日本一現実的なディズニー夜話 第1回:ファンタジーだけではない「ディズニー」の世界
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日本一現実的なディズニー夜話
第1回:ファンタジーだけではない「ディズニー」の世界

2014.04.29

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突然ですが、「ディズニー」といわれて思い浮かぶのは何でしょうか? 青空の下、精巧に作られた白いお城?
それとも、きらめく電飾のパレード?

千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾートも31周年を迎えました。生まれたときには既に東京ディズニーランドがあったという読者も多いでしょう。そのため、日本ではどうしてもディズニーはファンタジーの代名詞で、子供向けという印象が強いと思います。

この連載では、この「ディズニー」というものを現実的にとらえてみたいと思います。ちょっと意外なディズニーの姿に気が付いてもらえればうれしいです。
宮田 健

■ ディズニーはスタートアップ企業を応援する?!

早速ですが、2014年2月12日にウォルト・ディズニー社が発表したプレスリリースを紹介しましょう。これは技術系のベンチャー企業を支援するという「Disney Launches Startup Accelerator Program」を4月からスタートするというもの。ウォルト・ディズニー社の選考を通過した10社に対して、ディズニーは12万ドルを支援するだけでなく、グループ企業であるピクサー、スター・ウォーズを作ったルーカスフィルム、マーベルなどのCEOからのアドバイスも受けられるといったものです。

http://disneyaccelerator.com

このニュースは日本ではほとんど報じられませんでした。おそらく、日本におけるディズニー観と、本国におけるそれとの違いが大きいためだと思います。

実は、ディズニーというのは常に最先端の技術を取り入れる企業でした。例えば、平面を表現するアニメーションに「奥行き」を取り入れた、マルチプレーンカメラを発明したのはディズニーでした。

Walt Disney Introduces the Multiplane Camera



そしてアトラクションで登場するロボットたちも、ディズニーによる発明品。ディズニーはこれを、音と同期して動くことから「オーディオアニマトロニクス」と呼んでいます。最新のオーディオアニマトロニクスの動きは大変滑らかで、表現力がアップしていることが分かります。

Ursula Moves Into Her Lair at Disney California Adventure Park



さらに、2011年には演者なしで自立した会話を可能にするオーディオアニマトロニクス「Destini」を発表しています。これは目の前にたつ人だけでなく、周囲にいる人の人数や場所、視線、表情をカメラやセンサーにより把握し、適切な言葉を選んで会話するというもの。2013年、Destiniを作ったスコット・トローブリッジ氏が来日し、イベントにて「彼、初音ミクちゃんに会いたいっていってます」と冗談を言ったことがネット上でも話題になりましたが、機械に生命を吹き込むという意味では実に深いセリフだと思いました。

Disney D23 Amazing Destini Android Robot



Destini at 2011 D23 Expo. 100% fully automated interactive character.



参考:D23 Expo Japanで紹介された完全自立会話可能なオーディオアニマトロニクス「Destini」について
http://dpost.jp/2013/10/13/wp-15329/

■ 技術は「ファンタジー」実現のために

冒頭、日本では「ディズニーといえばファンタジーと思われている」と書きました。アメリカではそれとは裏腹に「技術者に向けた支援を惜しまないプログラム」があり、ひょっとしたら意外に思われたかもしれません。しかし、ディズニーという会社は、最新の技術を貪欲に取り入れ、それをファンタジーとして提供するという、世界でも例を見ない企業なのです。

ディズニーという組織は、日本においてはまだあまり知られていない部分が多数存在します。この連載では、他でよく取りあげられるようなディズニーのトリビアや隠れミッキー、テーマパークの必勝法などにはあまり触れず、日本で紹介されていない、ディズニーの“現実的な面”を紹介できればと思っています。

原稿:宮田健(みやた たけし)
テーマパークだけではないディズニー全般をカバーする「dpost.jp」を運営。普段はIT系のライターとして活動しているが、その裏でディズニーをはじめとする研究を行う。ウォルト・ディズニーが作る世界の全てが大好き。
http://dpost.jp/about/

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