カマコンバレー「ZenHack 2014 Fall 坐禅会+ミートアップ」
event

カマコンバレー
「ZenHack 2014 Fall 坐禅会+ミートアップ」

2014.09.30

ent63_img01.jpg

ITエンジニアにとって、学習意欲こそが生きる糧であります。しかし、「学習」という行為は、プログラミングやオペレーションの技術に留まるものではありません。人との関わりの中で学び、暮らしの中で成長していくことは、エンジニアである以前にひとりの人間として大切なことです。そこで本稿では、ITイベントや勉強会はもちろん、地域社会の街づくりや街興しを通じてより良い社会を作る活動をされている方々や団体のイベント等に積極的に出かけて、その様子をレポートしていきたいと思います。(鶴田 展之

■ ZenHackに行こう!

第一回の舞台は、筆者の住処でもある古都「鎌倉」です。決して「近所だから取材がラク」というわけではありません。鎌倉では、ITのチカラで鎌倉を熱くすることを目指してたくさんの企業や個人が結束し、「カマコンバレー」として活動しています。クラウドファンディングプロジェクト「iikuni」等メディアにも報じられることが多いので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

【カマコンバレー】
http://kamacon.com

【クラウドファンディング iikuni】
http://iikuni-kamakura.jp

そのカマコンバレーが主催するハッカソン「ZenHack」の2回目が、まもなく、10月11日?12日にかけて開催されます。ハッカソンというのは、「ハック」と「マラソン」を合わせたもので、人々のアイデア、知恵、知識を結集して短気集中的に「課題」を解決することを競うイベントです。そして、ハッカソンに鎌倉らしく「禅」を取り入れたイベントが、カマコンバレーの「ZenHack」というわけです。鎌倉在住のエンジニアとしては、これは素通りするわけにはいきません。

■ 建長寺で坐禅を体験する

さて、ZenHackの本会は10月ですが、9月13日にはZenHackのプレイベント「坐禅会 + ミートアップ」が開催されました。まずはZenHackの雰囲気に触れるため、筆者も参加させていただきました。

ent63_img02.jpg

会場は本会と同様、建長寺。「けんちん汁」の由来としても知られる臨済宗建長寺派の大本山、1253年に北条時頼によって創建された由緒あるお寺ですが、近年は「開かれたお寺」としても知られています。特に、3.11の震災後には、神道、仏教、キリスト教の宗派を超えた組織「鎌倉宗教者会議」を主導し、「東日本大震災 追悼・復興祈願祭」を毎年開催する等、時流を捉えた活動をされています。

【建長寺】
http://www.kenchoji.com/

建長寺では毎週金・土に無料の坐禅会が開催されています(拝観料300円は必要)。今回のイベントでは、この定例の坐禅会に参加して禅を体験した後、ハッカソン本会に向けた課題の共有を行いました。

まずは坐禅。入り口から少し奥まった龍王殿に入ると、厳かな空気に身が引き締まります。筆者も坐禅は初体験でしたが、配布される小冊子「坐禅の手引」に作法が詳しく説明されているので、それに従えば難しいことはありません。両足を反対の腿に載せる「結跏趺坐」は、体の硬い筆者にはどうしても無理でしたが、片足だけ載せる「半跏趺坐」でもよい、それも無理ならアグラでもよいそうです。

実際の坐禅は、2?3分の休憩を挟んで15分ずつ2回行います。最初はいろいろな思考、たとえば守れずにぶっちぎっている納期の心配などが頭を巡りますが、境内を吹き抜ける爽やかな風を感じながら畳の目をぼんやりと眺め、ゆったり複式呼吸をしていると、次第に頭がクリアになっていきます。響き渡る警策の音も、なにか遠いところで鳴っている音楽のように現実感が乏しく聞こえるのです。眠りとは違う、頭は冴えているけれどボーっとした感覚が、とても新鮮。近所だし、月一回ぐらい参加しようかな、などと真剣に考えています。

ent63_img03.jpg

■ ミートアップ!

さて、坐禅で集中力がアップしたところで、いよいよミートアップです。今回のZenHackで取り上げるのは「ゴミ」問題。鎌倉市ではゴミの戸別収集と有料化を巡って議会が空転し、開始時期も再三延期されています。市内に2ヶ所しかない焼却施設のうち1ヶ所が来年稼働停止予定のため、新たな焼却施設の建設やゴミの減量が大きな課題となっていますが、なかなか打開策が見出だせない状況です。そこで、「ITのチカラ」でこの難問を解決してやろう、解決に繋がるサービスを創出していこう、というのが、今回のZenHackのチャレンジになります。

ent63_img04.jpg

今回のミートアップでは、10月の本会に向けた情報共有・意識共有という意味で、昭和50年代に起きた産業廃棄物不法投棄事件と、その後の取り組みについて学びました。事件の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ「豊島」「直島」という島でした。違法な産廃処理を続ける業者、判断を誤って許認可を行った行政と、長期に渡って闘った住民の努力の物語です。本稿では詳しく経緯を紹介する紙幅がありませんが、事件をまとめたWebサイトがありますので、是非ご一読いただきたいと思います。

【香川県 豊島問題ホームページ】
http://www.pref.kagawa.jp/haitai/teshima/

文明生活を送る我々はどうしてもゴミを生み出してしまいますが、正しく処理しなければ後々の自分、そして後世に大きな問題を残してしまいます。実際に不法投棄の現場となった豊島だけでなく、ごみ処理を受け入れた直島でも、海苔やハマチの養殖への風評被害、長年続くイメージダウンなど、目に見える以上の被害が起きています。現在、豊島や直島は「豊島美術館」「ベネッセアートサイト直島」など、美しいアートの島として多くの観光客を集めていますが、その裏側には25年にも及ぶゴミとの闘いを経験した島民の、消費文明へのアンチテーゼがあるのです。

■ そしてZenHack本会へ

ミートアップの後半は、豊島問題をベースとして、参加者同士でディスカッションを行いました。1時間にも満たない時間でしたが、あらためて議論してみると「ゴミ」の処理がいかに広範かつ解決の難しい問題なのかが実感されます。しかし、10月のZenHack本会では、48時間にわたって「みんなで」知恵を出し合います。もちろん、坐禅も午前3時半から(!)行うそうです。かなりハードになりそうですが、きっとなにか素晴らしいアイデアが生まれるに違いない、そんな予感がするプレイベントでした。集中力や思考力を鍛えたい方、コミュニケーションから新しい知見を得たい方は、是非参加してみてください。

ent63_img05.jpg

原稿:鶴田 展之
qnote代表取締役。オープンソースソフトウェアを用いたシステムインテグレーション及びコンサルティングの傍ら、技術書を中心に多数の著述活動を行う。
なお、オフィスには7匹の猫がいる。

この記事はどうでしたか?

おすすめの記事

キャリアを考える

BACK TO TOP ∧

FOLLOW