もはや「ノマド」でも「在宅」でもない!イノベーションを生み出す、新時代のオフィス環境
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もはや「ノマド」でも「在宅」でもない!イノベーションを生み出す、新時代のオフィス環境

2014.02.04

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近年日本にも広がった「ノマド」や「在宅勤務」のスタイルは、シリコンバレーのほとんどのIT企業が導入している。その一つの究極形といえるのが、緑の象がトレードマークの......そうEvernote。

同社には100%在宅勤務の社員がいるだけでなく、「アンリミテッド・バケーション(無制限有給休暇制度)」という、社員がスケジュールを自分でコントロールできる仕組みを採用している。このような完全結果志向の考え方はROWE(Results-Only Work Environment)と呼ばれる。早い話が「いつどこで仕事してもいいよ、結果さえ出せばね」ということ。

このトレンドは夜型が多いエンジニアや、上司や同僚の「ちょっと5分だけいいかな?」の一言(そして大抵5分では済まない!)に作業を中断されたくない人々に歓迎され、IT業界以外にも広まりつつあったが、それに逆行する方針を打ち出したのが、アメリカのYahoo社だ。

2012年秋にCEOに就任したマリッサ・メイヤー氏は、従業員に「実際にオフィスに出勤できないならYahooを辞めて欲しい」と宣言し、マイペースに午睡を楽しんでいたエンジニア達を震え上がらせた。

「在宅勤務禁止令」の発令である。(亀山 將

■ Yahooはなぜ劇薬を投入したのか

この発令は多くのエンジニアの反感を買い、議論を呼んだ。背景には、在宅勤務時の生産性の低下や、勤務実態のない「幽霊社員」の存在があったらしい。
でも、本当にそれだけだろうか?
新しいアイデアを生み出すためには、異なる価値観を持つ人と人のコミュニケーションが不可欠だ。メイヤーは、エンジニアたちを強制的にでもオフィスに集めることでコミュニケーションを活性化させ、イノベーションを期待したのではないだろうか。

■ 「コミュニケーションの場」としてのオフィス

Evernoteの社員がみな在宅勤務を行い、オフィスは閑散としているかと言えば、そんなことはない。Evernoteではデスク間のついたてを取り払い、フロアが見渡せる「日本式のオフィス」を導入。関連部署をあえて別フロアに配置するなど、社員間のコミュニケーションが生まれるようなさまざまな仕掛けを取り入れている。無制限に有給休暇を取らせる一方で、「社員が来たくなるオフィス作り」にも大きな力を注いでいるのだ。

休暇中の旅先で新たなインスピレーションを得たエンジニアが、オフィスでそのアイデアについてメンバーとブレストする。「社員が集まって仕事をする場」から「仲間同士のコミュニケーションによってイノベーションを生み出す場」へ――

そんなオフィスだったら、あなたも働いてみたいと思わないだろうか?

■ いかにしてイノベーションを生み出すか

一見正反対のようなYahooとEvernoteも、組織がイノベーションを生み出し成長し続けるための「働く場所」や「働き方」を捉えなおしているという点は共通している。

こういった変化は、日本国内でもはじまっているのだ。

コクヨグループが立ち上げた研究組織『WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)』は、ICTの発達ともに在宅勤務やノマドスタイルが拡がる一方で、オフィス空間は、今後「コワーキングサロン」「コミュニティスペース」としてこれまで以上に重要視されていくだろうと指摘している。
大事なのはもはや「オフィスか在宅勤務か」といった場所の議論ではなく、「イノベーションを生み出し、成長を続けるためにどう働くか」ということだ。

そして、エンジニアは?

「組織にイノベーションを持ち込めるかどうか」
これが、高度な技術を持ったエンジニアにとっての次なる「付加価値」となるだろう。

原稿:亀山 將
フリーランスマーケター/ライター。米国NYで経営学を、スイス、英国でホスピタリティマネジメントとマーケティングを修める。中国での五つ星ホテル開業支援などを経て、帰国。企業向けのプロモーションイベント企画制作、中国進出企業のマーケティング支援等に3年間従事。現在はフリーランスとして企業の経営支援や新規事業開発支援などを行っている。

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