのため、東京版のホーンテッドマンションにも存在しません。しかしその「伝説」はいまでも残っており、アメリカのホーンテッドマンションマニアの間ではその存在を知らぬものはいないほど。

そのハットボックスゴーストを、2010年のディズニーファンイベントで復活させることが明らかになり、この度とうとうその設置が進んでいる……といわれています。2015年1月には新たな「窓」がアトラクション内に設置されたことが明らかになり、おそらくここに登場するのでは?とのこと。

https://twitter.com/EPCOTExplorer/status/558794934204239872

この事例は、本来表現したかったことが45年の時間を経て、やっと「技術」が追いついたというもの。個人的にも非常に楽しみにしているアップデートです。

最新の技術で新たな魔法がかけられる様子は、技術者視点で見ていてもとても楽しいものです。
ウォルト・ディズニーは「ディズニーランドは永遠に完成しない、世界に想像力がある限り、成長し続けるだろう」という言葉を残しています。エンジニアにとって「永遠に完成しないプロジェクト」は御免被りたいところですが、こんな「未完成」ならかっこいいかもしれませんね。

原稿:宮田健(みやた たけし)
主にネットワークやセキュリティを中心とした、エンタープライズITに関する情報を追うフリーのライター。
IT以外にも旅行やエンターテイメントなども広くカバーし、趣味と仕事の境界をどこまであいまいにできるか挑戦中。
http://dpost.jp/about/

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