Iターンは本当に可能?都会を離れたSEの働き方、現実と未来
trend

Iターンは本当に可能?都会を離れたSEの働き方、現実と未来

2014.04.22

ent26_img01.jpg

昨今は「PJリーダーの社員以外、メンバーは全員SOHO」といったスタイルも多くなってきました。身柄を拘束されない自由な働き方が可能になれば、居住地に縛られる必要もなくなります。
「憧れるけど……実際どうなの?」というエンジニアの皆さんのために、今回は筆者のSE時代からの友人・I氏(SE歴17年/3年前に東京から中部地方へ移住)にお話を伺いました。(島田佳奈

---移住を決めたきっかけと経緯を教えてください

一番のきっかけは東日本大震災です。うちには小さい子どもがいるので、当時は未知数だった放射線の影響に不安を感じたためでした。
中部地方を選んだのは、妻の実家があったからです。

---移住によるメリット、デメリットは何ですか?

最大のメリットは精神的安定ですね。妻の実家に移住できたおかげで、落ち着いて状況を見極めることができました。もう一つは、雄大な自然の中で子育てができるようになったこと。透明な川で子どもが水遊びするのを見て、「移住して良かった」と思いました。
東京を離れたことで、より自分のペースで仕事をこなせるようになった点もメリットです。東京では友人からの遊びの誘いや、雑念も多かったので。
デメリットは、寂しくなっちゃったこと。SOHOだと地元に友達もできないので、東京ではやらなかったスナック通いをしたり、義弟と酒を飲みながら愚痴を聞いてもらったりしています(笑)。

---仕事面で感じた変化を具体的に教えてください。

ネットからSOHO案件を請けていられるうちは、まったく問題なかったです。しかし想定外のことは起きるものですね。最大手の取引先が潰れてしまい、地元のフリーランス案件を探したら、単価が5~10万円くらい安かったり、選べる案件の絶対数が東京と比べて少ないことに驚きました。案件の量も金額も、東京はやはり多いです。
とはいえ、案件の選択肢が減る程度です。東京にいた頃にコネを多く作っておいたので、仕事が途切れて困るようなことはなかったです。

---フリーである以上、どこに住んでも収入減になる可能性はありますが、
---案件の少ない地方でもうまくやっていくための対策は?

都内より物価も家賃も安いですし、日々のランニングコストを下げられるメリットはあります。とくに僕の場合は妻の実家で同居なので、生活そのものが苦しくなることはありませんでした。家賃が省けたし、妻の実家は十分な広さがあるので、作業部屋を設けたんですよ。
これが集中できる! 都内の狭い賃貸マンションで、リビングで仕事していたときとは大違いですね。

---将来、「東京からの移住」を考えている後輩SEへ、具体的なアドバイスをいただけますか?

やはり受託案件のコネをいくつ持っているかが重要ですね。都内の常駐案件は、当然ながら移住したら請けられませんから。コネを作る方法は一概には言えませんが、基本は仕事相手とのコミュニケーション、それとクライアントのニーズ以上のリターンを返す姿勢ではないでしょうか。「また君にお願いしたい」と思われるほどの実績を残しておくのは、流動性の高いIT業界においては大事なことです。

---とはいえ、顔を合わせないとつながりを保つのは難しくないですか?

確かにそうですね。だから僕は、3ヶ月に1度くらいは東京へ出向いて、勉強会やセミナー、エンジニアの集まるコワーキングなどに顔を出しています。受託開発の企業の営業マンなんかも結構出入りしているんですよ。勉強会で知り合った人とはFacebookでつながって、その後はオンライン上で交流を深めるようにしています。
その他に日々実践していることといえば、ブログからの情報発信。テック系の記事をマメにアップして、「こいつアンテナ立ってるな」と思ってもらえるようにしています。これは、何も東京でなくても地方からでもできることですよね。

Iターンという仕事環境の大きな転換には、当然ながらメリット・デメリットが伴います。ただし、その割合はそれぞれのライフスタイルや考え方によって変わってくるようです。もしも別の土地に移住したいと望むのであれば、こうした意見を参考に、準備を進めてみてはいかがでしょうか。

原稿:島田佳奈
作家/女豹ライター/コラムニスト。『人のオトコを奪る方法』他著作多数。あまり知られていないが、実はキャリア8年の元SE(C/S、オープン系。専門言語はVB、Java)。SE時代は主にリーダーとSE/PG間のコミュニケーション不全を緩和する稀有なムードメーカーとして重宝される。徹夜3日、稼働月420時間(15h×28日)が限界値(女として終わっているレベル)。AllAbout恋愛、Nifty恋愛結婚、シティリビング他コラム連載多数。
公式サイト https://www.facebook.com/shimadakana.fanpage

この記事はどうでしたか?

おすすめの記事

キャリアを考える

BACK TO TOP ∧

FOLLOW